山の頂から

やさしい風

返せない2万円

2008-10-27 15:50:28 | Weblog
  「親父に借りた2万円、返せないうちに逝っちまった・・・」
今日は月曜日。いつもの時刻に来店した‹月曜日の男›が、
少し虚ろな眼差しでポツリと言った。
もう、20年も前のことだが思い出す度にチクリと胸が痛むのだそうだ。
相変わらず、ビールをゆっくり呑んで居眠りをし、
小一時間ほどで帰って行った。

 入れ替わって、寄り付けの男性が年配者を連れてみえた。
89歳というお連れさんは、耳が少し遠いが矍鑠として、
とても元気そうに感じた。
 が、たった今、久し振りに訪ねた先の友人宅、慌しい人の出入りに、
もしやと思ったら、友人の葬式の準備中だったそうな。
驚きと落胆で気の毒になり、気晴らしに太平山に連れ出したといわれた。

 何しろ、逝ってしまった父親も友人も片道切符の処。
追いかけることも、連絡することも出来ないのだから辛い。
今日の空模様のようになんだか泣きたくなる話である。

 北海道では今、雪が降っているとのニュース。
小寒い午後が余計にうら寂しく感じる。
夕方、早めに母の顔を見に行こう~っと!