山の頂から

やさしい風

花束

2008-04-28 21:10:12 | Weblog
五十歳代の二人の主婦らしき女性が石段を降りてきた。
ひとりの方は二つの花束を持っていた。
境内で花を販売しているのかと尋ねると、墓参り用に町で買ってきたと
返答した。それにしては萎れかかっている。
気の毒に思い、ビニール袋に水を張ってあげた。

 春日部から電車とバスに乗り継いで当地へ来たと云う。
墓参りより先に<腹ごしらえ>を優先したと笑う。
自分の両親だから怒りゃしないわと実に屈託がない。
先日、NHkの放送を視てどうしても名物を食べたかったと云うのだ。


 花を店内に預けて庭先で寛ぐこと3時間。
墓参りは忘れてしまったのかと傍でハラハラしていた。
やっと、帰り支度を始めた二人。
「お花を忘れないで~」と声をかけると
「あっ、そうであった~~」 やっぱり記憶は薄れかかっていた様だ。
アッハッハァ~~と明るく笑ってアジサイ坂を下って行かれた。

 全く明るく元気な方達だった。
「美味しかったわよ~~宣伝するからね~~」と
山じゅう響き渡る声を残して・・・