山の頂から

やさしい風

満中院

2008-10-24 10:21:22 | Weblog
  四十九日は「満中院」といい、
冥土ではこの日の審判で死者の運命が決まるとされている。
忌日の中でも重要な日なのだそうだ。
死者の成仏を願って、
遺族、近親者、友人、知人を招いて忌明けの法要を行う。
納骨・埋骨もこの日に行うことが多いという。

 父さん、明日はいよいよ満中院ですよ。
今日まで我が家の何処かで私達を見つめていたのね。
3、4日前から、母さんは≪愛車≫に乗って近くのスーパーへ、
使いに行くようになりました。
あのオンボロ自転車を、暫く私が預かっていたけれど、
自転車が無ければ何処にも行けないと嘆く母さんが可哀想で、
また、手元に運んできました。

 いつも使いの帰りには、父さんの為に焼酎を買って帰ったそうだけど、
「もう、呑む父さんがいないから・・・」って、
涙を浮かべて俯いていました。
どこにも寄り道もせず帰宅したよと電話をしてくる母さん。
「だって、父さんが独りで留守番をしているから・・・」だって言うの。

 明日からは墓が出来るまで寺の納骨堂で過ごす父さん。
徐々に、母さんも一人の夜に慣れていくと思うけど、
いま暫くは、きょうだいが交代で夜を過ごします。
母さんが、元気を取り戻す日が近いことを見守ってください。
 
 父が丈夫な時に、もっと繁茂に顔を出せばよかったのにと悔んでいる。
せめて、母のこれからの日々が穏やかであってくれればと願い、
出来うる限り自立の生活をサポートしようと思う。
父さん、心配しないでね。