山の頂から

やさしい風

母さんとママン

2009-12-02 23:08:13 | Weblog
 
 私は母の母、つまり祖母の顔を知らない。
祖母は、母が小学校の6年生の時に病死した。
思えば、どんなにか寂しかったろう。

 しかし、母は余りそう言ったことを言わなかった。
80歳を過ぎた母が描いた行燈の椿の絵。
すっかり遠い昔の母さんの思い出を綴った数行の文に、
幼い母の手を引く祖母の幻の姿を思い浮かべた。
何だかうっすりと涙が滲む。

 子を愛おしむ貧しいけれどキッチリとした母親。
貧しい母親は働き抜いて、伏して逝った。その背を見て育った子。
人間とは、働いて正直に生きて死ぬんだと学び取った。

 裕福な母親は金に飽かして、子の何もかも聞き入れた。
それこそ億の単位で・・・・
母さんというには野暮ったい。
んんん・・・そう! ママンって呼ぶに相応しい。
ねぇ、鳩山さん。ママン、ママン、ママン。
「ママン、僕ねぇ、好きな人が出来ちゃった。そのひと、他所の・・・」
「ねぇ、ママン。僕、お金が足りないの。困ったなぁ・・・」

 とかく世間は騒がしい。
多分、僕にお金が有るからだ。きっと、妬ましいに違いない。
だから貧乏人は嫌いだよ。
ママン、僕はどうしよう!? どうしていいか判らない。
僕は何にも知らないよ。
早く宇宙へ帰りたい~~ ママ~ン、ママ~ン。