人間の脳の前頭葉は、知能、人格、理性、
言葉を話す、手足を動かす、などを司るという。
海上自衛隊「特別警備隊」の養成課程にいた男性3等海曹(25)が、
1人で隊員15人を相手にした格闘訓練中に頭を強打し、
約2週間後に死亡したニュースを聴いて、
何と痛ましい事件だろうと心が塞いだ。
何度も倒れ、その度に起き上がりパンチを喰らったとのニュースを、
聴いていられなくてラジオのスイッチを切った。
どんなにか恐ろしく、しかし、この時を我慢すれば抜けられると、
彼は歯を喰いしばったに違いない。
それを想像するだけで胸が張り裂けそうな思いになった。
彼の御両親や肉親は、こんな状況を聞いたら、
気が狂ってしまうかも知れない。本当に惨い。
こんなことは訓練でも、餞の行為でもない。リンチだ。
ヤクザやチンピラのそれと何ら違わない。
これを許可した教官や隊員たちの前頭葉は、
恐らく萎縮しているか、正常に発達しなかったのだ。
なぜ、何故、こんなことが許されたきたのだろうか?
前途ある青年の夢も希望も失われてしまった。
やり切れない思いの数日間。
亡くなった青年のご冥福を心から祈りたい。