山の頂から

やさしい風

招かれざる客~とんだイヴ

2009-12-24 15:46:10 | Weblog
 【哲学の頂き】には先客がいた。
パトロール中の警官だった。
「おはようございます!」 互いに挨拶を交わす。
今朝は差ほどに寒さは感じない。ホッカイロを忘れたほどだ。
日の出までには未だ間があった。

 スッキリした嶺線。背後の空はミカン色になった。
「中々、出ないねぇ」警察官は呟いた。
パトカーから、もう少し若い警官だ現れ横に並んだ。
すると見知らぬ男性が息を切らし駆け寄ってきた。
手には買ったばかりの温かいコーヒー缶を4個。

 二人の警察官に、「ごくろうさん!」と言いつつ手渡し、
「オバちゃんも飲みな!」と差し出すではないか!
「えっ、オバちゃん? ・・・的にも・・・ありがとう・・・」
と、突然、老女が道路で倒れているとの無線連絡が・・・
パトカーは走り去った。 漸く日は昇り始め夢中でシャッターを切る。

 男性も去って、モモと帰ろうとしたその時、
夫が車で現れた。 んっ、どうした!?
「大変だ!!泥棒に入られた~~」 ええっ~~

 家に着いて驚いた。店の釣り銭等がそっくり持って行かれた。
鍵の掛かっていない店台から侵入したらしい。
早速、警察に通報。 刑事の到着の遅いこと!!
鑑識課や管轄の交番の警察官等7~8人で調書作りが始まる。

 靴型、指紋の検出、放り出された遺留品等、まるでテレビドラマと同じ。
勿論、家人の指紋も取られた。犯人割り出しの為には必要なことだ。
立ち会っているうちに犯人に対して無性に腹が立ってきた。
「刑事さん、犯人を逮捕したら一発殴らせて!!」
ボコボコにしてやりたい。 心底そう思った。

 まったく~不景気でヒイヒイしている我が家からコソ泥をして!!
天罰があたれ~~と何度も内心叫んでやった。
「イヴに袋を担いだサンタでなく、泥棒がねぇ~~」
娘が気味悪いと言いながら、ふと漏らした。
「クリスマスはおろか、お年玉も無し!!」そう叫ぶ私に、
ぎゃぁ~~ 娘はおどけて髪を逆立てた。

  ● 招かざる客忍び入る師走かな   初桜