山の頂から

やさしい風

おん あぼきゃ・・・・

2012-05-17 00:25:01 | Weblog
 知人の御主人は多趣味な方で最近は写真に凝りだしたとか。
先日のこと、知人が仕事を終え帰宅すると家の前に数台の車が・・・
訝りつつ家の中の夫に向かい声を掛け居間に上がると、
見慣れぬ数人の男性客を目にした。
「警察の者です」と頭を下げられドッキリとしたそうな。
何をやらかしたかと不安げな顔を見せると、
「俺、第一発見者・・・」神妙な顔で夫が答えた。

 知人の家は辺り一面畑が広がり自然に恵まれた場所。
そして道路を挟んで目の前に里山がある。
四季折々きれいな山野草を見ることが出来、
花の好きな彼はそれらを写真に収め楽しんでいるという。
いつものように山道を登って行く途中でナップサックを目にした。
だが傍に多量の血の広がった衣服が脱ぎ捨ててあった。
彼はギョッとしたが大きな声で、「オ~イ」と辺りに呼びかけた。
が、返事はない。どうも様子が只事に思えず急いで家に引き返し警察に連絡。
駆けつけた刑事数人。現場を見て直ぐ様取った行動に驚いたという。
何とそのうちの一人の刑事が盛んに辺りに向かい鼻をクンクンさせ始めた。
そうして二手に分かれ捜索開始。3~40分後、
「オ~イ、あったぞ!」と一方方向から声がした。

 知人の夫は、勿論仏は見なかったが割腹自殺者らしいということだった。
それからが大変。第一発見者ということで色々尋問が始まって、
その最中に知人が帰宅したという次第だ。
帰宅した知人もまた、ナンタラカンタラと尋問を受け、
いやはや参ったと苦笑いをし一部始終を話してくれた。

 日本は14年連続して自殺者が3万人を超えているという。
確かに新聞で毎日自殺の記事を目にする。
その度に何とも言えぬ気持ちになる。
最近は就活に失敗した若者の自殺者が増えているというが、
残された家族の気持ちを想うと深いため息が出る。

 【おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら
まに はんどま じんばら はらばりたや うん】光明真言、23文字の短い御経だ。
~~心からお願い致します、宇宙に遍満し常住であられる大日如来よ、
その偉大な誓いを示す悟りよ、智慧と慈悲の掬いの光明を差し伸べて下さい。
是非ともお願い致します~といったほどの意味らしい。
モモが死んでどうにも悲しみから抜け出せないでもがく日々の中、
般若心経と共にその意味を知り毎朝唱えている。
ここ数年の内に父をはじめ沢山の知人の死に遭遇し命の儚さに拉がれた。
誰もが命尽きる日を迎えるが、
せめて、その日が来るまでは何としてでも心豊かに過ごしたい。
そんな風に思う今日この頃である。

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