活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

ある専門家との話の中で

2019-02-25 | 徒然なるままに・その他雑談
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、先日税理士の先生と会ってきて、そこでちょっと記事にしたいと思った話題があったので、今回書きます。

会の紹介とかをしていく中で先生からの質問で、「子ども達を訓練していく先には何があるのですか?」と尋ねられました。

その返答は私が大好物の質問だったので(爆笑)あまりにも嬉しかったのですが、まさに「福祉に関係ない方の疑問」だと思いませんか?
つまり、「訓練した子とそうじゃない子の違い」です。発達に遅れがあるということでオブラートにされる傾向がありますが、本当は皆知りたいことなのです。そして、それを正確に答えられないのならば、「本当の意味での普及」に至ることは無いと思います。だって、オブラートなんだから。


そして、私が回答をした後、先生は、「それを聞きたかったです。先が無いとたぶん子どもも親もモチベーションが下がると思いますからね。何をやるにもその後の結果が大切だと思います。」と。


嬉しくなっちゃいましたね(爆笑)。動機が無ければ行動は起こりません。

例えば、行動障害があり、何とかしないと大変だ!と思い、ペアトレを受けます。しかし、問題行動が改善したら、うちの子は落ち着いたからもう大丈夫…とかね。

問題行動が無ければ達成なのか?それは保護者一人一人が決めればよいのですが、「子どもができることを増やしていきたい」と思う方、思ったことがある方の動機が存在すれば、その気持ちはさらに強くなります。これ、法則です。「強い動機によって行動の頻度は増加する」ことは。


そうして、それが社会に発信できるとこの分野がより社会に認知されていくのではないでしょうか?それは、きっと偏見が減っていくことにつながっていくだろうと確信しています。


私の専門はもちろん療育ですが、療育を通してそういった地域社会の貢献ができることを夢見ています。そして、叶う一歩手前まで来ました。


私の答え

重度自閉症者、障害者の就労の実現




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

就労訓練が上手くいった理由

2019-02-18 | 就労訓練・がじゅまる工房
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、前回の記事では、2月13日の就労訓練説明会無事終了のご報告をさせていただきました。

そこでは、約2年間に及ぶ訓練の成果をお越しいただいた皆様へご覧いただきました。

もちろん結果はバッチリ。一定の援助があれば、他の場所でもしっかりと「仕事」をこなすことができる段階に来ました。
そして、それは誰が見ても明らかであると思いますし、絶対の自信があります。


しかし、その様子は当ブログではご覧いただくことはできないので、ここでは、何故訓練が上手くいくのかを簡単にご説明したいと思います。

そして、ここで記載する内容は、結局はペアレントトレーニング、指導者養成等、どの場面でも、「通じてくる」内容を常にお話ししています。



1・すべての工程を「ぶつ切り」にして、その1つ1つを丁寧に指導するということ
就労訓練のビデオは、『調理』『清掃』がメインでした。
調理も、何かを作るには、必ず工程があります。その工程を細かく「ぶつ切り」にして、何十個にも分けます。
そして、出来そうなところから指導していきます。
1つ1つの工程には、2週間から1か月以上丁寧に指導します。
その丁寧さが無ければ、個々が難しいとしているスキルを獲得できません。
できるようにしたいことは個々によって異なります。できるようにしたいことを個々に合わせて指導しなければ結果は出にくいです。


2・継続するということ
『やってみてダメだった』『他にやりたいこと(教えたいこと)ができた』これはどの保護者の方も1度は感じたことがある内容でしょう。
しかし、『ダメだったらから別のことを教える』『ほかにやりたいことをやっぱり今教える』この結論に行くのは大抵早すぎます。
『ダメなら目標をさらに細かく設定する』とか、『他にやりたいことをやるにはいつからやるのが望ましいのか』『今やっていることはどう活かすのか』このように考える余地があるはずです。
少し難しいかもしれませんが、これは子育てに限ったことではないでしょう?仕事でもそうじゃありませんか?勉強でも。
子育てとは人ひとり育てるということです。仕事や勉強と同じか、もしくはそれ以上に難しいことではないのでしょうか?
やってみてダメだったと言って辞めてしまう人は、大体のことは長くは続きませんし、やりたいことがフッと浮かんでそっちに流されると、結果「まっとうする」ことは難しくなるでしょう。
大切なことは継続するということ。「それによって」見えてくるものこそが本物だと思います。
ちなみに多くは触れませんが、同じことをただ繰り返しているということも失敗する可能性が高いと思います。大切なことは目標をもって進むことを継続するということ。


3・「思う」より「結果」
指導は大変だと思う。厳しいと思う。これはいわゆる「思弁」です。科学的信頼度という意味で、フィクションの次に信頼性の無い言葉です。
「やりたいけど〇〇」とか、やってもいないのに言っている人が多く、私も、気を付けてはいますが、内容によってはそうなったりもしてしまうことがあります。少なくありません。
しかし、本当にやりたいならやってから判断すれば良いし、目標が高すぎなければ結構満足いく結果が出るものです。上の1・2ができていればね。


4・条件ありきではうまくいきにくい
「子どもができるようになるならやりますよ」それが分かってりゃ苦労しません。
「なる」ではなく、「する」んです。
その考え方無しで目標を叶えた人はみたことがありません。
お金や物体への欲求ならわかりません。宝くじ?玉の輿?やったー金が入ったーとか?
ここでの「目標」とは自身の成長を指しています。


5・指導者との信頼関係
指導者と信頼関係がしっかりできなければ高確率で指導は失敗します。
信頼関係を作るためにインフォームドコンセント(選択の自由)を行いますし、保護者の理解の指導(おこがましいですが)もします。結果も出します。
しかし、それで=信頼度ではありません。結局は双方の歩み寄りです。
私は自分の技術に自信があります。しかし、それだけが理由で信頼されると一切思っていません。
私からすれば、「信頼」という名の「協力」だと思っています。
折角受けている療育があるなら、それが私に関係のない場所での療育でも、その術者を信頼するように「努力」してみてください。
本当の信頼は努力によるものではないでしょう。しかし、努力してみてください。その保護者に関わった指導者は成長する可能性が上がります。
あと、信頼するためには勉強してください。信頼は知識が下支えになります。「紛い物」が見えるようになりやすいです。




と、こんな感じでしょうか?

もちろん、これだけじゃないでしょうし、これじゃないと思う人もいるかもわかりませんが、ご覧になっている方の参考になったり、考える材料になれば嬉しいです。

保護者の方はもちろん、ブログを見てくれている指導者・支援者の方々、全く関係ない人でも、これが何かの参考になれば嬉しい限りです。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

就労訓練説明会終了

2019-02-13 | 就労訓練・がじゅまる工房
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


本日就労訓練説明会を開催いたしました。時間は10:00~12:30の2時間半。場所は株式会社がじゅまる工房。


就労訓練を行うにあたって、将来的には様々な就労(就労支援ではない)の選択肢が出てくるだろうと思います。その将来に、一つの選択肢になれば良いと思っているがじゅまる工房です。


『本当の意味で働く』場所での説明会のほうが浸透しやすいと思い、ここで行いました。
また、その場所の設備が完成間近になりましたので、それも見て欲しくて、この場所を選びました。


その場所が以下の写真です。


玄関







廊下





着替え&休憩室







洗濯とか







作業場







中々カッコ良いでしょ(笑)?


色々熱い想いを話してきた…つもりでしたが、何故かコンスタントに笑いを取っていた私(爆笑)。


楽しく聴いてもらえてよかった。そして、皆私が夢見ていることに賛同してくださっていることもわかりました。


訓練のビデオを見てもらいました。皆、溜息出るほどでした。対象の子は、がじゅまるに限らず、一定の支援があれば、別の場所でも働けるスキルを付け始めています。


え?重いと無理だって?…今更過ぎるだろ(笑)。重度自閉症者の就労(就労支援ではない)が夢だっての!


本日はマジで疲れました。ご参加くださった保護者の方も私がずっと話続けているのを聴き続けてくれてありがとうございました。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

今後のNPO法人ひまわりの会について

2019-02-04 | ひまわりの会
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、今回は、私が代表を務める、NPO法人ひまわりの会、正式名称『NPO法人自閉症児療育支援ひまわりの会』についてです。


NPO法人ひまわりの会は、2005年4月に設立し、設立されてから、はや14年が経過しようとしています。
そして、「待機リスト」の登録を締め切った時期が2012年です。

そう。「待機リスト」です。新規受付を締め切ったのはもっと前で、『お待ちいただくことさえできなくなってしまった』のが2012年でした。

お陰様で需要側のニーズは非常に多く、しかし、技術者が私含めてわずか3名しかおらずに、そして、長期支援であることから、利用者の出入りが少なく、故にこういった形になってしまったのです。

技術者、これは並ではないのです。なぜなら、全額実費です。ようは、受給者証等は存在しませんので、全額保護者の方から支払われます。故に、やっていること、出来た事、回答できること、伝えられることが、一般的なデイサービスや、地域の療育機関等と同様では、直ぐに必要とされなくなります。
故に、今まで数名の技術者が希望し、会で勤務しましたが、残っているのは私除いてわずか2名という結果になりました。

いうなれば、高度な専門性ですか。一般社団法人てんとうむしでは、高度な専門性を、より一般的に普及したいという想いで私は携わってきて、数年前までは顧問として、今は理事長として、一般社団法人てんとうむしを運営しています。


今後ひまわりの会をどうするのか、いまだに希望者からのメールが来る状態で、今後どのように運営していくのか、ずっと悩んできましたが、結論から言うと、今年から、来談型(来ていただく)の『ペアレントトレーニングのみ』新規受付を行おうかと検討しています。

ペアレントトレーニングを行うのは、もちろん私が直接担当いたします。

ただし、開催する場所は川崎市のてんとうむし内が有力かと考えているところです。

私がてんとうむしでペアレントトレーニングを行うために在住している日時に、外来で来ていただくということです。


しかし、ひまわりの会の核となっている事業は『訪問による療育』です。親が見ている状況で子どもを指導し、子どもの成長の評価、次の指導のステップ、家で何をやれば良いか、目標のためには具体的に何を行えばよいか、これをやっています。

そのような、訪問による療育と比較すると、来談による療育やペアレントトレーニングは、ひまわりの会の中では、相対的にニーズが少ないのも事実です。


しかし、それでもABAによる専門的な指導を受けたいと思われる方は、若干名(おそらく最大で2名)ですが、新規受付を開始したいと考えています。


場所が限定されますし、来談ですから、「ひまわりの会」という意味では、訪問に比べて腰が重いかも?ニーズがなかったら悲しいですが(笑)、何とか新規受付を今年中に開始したいと思っています。


正式な告知はまだ先になりそうです。が、もしご興味がある方は、定期的にブログをご覧ください。


ということで、今週はこの辺で。


それでは、また来週に。