活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

今年度の滝乃川学園でのABAケース会議が終了しました

2017-03-27 | 滝乃川学園
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、表題通り、今年度の滝乃川学園でのケース会議を無事終了してきました。


私は、滝乃川学園では児童入所施設部にて、3年間「ABAのケース会議」の座長を担当しています。

ご縁があり、4年前依頼を受けた2回連続の講座を学園で行い、それがきっかけとなり、実に3年間もの間、3か月に1回程度学園で会議を行っています。


ここでのABAケース会議は、特定の子どもをピックアップして、その子どもの「長期目標」と「年間目標」「行動介入の方法の手引き」「机上での課題」を決定して、定期的にチェックし、子どもの成長の評価を行い、それとともに目標の更新や指導手続きの修正などを行っていきます。


私は、子どもへの指導も、大人への指導も(職員も教え子も)、必ず振り返りを行い(それが最も大切な事でもありますが)、「良かった点」「反省点」等を分析しますが、必ず成長していきますよねやっぱり。

1年目は「慣れるのに精一杯」とか「始めたばかりでまだわかりませんが」等と職員の方々も言っていましたが、次の年やその次の年では、「あの子はこんなに伸びましたね」「この子のここが良かったですね」等の指導の結果の話になり、そして今年は「伝達の大変さを知りました」「人にニュアンスを伝えることが大変で、職員間でも細かい部分の連携って大変ですね」みたいな反省の話に変わりました。これはとっても嬉しいことです。


私が指導者に求めることは「謙虚」であることなのです。しかし、なんだかんだで「謙虚」でいるのは簡単だと、自分ではできると考えます。しかし、全くできていない…。こういった、当たり前に使われてきている言葉こそが、実は実践するのが一番難しいと、私はそう思うのです。


では、例えば謙虚な姿勢とはどのようにして得られるのでしょうか?その答えは、私は「十分な経験」だと思います。


「十分な経験」それは「年数」や「現在持ち合わせているスキルの高さ」等を挙げる方が多いかと思いますが、全く違うと思います。

私が思う十分な経験とは「振り返る」ことあってこそ、です。これも一見簡単だと思うでしょ?でも、できている人は一握り。


そして、振り返るには「記録」が大切です。


これって心理教育福祉以外のなんだってそうだと思いますよ。


私は人との出会いが多く、様々な立場の方方々と話す機会に恵まれてきましたが、プロフェッショナルと呼ばれる人たちに、「仕事で何が大切か」を聞くと、「評価」「フィードバック(振り返り)」「分析」「客観的データ」等の言葉が必ずと言って良い程出てきます。

そして、それは私が研修でも言っていることで、ABAでは必ず大切にしていることです(そうでなければうそ)。


心理教育福祉だと、中々目に見えませんもんね。しかも、その領域は子育ての領域でもあり、つまり日常ですからより難しいですよね。

ならば、難しいならやりませんか?やれば成長が見られて楽しいですよ?成長を喜ばない人っていませんよね。


その楽しさやロマンを伝えるためにABAのケース会ってあるんじゃないかな?と思うときがあるほどです。


楽しいですね。人の成長を願って、細かい事に気を使って、できたら全員笑顔で。私がやっているセラピストと言うお仕事はそういうものです(他にも社長業とかマジメンドクサイデスガネワライ)。




ということで、今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

受動から能動へ~継続~「やらされる」から「やりたい」へ~【毒舌ですが、メッセージもあります】

2017-03-20 | 療育
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


今回は、滝乃川でのケース会のお話を、と1週間前から考えていたのですが、その矢先に、私が直接教えている教え子の親から写真が送られてきましたので、今回は、それに因んだ記事を。


ということで、以下の写真をご覧ください。



上記写真の著作権を尾串光康と私の教え子の親は放棄しておりません。そのため、いかなる理由であっても、上記写真の使用、転載は、法的処置をとらせていただきます


こんな写真です。


この子、信じられないと思いますが、余暇が昔は全くないお子さんでした。
もちろん、数年前まではひらがなも読めませんでした。


しかし、今はスマホを自分で操作して、じぶんで「ひらがなのアプリ」を起動させ、平仮名なぞりを行うようになりました。それが、つい最近の事。


昔から「こういった遊びを自分で」行っていたわけではありません。じゃあなぜできるようになったかって?それは、「毎日継続させてきた」からです。


一般的に、遊びは自分で見つけるもの。とか言っちゃってる人いますよね?しかし、周囲をモデリングできない子たちはそれができないから困っているわけです。

「知識」は、ある日突然「降ってくる」のではなく、蓄積された周囲から得られる情報なのです。「アレンジ」も、個人差はあっても、結局は知識と経験から得られる物でしょう。


だから教えるのです。


勉強は勉強。遊びは遊び。そう考えちゃってません?勉強がつまらないと思うのは出来ないと怒られるから。結局勉強も遊びも同じです。ブログじゃわかんないよね(笑)?わかってくださる方はもちろん有り難い。わかりかけている方は嬉しく思います。特に心理、教育をやっている人や目指している人がそうであれば嬉しいですね。


話は戻りますが、当然子どもにとって無理は無駄でしかありません。子どもの能力からあまりにもかけ離れている指導では意味が無いということです。
つまり、そこも親の認識。親が「いや、うちの子はわかっているはずだ!」とか思っていて、難しいことをガンガンやらせても目標は達成できません。
同時に、「うちの子は無理なく楽しくやれれば良いんだ!」と言っている人も「?」です。目標を達成させていく楽しさを知らない子どもは「不適応」を起こしやすいからです。


すなわち「チャレンジ精神」です。チャレンジするためには、「いきなりチャレンジできる人」もいるでしょうが「何度もリハーサルしてチャレンジする人」もいるのです。

何度リハーサルしても、チャレンジはチャレンジ。「人といてこそやること」→「人がいなくてもやること」に変わっていくのもチャレンジだって思いませんか?


小さいうち、小さくなくても療育開始時はしっかりとルールを教えて行くのです。そして、教わる姿勢をしっかりと作るのです。
そして、少しずつ一人でできるように指導していくのです。スモールステップで、徐々に声をかけずに自分でできるようにしていくのです。
そして、十分に成熟したら、必ず自分でやろうとする日が来ます。どんな子でも。それができたら静かに見守っているか、しっかりと褒めてください子どもに合わせて。
それでもちゃんと指導してください。2歳でも7歳でも10歳でも15歳でも、しょせん子どもです。だんだん変わっていきますが、主導権をしっかりと握ってください。いつか「対等」になります。すなわち、「大人の付き合い」ができていると感じる日が来ます。
「対等」になれば、別れるのがより悲しくなります。悲しくなりますが、巣立っていきます。それが子どもです。障がいとか、別に関係ありません。



これは1歳から20過ぎてもずっと一人の子を文字通り「指導」し、そして「見ている」私の言葉。どう?含蓄あるでしょ?(笑)


アプリやっている子どもの写真から、テーマが壮大になってしまいましたね(苦)。


疲れたから今週はこの辺で(笑)。


それでは、また来週に。

会社設立と説明会

2017-03-13 | 日記
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、本日は「会社の説明会」を行ってきました。

いきなり「会社の説明会」と言われても分からない方も多いかと思いますので、簡単に経緯を記載します。


「発語が無い」お子さんでも、的確な介入を「家庭内」で実践していくことにより、将来就労へと結びつけていくことができるのではないかと考えていました。
実際に、私が今まで直接指導していたお子さんは、大きい年齢では20を超えていますが、知的なレベルに関係なく、「指導される姿勢」を作れますし、それは保護者と十分に協力できることで、必ず達成できることだと考えています。

実際に、以前(現在はわかりませんが)ノースカロライナではTEACCHプログラム(スペル間違っていません)の地域での実現により。重度自閉症者の8割が就労出来ているという報告があり、当時の私は非常にショックを受けたことを今でも強く覚えており、それから私は「どのお子さんでも「指導される姿勢」を構築することができると」仮説を立てて、今までの臨床を行ってきました。

「行動障害は周囲の理解により改善していく」この言葉を信じて今まで活動してきましたし、実際にいわゆる「重いお子さん」を好んで指導してきました。

そして、やはり上記に記載した私の考えは間違っていなかったと確信するに至りました。

しかし、「個」はその「フィールド」まで成長させることができましたが、「環境」が十分ではないと考えました。

実際に、今の「就労継続支援」(就労ではなく支援です)であっても、その制度や実態は不十分で、様々な課題があるくらいですし、例えば制度でも、中小企業等、雇用の人数がそもそも大きくない会社は、国からの奨励金を受けることは出来ませんし(一部の助成金等はそれでも受けられますが)、それが可能になるのは大企業でしょうが、大企業でいわゆる「重度」の自閉症者が就労出来ているということは、少なくても今の日本では、私は耳にしたことはありません。


そこで、「ならば就労先(会社)を設立して、しっかりと給料を払いたい(多い額ではなくても)。そんな場所を作りたい」と思うようになり、作ってしまったというわけです。


あくまでも就労の場であり、支援の場ではありません。


すなわち


頑張ってきた親の子どもの力を活かす場所を作る


これが私の悲願だったわけです。


これまで私がブログで記載してきた(主に去年とか)「悲願」とは、これにあったのです。


しかも、その会社は、「障がい者のためだけの会社」では断じてなく、「社会からニーズが強い生産性の会社」です(まだ内緒ね)。


それを、この度実現するに至りました。


何に変えても成功させます。そのために療育をやってきたし、それがゴールの一つだと思うからです。


生産物を保護者に見てもらい、私の会社への考え方を説明してきました。本日。疲れました(笑)。


気付いたら気合入れてブログも書いちゃったし、今日はここまででいいやね(笑)。


あぁ、今週は滝乃川のケース会議や~。


また明日も臨床もあるし、今日はこの辺でおやすみなさい…ZZZ




ということで、本日はこの辺で(爆)。


それでは、また来週に。

育成面談…そしてお知らせ

2017-03-06 | 日記
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

早速ですが、去る2月26日(日)にオリエンテーションが終了し、同時に育成面談も終了しました。
育成面談は職員の人数の都合上1日では終われず(現在バイトを含めて総勢12人)、3回に分けて行いました。


育成面談、慣れない言葉かと思います。今回は、それについて記載します。


育成面談とは、企業とかでも実施しているところもあると思いますが、会社のリーダーが部下と面談を行い、一人一人の職員が十分に成長していただくことを目標にした取り組みです。

リーダーと社長は、ここでは異なります。というのは、育成面談は、リーダーを育てるための取り組みでもあるので。
なので、当会での育成面談は、私と総責任者と職員一人一人の計3名で行いました。


それで、育成面談は、評価を伝えること、こちらが個々に行ってほしい事を伝えること、および仕事の理解度を面談を通して知ることです。また、一方で、相手が学びたいもの等のニーズを聞き、一人一人の考え方を知るためのツールでもあります。
その面談を踏まえたうえで、育成会議をリーダーと行い、職員の指導の方針を考えていきます。


これが私が実現したかったこと。世の中は口先で渡っていけないこと(少なくてもうちでは)、地道にやっている人間が評価されること、表現する機会を作ること。これをやりたかったのです。

前はやりたいけどどうやって良いのかわからずにいましたが、経営コンサル系の本を鬼のごとく読みまくり、到達したシステムです。


とりあえず、第1段階としては良好だったかな?次は半年後だ。


あ、この面談に+して、自己技能評価表を作成させています。
自分でスモールステップを作り、そして評価するのです。

次の育成面談(半年後)に合わせて振り返りを行います。


いままで、「分かってるつもりになっている奴」をよく見かけました。

「~ってこういう事でしょ?」
「~は〇〇だよね」

…とか。どれだけその人にとって物事が薄っぺらいのか(笑)。ま、そうなってしまえば言っても分からないでしょうがね。だから、そうなる前に、うちは普及のいっかんで若いアルバイト結構いますから。鉄は熱いうちになんとやらってね。
そして、私もそうならないようにしなければ。永遠の鍛錬ですな。




そうそう、お知らせがありました。

来週は、障がい者雇用の会社の説明会と滝乃川学園での今年度最後のケース会議があります。


会社の方は、まだ詳細を漏らすことは出来ません。それ故、日にちとか詳細はまだブログでは書けません。ご了承ください。しかし、説明会は開催されます。既に大詰めを迎えているのです。順調に進んでいますからご安心を。


滝乃川は年度最後なので、通常の会議の内容のみではなく、総括的なものも行い、1年間子どもたちがどこまで成長できたか、目標は何だったのかを今一度しっかり振り返り、次の指導につながて行きたいと思います。


お知らせはこんな感じです。




ということで、今週はこの辺で。


それでは、また来週に。