活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

1年間の振り返り

2019-12-23 | 徒然なるままに・その他雑談
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


先に、音楽コンサートの記事を書きました。ご覧くださった方はお分かりいただけたと思いますが、最後がいつもと違った終わり方をしていましたでしょ?

そうなんです。本日が今年最後のブログの更新で、「仕事の振り返り」か「徒然なるままに(昔から続いているどうでも良いことを書いていく記事です)」を書こうと思ったのですが、コンサートが21日にありましたので、それも書きたくなって、それで、本日2回にわたってブログを更新することにしたのです。

12月30日もあるじゃん?と思う方もいらっしゃるかともいますが、その日は寝ていたい…(笑)ということで、やはり今日2回記事を書こうということになったのです。




ということで、まだ23日なので、ちょっと早いですが仕事の振り返りです。




今年を一文字で表すと「就職と経営」…いや、一言じゃないか(笑)。でも、この一文が私を表す全てです。


まず就職。
一社てんとうむしの関連企業の「(株)がじゅまる工房」へ、訓練生第1号が就職したこと
学生アルバイトの子2名が来年度から正社員として内定証明書を渡したこと
ペアレントサポーター部会の設立を行った事
の3点ですね。


「一社てんとうむしの関連企業の「(株)がじゅまる工房」へ、訓練生第1号が就職したこと。」これは泣いた。2年間の訓練をしっかり親子ともに受けた結果で、実際に低糖質お菓子を作らせています。そして給与が時給980円程度です。これほど嬉しいことはなかった。


「学生アルバイトの子2名が来年度から正社員として内定証明書を渡したこと」これも泣いた。泣いてばかりだが(笑)。新卒を迎え入れるなんて、通常のデイサービスではめったにないことです。流石私と言うところです…すみません(笑)。


「ペアレントサポーター部会の設立を行った事」。これも泣い…いや、やめておこう(笑)。利用者の保護者の方に、てんとうむしで有償無償でお手伝いいただく活動です。
有償は、現在は主に事務と雑務になります。しょっちゅう保護者の方が出入りしているなんて、すごくないですか?それだけの自信もありますし、何よりも職員の育ち方が変わります。親と近いところで働くことで、より使命感が育ちますからね。




次に経営。
税理士先生、社労士先生、区議会議員、銀行員との接触や、税務署や法務局へ何度も出入りしたこと等


私は心理臨床の人間です。それだけを学び、それだけに生きてきました。それは、会社の代表と言う立場であってもそのスタンスは崩したことはありませんでした。
経営の方は、雑であったり、仲間に助けられて今までやってきました。

しかし、てんとうむしがいつのまにか急激に成長し、このままではいけないと考え、専門家を顧問として招き、経営をしっかりやるようにしていきました。それを臨床と並行して行ってきたから本当にキツイ1年でもありました。

しかし、それでも経営をより学んでいったのには理由があります。それは


経営者として有能でなければ、一社てんとうむしという土俵においては、大切な親子を結果的に裏切ることになり、故に優秀な人材の発掘もできなくなるだろう


という考えに基づいた結果です。


一社てんとうむしは、療育に熱心な保護者の方がいます。しかし、それだけを理由にテントウムシを利用している方ばかりではないと思っています。
「てんとうむしについていけば面白そうだな」「将来の投資のために通っておきたい」とか、色々な期待をもってきてくださっていることと思います。
それは素晴らしいことです。色々なニーズがあるのだから。
しかし、「便利だから」という人はほとんどいないはずです。なぜなら、他のデイサービスよりも保護者の言っていることが叶いにくい部分もあるからです。なぜなら便利屋ではないからです。

そのようにして、一社てんとうむしに通うということは、少し特別な気持ちがあって来てくださっている方が多いのです。

その親の期待や希望は過去ではなく将来に向かっているものです。すなわち成人期以降の支援です。

成人期以降の支援を行うには、より組織の規模を大きくしていかなければなりません。そこで、私が経営をおろそかにして、臨床だけを行ってしまっては、そのニーズには対応できなくなってしまいます。


私の悲願は早期療育から成人以降までを包括的に支援できる地域としての枠組みを作る事


なのです。


それを叶えるのは、一人の臨床家ではなく、強固な組織を維持することができる経営者なのです。


強固な組織づくりは、優秀な職員によってより形を成します。
優秀な職員が入るためには、私は経営者として無能であってはいけません。


だから私は今年は経営を学ぶ機会をたくさん作り、そのために専門家の方々の話をできるだけ沢山聞けるようにし、広い視野を持てるよう頑張ってきました。



1年の振り返りですが、今年が終わるなんて実感は全然なく、本当の意味で振り返れるのは来年4月でしょう。4月まででかなり物事が大きく、そしてより良い方向へ変わっていきます。


今年の1年間は、すべて来年4月に想像している状況を作るためです。




振り返りや締めくくりとはほど遠い記事になってしまいましたが、明日(来年)へ続く決意表明でもありますかね?(笑)来年に続く振り返りは実りあって理想的でしょ?…という形で、今年最後のブログ更新とさせていただきます。



今年1年間、当ブログをご覧いただき心より御礼申し上げます。

皆様にとっても、来年1年間が、また実りあるものとなりますことをお祈り申し上げます。




今週はこの辺で。


それでは、また来年に。




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最後の音楽コンサート

2019-12-23 | てんとうむしの取り組み
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


一昨日21日(土)に、子ども参加型音楽コンサートを開催しました。

最後の…とは、てんとうむし最後のコンサートではありません。(笑)

てんとうむしのコンサートは、主に音大の学生アルバイトの子たちに企画実行をさせることで、学生たちは勉強になり、子ども達はコンサートを生で体験でき、かつ、珍しい楽器を使えるという、一石二鳥の企画なのです。


そのコンサートの、メインを務めてくれていた子たちが、来年卒業になるのです。


私もコンサートに参加し(後ろで見ていただけですが)、その子たちが学生でやる音楽コンサートとしての最後を、しみじみと見ていました。


色々思い返しましたね。学生たちの昔と今を比べて、一人で感慨深くなっていました(笑)。


そして、それは次に引き継がれていきます。より強い形となって。


コンサートをずっとやってくれていた子の1名を、当会の正社員として、来年度から迎え入れることができましたし、来年度も2名の音大生がいます。


コンサートは年に2回やるのですが、毎回コンサートを楽しみにしてくれている子がたくさんいます。

その子達のためにも、若手養成のためにも、これからもずっと続けていきます。


ご参加くださったご家族の皆さん、本当にありがとうございました!!!

1年間の振り返り&ニュース

2019-12-16 | 徒然なるままに・その他雑談
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、もう1年間終了まで秒読みですね。なので、今年起こったトピックスを記載していきます。

というのは、来週はおそらく1年最後のブログ更新で、仕事に関係ないことを記載してしまうので(笑)、今回は仕事の節目的に、今回の記事となります。



今年の一文字で表すと、「就労」ですかね。



株式会社がじゅまる工房へ、訓練生第1号の就職
株式会社がじゅまる工房は、「社会を変えたい、重度障がい者であっても、就労ができる世の中にしたい」と考える有志によって設立されました。
お菓子の会社で、「手作り低糖質のお菓子を生産販売」する会社です。同時に、障害者雇用を積極的に行う会社です。
いわゆる「作業所」ではなくて、本当のお菓子の会社にした理由は、重度であっても「就職」できる世の中を実現したいからです。
と言っても、ただ就職させるのではなく、しっかり訓練を行い、手に職をつける必要があります。出なければ本当ではありません。「最低2年の訓練があります」。そして、通過した教え子が、がじゅまるに入社できるというシステムが、現状の設定です。
そして、2年間頑張った教え子が無事就職しました。


生活介護事業所かがやきと、(一社)てんとうむし、(株)がじゅまる工房一部業務提携開始。あさお福祉祭りや麻生養護学校文化祭に出店
そして、入社した教え子は、てんとうむしの利用者のお菓子を作っています。同時に並行して、「がかやき」という生活介護事業所と業務提携しました。
結果、様々な場所への出店が叶いました。教え子もさぞ嬉しかった事だろう。


稲田小学校中央支援学校分教室にて就労をテーマにした講演会を開催
就労のシステムが着々として進んでいる中で、お話をいただいて、稲田小学校にて、講演会をさせていただきました。
上記までの話、小さいお子さんを持つお母さんお父さんに話したい内容を伝えてきました。


新卒の内定2名決定
学生のアルバイトから、なんと二人も新人が就職してくれました。これは本当に嬉しかった。
ご覧いただいている方の中には、「別に普通だろ?」と思う人もいるかもしれませんが、デイサービス等への入社希望者自体少なくて、新卒なんてまずいません。
故に、若い子はアルバイトとかで、社員は全員熟年、とかは当たり前のことなのです。
しかし、それでは衰退していきます。若い有志がいない会社では。
私としても、一社てんとうむしで代表に就任してから4年ですが(1年目は顧問だったので)、ずっと夢見ていました。
尊敬される代表者として、一層兜のひもを締めようと思った出来事でした。


ペアレントサポーター部会誕生&始動
これも私の夢。当事者の保護者が、有償無償で会に力を貸していただく部会です。
今4名の方がいます。ボランティアと言うか、事務等いきなり即戦力で、かけがえのない存在です。
最終的にはペアレントサポーターと、学生アルバイト、超やる気あってこの仕事に一生を捧げる同士(正社員)のみにしたいとういう願いがあります。
最強の結束だと思いませんか?
そう願うからこそ、ペアレントサポーターには、経営方針などガッツリ語らせていただきました(笑)。


個別療育の問い合わせ
最近個別を受けたいと強い希望をいただいたのは、なんと3歳と19歳!
まさにてんとうむしって感じがしませんか?有難い限りです。できる全力で対応します。私が巡回&プログラムを作ります。
経営者としてはまだ未熟ですが、セラピストとしては微力ながらそこそこの経験があります、と謙虚な姿勢で言っておく(本当は最強だと思っていますが(笑))。


短期入所施設設立に向けて
来年度からの開始を目標に、短期入所施設の設立に向けて奔走しています。と、いきなり大ニュース?ですが。
そのために銀行・税務署法務局に足を運んでいます。
私の立場上、臨床だけをやっていてはいけないのです。なぜなら、私が経営者としてしっかりしていないと、結局事業拡大できずに、それは私たちを信頼している保護者や利用者を裏切ることです。っ療育を頑張っている親子が将来にわたって安心できる地域を作るのが夢!!!毎年経営者としての仕事が激しく忙しくなります。が、仲間に支えられ、経営と臨床を並行できています。




と、こんな感じでした。さらっと今まで書いたことが無いことも書きましたが、いかがでしたか?

もちろん、滝乃川の事や、教え子一人一人のエピソードはありますが、一社てんとうむしの沿革的なことを記載しました。




来年もいきなり激務が予想され、眩暈がしますが、突き進んでいきます。でいれば応援よろしくお願い申し上げます。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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共有できる喜び~私が臨床家をやめない理由~

2019-12-09 | 徒然なるままに・その他雑談
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


そろそろ1年が終わりますね~…なんかあっという間で、瞬く間に時間が過ぎていきますね…。おっと、まだ仕事納めではないから「センチ」になってはいけませんね(笑)。

でも、まだブログでは記載しませんが、只今新規事業のために奔走中で、来年には良いご報告もできるかと思いますが、今はまだ内緒ですが、それでもうクタクタで、少し疲れています。体調も優れず、喉も痛いですし。皆さんは大丈夫ですか?風邪が流行っていますからね。インフルもかな?まだ教え子はかかっていないと思うが…御身体ご自愛ください。


本題に戻りますが、先週は滝乃川学園児童入所施設でのケース会と療育部研修がありました。

ケース会で、少し時間が余ったので、同施設の別の寮のお子さんの経過をお話しさせていただいていました(児童入所施設は2つの寮があり、その両方で座長をやらせていただいています)。何故かというと、もちろん様々な子ども達の事例を話すのは勉強になるから素晴らしいのですが、もう一つの寮で勤務されていた職員の方が複数集まっておられたので、「今この子はこうなっていますよ~」「こういった事ができるようになりました~」なんて話をしていたのです。

そういった話をすると、「昔は〇〇だったのにな~」「想像もしていなかったのにな~」なんて言葉が返ってきて、思い出話に花が咲きます。
そういった話をするときの皆の優しい顔ったら…これが見たくて私は長期支援を行っているのですよ。


例えば思い出話。皆さんでも昔の旧友と会って話したりするとすごく盛り上がりませんか?楽しい過去の話をしているとき、思い出話をしているときは、温かい気持ちになり、孤独感が薄まり(過去の経験は孤独では作られません。すなわちどこかで人はつながっているのです)ます。
そうして、そういった事を思い出すことや話すことで、辛いことがあってもそれを乗り切る糧にすることができるのです。


皆さんもそうだと思いますが、施設の職員も私も毎日が戦いで、日々奮闘だと言えるかと思います。
その中だからこそ、子どもの思い出話をしているときは、その感動や温かい気持ちはより一層の糧になります。


これは、保護者の方ともそうで、「昔はこんなだったのに今は」とか、ね。


しかし、これはただの思い出ではなく、つまり、「昔はよかったね」みたいな話ではなく、進むからこその、「未来に向かう思い出話」なんです。
例えるなら「ここまで山を登ってきたんだな」ということですね。ここまで子どもは成長したんだなってこと。あんときは泣いてばっかだったのにね。みたいな。


こういったことがあると、私は一人で臨床をしているのではないと強く思えます。皆で一緒にやってきたんだなって。この気持ちが、私が常に強い気持ちで臨床に臨める理由です。自分が作る子どもへのプログラムは、昔から今にかけて指導してきた教え子や、保護者、指導者の想いが籠っていると思えるから、後には引けないですし、前に進む勇気になっていくのです。

大変な子の依頼はずっと続くでしょう。しかし、そのたびに、過去の教え子たちを思い浮かべて、これまでの臨床を勇気に換え、また明日から臨床を行っていくのです。


分かってくれる人いる?福祉だけではないですよこの話は。わかってくれる人がいると嬉しいな。


と、こんな気持ちで、今週は、今年最後の滝乃川学園のケース会議に参加します。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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滝乃川プランナー育成実地指導~現場経験者向け~

2019-12-05 | 滝乃川学園
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


ブログの更新が遅くなってすみません。かなり公私ともに立て込んでいて、ブログを本日まで更新できずにおりました。


さて、先日、滝乃川学園の児童入所施設にて、2寮同時のプランナー育成実地指導を行って参りました。

これは、ケース会議と共に毎年1回行っているのですが、ようは学園の職員が子どもへ指導しているところを直接視察して、指導の助言やプログラムの更新を行うものです。

通常のケース会では、子どもへの指導を、ビデオ視察&職員への問診&話し合いにて、子どもの評価と指導方法の確認、次のステップを作っていくのですが、プランナー育成は直接見ることができるということが強みです。何故直接見ることが強みとなるのか、それを今回は記載しようと思います。




1・子どもの評価と指導の修正を同時進行で行えること

子どもに合った課題と言うのは、(1)子どもが少し頑張ればできること、または、(2)教えていけばできるようになると予測できること、のどちらかを対象としてプログラムバッテリーとして加えていきます。
(1)はともかく、(2)の判断は、実際に指導しながらではないとできないのです。

なぜなら、1回の指導の中で、何回か課題を実践するのですが、そこでの達成(1回目はフルプロンプトだが、最後の方でプロンプトを控えてもできそうな手ごたえがあった等)に応じて、今課題をやるべきなのか、もう少し先に行った方が良いのかを判断することが求められるからです。

すなわち、〇〇ができたら次の課題は〇〇等、課題のステップは、発達領域ごとにある程度決まっているのですが、あらたな発達領域の課題を実施する場合は、(2)が肝心になります。

故に、実際に子どもの指導を行う中で、その経過に応じて、課題を更新、修正することができるので、子どもにより一層合わせたプログラムにすることができます。


2・細かいニュアンスを説明すること

文章の限界があるということです。実践を何年も積み重ねていかないとわからない話ではあると思いますが、指導の「テク」は、文面では伝えられないことが多いのです。「モデリング」で無いと伝えられないことがあるということです。それは、おそらくどの分野でも(医療でも陶芸等美術でも)、それが高度な専門性によって成り立つ場合は、必ず「ニュアンスの世界」と言うものが存在します。
それを伝えるためにも、実地指導は大切なのです。


3・子どもが盛り上がること

これは以外のもう方も少ないくないかもしれません。しかし、まぎれもない真実なのです。
これは、社会性を軸に置いたマンツーマンの指導をしている結果であるとも言えることで、療育をしっかりやっていく素晴らしさでもあるとも言えます。

基本的な個別は1対1ですが、本当は2対1が理想とされているのです。物理的に不可能ですが、例えば「ひまわりの会」や「てんとうむし」では、必ず保護者の方を助手代わりにして、2対1の態勢を作ります。

しかし、プランナー時は3対1で、全員が拍手等して褒めます。もちろん過敏の有無によって調節は必要ですが、これで子どもは大盛り上がりのドヤ顔(笑)。でも、これってとても幸せなことですよね。




と、大まかにはこんな感じです。


何事も簡略化せずに、丁寧にやりたいところは、その信念を曲げずに継続していくことが、専門分野では大切なことです。

それは、私がお世話になっている法律の専門家の方々を見ていても感じることです。一見能率が悪くても、定期的な面談を欠かさないとか、電話で済むこともあって話を聞きに来てくださるとか、それによってお金になるわけではないのに、「追及」というものが、専門的分野において、最も他楽しく、最もクライアントを満足させるものだということ、そこに分野の違いは関係ないのだと、感じている今日この頃です(笑)。



今週と来週は滝乃川でケース会です。実地指導の後なので、また楽しみです。




ということで、今週はこの辺で。


それでは、また来週に。




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