活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

ケース会議×2~客観的な成長の記録と将来につながる指導を~

2018-06-25 | 療育
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


先々週、先週と、今年度初の滝乃川学園児童入所施設でのケース会議を行ってきました。


もうすでに5年。クビにされずに頑張れています(爆笑)。しかしそのおかげは一人一人の職員の方がABAの知識を取り入れようと現場で疾走してくださっているからこそです。「結果」を出せて「なんぼ」の私がケース会の座長をやり続けるためには、現場に出ている先生方が結果を出さなければいけないということです。すなわち私の命運は先生方にかかっているわけです。

そのように考えると、5年にわたって担当させていただいているのはありがたいことです。疑問に答えられず、先生方の「願い」を叶えることができなければクビになってしまいます。


そして、その立ち位置は、おおよそ「ひまわりの会」と変わらないと思います。
ひまわりの会は完全実費です。お金は全部親の負担です。

「地域の療育センターでいいや」と思われればおしまいです。そうならないようにするためには、「具体的な目標設定」と「客観的な結果のデータ」を出さなければね。「伸びたな~」と言われることですね簡単な話。

これは、ひまわりの会も滝乃川も同じですね。てんとうむしでももちろんそうですが、ひまわりと滝乃川の違いは、親と職員という違いはあれども、全部「実費」だということです。
施設経営は大変です。どこの施設でもお金はありません。その中で、迎え入れていることは本当にありがたいことです。同様に、ひまわりの会においても、お金が有り余っているご家族なんていないであろうなか、長期にわたって迎え入れていただいていること、感謝に堪えません。


そして、デイサービスもだんだんそうなりつつありますね。親が選べるようになってきていますからね。良い場所が残って悪い場所が無くなっていけばそれはそれで良いでしょ。私も残りたい(爆笑)。


と、冗談はともかく、今回は、滝乃川にちなんで、「ケース会議」って「何やってんのかな?」という疑問にお答えしようと思います。

以下に私が行っていることを記します。


〇長期目標:療育の目標(同じようでもみな違います。子どもの、発達の様子や性格に影響を受けます)
*療育の「到達点」は子どもの発達に影響をほとんど受けないと思います。しかし、「目標」は当然個人個人の状態によって影響を受けます。

〇年間目標:1年間でできるようになって欲しいこと(具体的に改善したいこと・教えたいことを設定します)
*目標に到達していなかった時は、
・「目標が高すぎる(ステップをもっと小刻みに)」
・「十分に褒めていない(子どもの興味に合わせること)」
・「指導手続き等が、子どもの興味とかけ離れすぎている」
・「指導者同士、親が一貫できていない(個別指導計画の共有すること)」

〇短期目標:数か月スパンでの具体的な目標を作ること
*指導者の視点から見ると、「子どもの発達状態」+「親との連携」+「指導できるスパン」=「目標」
です。短期目標だけではなく、年間目標もです。総合的に考慮して目標を作りましょう。目標は「ただ作るため」じゃなく、「叶えるため」のもんです。

〇指導手続きを具体的に:指導計画は「5W1H」で説明できるように
*「子どもが興味を持つような教材を用いて…」「適宜援助し…」…これじゃダメ。見ている人が分からないでしょ?
・「興味を持つような…」→「〇〇等の教材を用いて」
・「適宜援助…」→「援助方法(身体ガイダンス、模倣、言語指示、非言語指示、視覚提示)を具体化しないとダメ」

〇出来た時の対応、できなかった時の対応:「できなかった時の対応」こそが大切。この対応が、指導者がバラバラだとどうしようもない。

〇見直しは慣習的に:指導計画更新時だけでなく、月1とか見直すことが大切。本当は十分に連携できていれば、個々が慣習的に見直し、現場にどんどん活かせると良い。理想郷。

〇記録をしっかりと取る:指導者の一人よがりではどうしようもないし意味もない。皆が、指導計画を通して子どもの成長を具体的に理解できることが大切。


こんな感じです。


ちなみに、余談ですが、上で引き合いに出した「ひまわりの会」では、これに「実践」が入ります。子どもの指導です。
ケース会議では、私は直接子どもを指導していません。しかし、ひまわりでは子どもに指導しています(私「個人」の指導は7年前のクライエントが最後)。


指導は計画も大切ですね。「計画あってこその結果」「仮説あってこその実証」「スタートあってこそのゴール」みたいなもんです。




ちなみに、最近「指導計画なんていうものは見てもわからないから指導の様子を見せろ」とか言ってくる人たちがいるらしいけど、悲しい話ですよね。
それじゃ指導計画をわかりやすく作る意味がない(泣)。まず指導計画を見て、子どもの様子をイメージできる指導計画が増えていくことを願って、このブログを書きました。




と、いうことで、今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

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