おいおい、パパさん！！

　
　「間もなく、そちらに到着します」
予約のバスの添乗員からの入れ込み電話。

　このシーズン、当店の脇の駐車場はバス３台が駐車できるようにしてある。
「バスが到着しますよ～～」と一同に声かけた。
するとズズーッと乱暴に乗用車が一台進入、男女が降り立った。
しかも、奥の駐車場から出る車を塞ぐようにドアーを開けたまま。
庭の紅葉をバックに写真を撮るつもりらしい。

　駐車は奥へ願いたいと男に声をかけたが知らん振り。
男は女に向って、スナップの為のポーズを促す。
男は４０代後半、女は３０歳前半。夫婦ものには見えない。
再度、バスが到着すること、出る車の邪魔をしている旨を告げた。
すると大声で「うるさいっ、つべこべ言うな！！」と言うではないか。
「おいおい、それはないぜ。パパさん！！」と言い返したかったが止めた。

　こんな大バカ者、何を言っても無駄というもの。
気でも触れているのであろう、哀れな人間だと見つめてやった。
一見、サラリーマン風だが平日の昼の時間帯、変と云えば変である。
世の中には、このような人間も存在していることの事実。
警察も忙しいわけであると納得した。

　皆が注目する中で３～４枚の写真を撮り、
乱暴にドアーを閉めて「バッキャロ～～」と云わんばかりに走り去った。
庭の紅葉が呆れかえって一層赤く燃え上がったように感じた。　ハ～～ァ・・・