活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

稲田小学校(川崎市)での講座~障がい者の就労に関する現状と挑戦的試み~

2019-10-28 | 研修・講座・講演会
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康でございます。


早速ですが、11月14日(木)に、稲田小学校で講演会を行います。そのタイトルが上記の見出し「障がい者の就労に関する現状と挑戦的試み」です。


挑戦的…私っぽいでしょ(笑)?もちろん「怖い」意味ではなく、社会をより良いと思う方向へ変えていくという意味での「挑戦的」ですね。


今回の講座は稲田小学校に併設されている支援学校に通う児童の保護者の方のみの参加になるのですが、てんとうむしを利用している人も「聞きたかった…」とおっしゃっておりました。
てんとうむしの利用者の方には会報等で随時発信していることの延長戦なのですが、折角なので、ここでは、要点を記載してみようと思います。




・障がい者の就労に関する現状:就労はどんな選択肢があるのか?等

・就労に関する問題点:現状の就労の選択肢等の問題

・理想は(ノースカロライナのTEACCHに則って):早期療育、親教育、就労、終身支援が地域の単位で実現していて、重度自閉症者が最低賃金がもらえている現状、等

・親ができること(療育に関する考え方や注意する点等):就労を見通して、何を行っていけば良いか、どのように考えていけば良いか、等

・事業所や地域社会ができること&てんとうむしが行っている試み(挑戦的試み):どういう事業所ができることで、どのような試みが地域社会への働きかけとなるのか、等

・最後に:今回の講座のまとめや、小学生の親に伝えたいメッセージ等




今回の講座も、もちろんご協力いただいた方々の支えがあってこそ実現した内容です。

講座を聴きたかった方が多数いたおかげで実現したと聞きました。

講座を楽しみにしてくださる方、本当にありがとうございます。深く御礼申し上げます。



さて、準備準備。




忙しいので(いつもですが《笑》)今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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保護者と協力していくためには~あくまでも持論~

2019-10-21 | 徒然なるままに・その他雑談
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、少し前に「ペアレントサポーター導入」の話や、「ペアレントトレーニングが受けられるところを探している保護者の方へ」について記載しました。「ペアレント」=「親」ね。

「ペアレント」の文字が多いですね(笑)。ですが、それは本当はあるべき姿なのです。

例えば塾。お受験とか?あれだって、塾だけが頑張ってやっててもできるようになるわけないじゃないですか。子どもへのモチベーションの維持や宿題等をやるよう励ましていくのも、塾ではできないでしょ?

しかし、「地域の療育センター等以外」で療育を受けるきっかけは、おそらく子育ての「悩み」や「困り感」を持たれてお越しいただく方が多く、故に「一緒に頑張ろうぜ!イエイ!」と言っても…なかなかね。では、どうすれば協力できるのか、それについて今回は少し記載して行こうと思います。




1・システム面

(1)あらかじめ明確な契約を提示しておくこと
療育までの流れがどうなっていて、回数が何回で、キャンセルの場合はどうで、IEPの発行が年何回でいつ頃で、とか、しっかりシステムを伝えないともちろん相手としては不安でしょう。
契約とか、細かいことを好かないのが福祉の人間には少なくないのですが(私もですが笑)、そこをきっちりやっておいた方が、つまり、あまり伝えにくいことを事前に伝えておく方が、後の保護者との関係が良好になります。

(2)療育開始の際のルールを伝えること
保護者の方にやって欲しくないこと、是非お願いしたいことをしっかり伝えておくことも大切です。
もちろん伝え方等は保護者の方に合わせていく必要はありますが、これは良くない。これは是非というのは、後々になると言いにくいですよね。
事前に言うことが吉です。




2・サービス面


(1)概念を説明すること
なぜ療育を行うのか、どういうことができれば良いのか、療育において大切なことは何なのか、等、開始の初期にしっかり伝えていき、また、療育の計画によって伝えていく、これが大切な姿勢です。
私たちも、未知なことは1回聞いただけではわかりませんし、経験によって理解できる幅も増えます。
だから、適宜大切なことをしっかりと伝え続けていくということがまた大切なことなのです。
当初はできることが増えれば良い、できるだけIQが高くなれば良いとか、もちろんそれが間違いではありませんが、それなら塾に行けばよいのであって。それだけではないのならば、では他に何が大切なのか、各時期において適切な指導とは?等をしっかりと説明することが大切です。


(2)選択肢の多さ
家族形態が個々によって異なるならば、そもそもニーズは多様化します。子どもの発達状態はもちろんですが、家族の状態によっても、家で何をやれば良いかの内容等を変化させなければなりません。一辺倒では浸透していかないのです。
そこで、保護者が何かを選ばなければならないときには、選択肢を多く提示し、それぞれのメリットデメリットを話さなければなりません。すなわちインフォームドコンセント。これはこの仕事や医療においては重要なこと。


(3)見通しを説明すること
今の課題ができたら何をやって、それがどういう意味があるのかを説明する必要があります。
書店で販売されている書籍だけを購入して、課題を提供してしまっている場所も少なくないようです。それが次どのようなステップになるのか?とか、全く説明できないという…意味ないじゃん。という結果になります。
学習課題はあくまでも手段であって、目的は何?その次は?これが大切です。



(3)成果を伝えられること
何かしらの形で指導すれば、そこには必ず発達的変化が必ず生じます。年齢が高くても。
それらを日記や面談の際にしっかりと伝えること、保護者の方によって反応は異なりますが、それらを継続していくことで、多くの保護者の方は成長を喜んでくれるようになります。
自分たちがやってきたことを信じられなければ、保護者が信じてくれるはずがないということです。




3・会の伝達


(1)情報発信する機会を作る事
会が進むべき道は何か?これはどの事業所にも言えることでしょう。いや、事業所に関わらず、会社ならすべてそういった目標があるはずです。
会社としての目標があるからこそ、雇用の拡大ができたり、発信力が高くなってくるのであって、それは利用者のより生活しやすい地域社会への貢献につながります。
そういった会社の目標や、なぜバイトは今の時給なのか、給料にはどういう意味があるのか、等、可能な範囲で保護者に伝えられる必要があります。
それらは会社の信用です。


(2)そしてゴールを作る事
会社の目指す到達点、療育の先のゴール(就労先と終身支援)を作る目標があったり、既に作ってそれを運営することが大切です。
それらが会の利用と指導者の信頼関係を保護者の方が作ってくれます。




これらを通して、最も大切なことを一言で表すと「納得」です。いかに相手が納得し、社会が納得してくれるか、これだけだと思います。

だからこそ私は様々な法律家や銀行員等へ夢を語ります。そして、信頼を得ているという自負もあります。




まあ、これは私なりの考え方であって、誰から見ても100点ではないと思いますが、皆様はどう考えられますか?指導を提供する場所で何が大切だと思われますか?ここで考えていただいて、そのうえで少しでも参考になれば(反面教師でも)嬉しいです。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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ペアレントトレーニングが受けられるところを探している保護者の方へ

2019-10-15 | 療育
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、今回はコラム的に記載します。内容は表題通り「ペアレントトレーニングが受けられるところを探している保護者の方へ」です。


まず、結論を先に記載しておきます。ペアレントトレーニングを受けたいなら

講習は「ペアレントトレーニングと言うものを知る事」のため

に行ってください。


そのうえで、受けたいと思ったら

「継続的なペアレントトレーニングや教育相談」を実践している事業所

に問い合わせてください。


そして、ペアレントトレーニングを行う場所選びは


・個別指導計画の作成方法が科学的である事
・ペアレントトレーニングの担当者が原則的に変わらないこと
・ゴール(目標)を作成し、「そのためにどういうことをやっていかなければならないか」を伝えられるところ

をお勧めしまして


・ABAを「取り入れている」ところ
・相談のシステムや契約が不明確
・ペアレントトレーニング=講習になっているところ

は控えたほうが良いと考えられます。




1・講習は足掛かり、継続的に行うほうが良い理由

よく巷では、「ペアレントトレーニング」というタイトルや、それを大きく強調した内容の講座を耳にします。しかし、それは本当は間違いです。

いや、「間違い」と断定はしてはいけないかもしれません。しかし、そのペアレントトレーニングの講習を受け、それを日常で活かし続けることは、私の経験上まず無理です。

子どもは変化していきます。成長もしています。すなわち、その時期によって必要なことも変わりますし、「小さいころに良しとしたことが大きくなったら望ましくない」こともあります。


また、家庭内でADLやQOLを教えていくでしょうが、ペアトレにおいては、その方法が、より子どもにあったものにしていかなければいけませんが、それは法則こそあっても、個々によりアレンジすることが求められます。

それをふまえたうえで、子どもの変化に応じて適切な対応方法を、自分自身で考え、分かるようになるためには、専門家レベルでないと不可能でしょう。でないと、そもそもこの仕事の意味が無いですし。

事業所の中には、講習のペアレントトレーニングが本当のペアレントトレーニングのように言う、またはそういった講習を行うことで専門的事業所を名乗る場所もあるそうです。
ペアレントトレーニングの講習のパッケージは、複数の大学教授が既に作成しており、そのパッケージが手に入ります。そもそも、それで個々へのペアレントトレーニングは成立しません。

あくまでも、保護者の方は、ペアレントトレーニングが、どのようなものなのかを簡単に知るために、足を運んでみるということにしてほしいです。

そのうえで、「実際に自分の子に取り入れたいな」と思ったら、継続型のペアレントトレーニングや教育相談を実施していることろに相談してみましょう。




2・ペアレントトレーニング探しで押さえたいこと

指導は必ずゴールがあります。ゴールは個人によって異なる領域と、全員が到達するべきゴールがあり、それは抽象概念ではなく具体的なものです。
ただ「何かができるようにする」とか、「今困っていることを将来に軸を当てないで介入する」は、私たちの視点からはリスクがあります。

ゴールがあってこその短期目標です。そこをしっかりとおさえたうえで

目標に従って、どのようにすれば結果が出るかを伝えることができ、それを家族の状態を考慮したうえで、個々に応じた形で設定する、すなわち科学的な方法を伝えることができる

事が大切です。

でないと、保護者のニーズと指導者のサービスに乖離が生じて、良好な関係を築くことができず、それはもうすでにペアトレが終了している状況でしょう。

やるからには目標をしっかりと納得でき、そのための具体的な方法を科学レベルで説明できる場所を見つけることが良いでしょう。


あと、担当者が変わる…これは、もともとの契約がそうであった場合(術者養成の一貫、研究の一貫)なら別です(大学院等研究室ではままあります)。
しかし、そういったケースを除いたり、術者の引退等により、できなくなる場合は別にして、数年間の中で何度も担当者が変わるのは、かなりリスキーです。術者によって、微妙にやり方や考え方が違いますから、何度も変化していくうちに、やっていたことが大きく変わってしまうかもしれません。


こういったことを直接事業所に聞くのはなかなかシンドイかもですが、何ならダイレクトに指導者に聞いていても良いかもしれません。




3・注意点

・ABAを取り入れている
これは、ペアレントトレーニングとしては論外です。なぜなら、「ペアレントトレーニング=ABAそのもの」だからです。
しっかりABAの臨床を行っている術者や機関に相談ください。

・相談のシステムや契約が不明確
時間がどれくらいで料金がいくら、流れがどうなっていて、回数が何回で、ペアレントトレーニングで何をやるか、何ができないか、こういった「契約」的なことがしっかりしないといけません。
そういった事が不明確であるほど、相談者と指導者が強く結びつくことは無くなってしまいます。
床屋とか飲食店とか、契約がはっきりしているでしょ?食べたらお金を払い契約終了。床屋もですよね。
ペアレントトレーニングとかは、ただでさえ不明確なものです。時間も短期的ではなく、中長期的が一般的です。だからこそ、契約はしっかりしておくことが望ましいのです。

・ペアレントトレーニング=講習
ペアレントトレーニングを知ってもらうための講習であり、「講習=ペアレントトレーニングは間違い」です。
何かを中長期的に行うためには、データの整理とソーシャルサポート(簡単に言えば励まし)が大切です。

「〇年やってきて、ここまで成長したじゃないですかお母さん。」「目標にここまで近づきましたね」「〇年前はこれが難しかったですね」「お母さん、〇〇の対応がしっかり出来てきたんじゃないですか?」

こういう会話が大切なのです。しかし、ホストではありません。嘘や誇張は詐欺です。断じてだめです。

このように考えると、やはり、できるだけ担当者は変えてはいけないですよね。




4・ペアレントトレーニングとは(まとめ)

(1)本来は中長期的なものであり、講習ではないということ
(2)目標をしっかりと作り、そのための懸け橋(短期目標)を作っていくということ、結果を出していくということ、想いではなく科学的根拠の説明を聞けること
(3)しっかりと契約等、見通しが分かる事
(4)子どもの過去の振り返りとソーシャルサポートができること。担当者はあまり変わらないこと



これが素晴らしいですね。


すなわち「子どものできたを作っていくということ」


良ければ参考にしてください。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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ペアレントサポーター導入

2019-10-07 | てんとうむしの取り組み
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、表題通り、「ペアレントサポーターという制度を導入」しました。

ペアレントサポーターは、てんとうむしの利用者の保護者の方が、自身が持たれている時間を少しずつ持ち寄って、職員の育成や、職員のより快適な職務遂行のために、有償無償にてお手伝いいただくという内容です。


保護者の方と職員が協力するということは、お子さんへの指導への効果も期待できますし、職員も使命感が出ます。それは、私のこれまでの臨床が物語っています。親に常に見られながらの療育の毎日でしたからね。今もですが。そこで受ける感謝や期待が、臨床技術をより向上させるのです。


そして、10月2日にペアレントサポーターをご検討いただく方を募り、説明会を開催しました。

その結果、参加者全員がサポーターを希望してくださり、うち80%の方がすぐに開始できるとおっしゃっていただきました。


説明会では、ペアレントサポーターとは何か、何をするのか、その説明はもちろんですが、私の経営方針、会として進んでいく展望についてお話ししました。
ペアレントサポーターは、通常の利用者の方より、一歩会に近づくということに事実としてなります。
なので、ペアレントサポーターの話だけでなく、より濃い話をさせていただきました。


ペアレントサポーターを開始する動機は?
代表尾串が「親」というものについてどう思っているのか?


上記はもちろん、経営的な話をしました。一例を以下に挙げると


今後進めていく事業は何なのか?
若手養成に力を入れる理由は?学費貸付制度を行う理由は?
なぜアルバイトの時給が(他の事業所より)高いのか?
どのような人事編成をしていきたいと思っているのか?
他害を行う児童についてどう思っているのか?
保護者からのクレームに対してどう考えているのか?


等についても、あくまでもペアレントサポーターの説明をより分かりやすいものとしていくためのものではありますが、その「さわり」の部分をお話しさせていただきました。


こういう話って、職員へするものですよね?本来は。それを保護者の方に平気でするのが「てんとうむし」です。

何故職員と同じ話をするか、それは、私にとっては「親」と「職員」は事業体の維持のために、同じだけ必要で、だから並列の関係だと思っているからです。


そして、お越しいただいた皆様がご賛同いただいたということが、その後のアンケートにより理解することができました。

ご参加いただいた方にはあるいは全部伝わっていないかもしれませんが、これほどうれしいことはありません。


でも、説明会、かなり疲れました。終わった後いつのまにか秒で寝ていましたからね(笑)。


でも、本当にありがたかったです。どうせこの仕事をやるなら、親からも子どもからも職員からも賛同されたいものですね。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。



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