活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

【NPO法人すくすく】講座のお知らせ(4月18日開催)

2013-02-25 | 日記
当ブログをご覧頂きありがとうございます。尾串光康です。

早速ですが、NPO法人すくすくにて、私が講師を勤める講座の詳細が決定したので、当ブログでもお知らせします。


・タイトル
「自立とは~そして各時期における自立を育てていくためにやるべきこと~」

・日時
25年4月18日(木)10:00~12:00

・料金
無料

・参加資格
保護者の方
*当日の講義には託児はございませんので、あらかじめご了承ください。

・講師
尾串光康
(NPO法人すくすくアドヴァイザー
NPO法人自閉症児療育支援ひまわりの会代表【東京都新宿区】)

・講座概要

今回の講座では、成人期における「自立」の解釈と、幼児期、学齢期、思春期の各時期の「自立」を促していくためにどのような取り組みをしていく必要があるか、要点を整理してお話していきます。

「自立」と言うと、「就労」「一人立ち」「一人で生きていく」などのキーワードが上がるように思います。
それ自体は間違いではないかと思いますが、イコールの関係かというと、少し異なります。
例えば「就労」、これは社会・経済状況によっても左右されます。
すなわち、就労は、個人の成長だけでなく、環境的な要因が非常に強く関係してきます。
「一人立ち」「一人で生きていく」、これは、何を持って「一人立ち」なのか、「一人で生きていく」のか、それは、それを考える方それぞれによって異なると思います。
つまり、社会状況、それぞれの価値観、それは本質的な自立とはまた別の枠組みです。
「表現力の強さ」や、「将来の選択肢の多さ」、「才能」などを活かして生活していくことはいわゆる「QOL(生活の質)」であって、それも自立とは直接関係ないと考えられます。
そのように考えていくと、「会話ができるか否か」「お勉強ができるか否か」も、「QOL(生活の質)」であって、イコール自立ではありません。
つまり、自立とは、上記のようなスキル,、あるいは、発達のレベルとは直接には関係ありません。
自立とは、「全ての人間に共通する一定法則」があります。
そして、それが療育・治療教育のゴールと考えることができます。

それでは、「自立」とは何なのでしょうか。
そして、「自立」のために、幼児期、学齢期、思春期の各時期においてどのような取り組みが大切なのでしょうか。
今回の講座で、詳しくお話していきます。



詳細は以上です。

以前にも当ブログで記載しましたが、ゴール地点は全ての人間に共通します。そして、ゴールに向けて子どもがそれぞれの性格・特徴を持ちながら、どのような道を進んでいくか、そして、子どもの物差しで指導を考え、QOLを向上させる、つまり選択肢を広げていくかが、治療教育において大切な知見です。
そして、ゴール、すなわち長期目標を細分化したものが短期目標であり、目標到達のためにどのような指導手続きをもって、療育、つまり治療教育を進めていくかのプランを作っていくこと、そして、子どもの成長に応じて、また、環境の変化に応じて、その道のりを定期的に見直し、必要に応じて修正していく、それが治療教育者の使命だと考えています。

それを、今回は、子どもの生活の基盤である家庭、つまり保護者の方にそれをご理解していただき、そのために各時期、つまり幼児期、学齢期、思春期においてどのような取り組みが大切であるかをお話していきます。

療育は、療育を提供する人間と保護者の方の協力が最も大切であると考えています。
そのことから、今回の講座は、私が保護者の方に強く伝えて行きたいことの1つです。

少しでもご興味があれば、是非いらしてください。

講座をご希望の方は、予約制となってますので、事前にNPO法人すくすくにお問い合わせください。


NPO法人すくすく(ホームページ)


ところで、お話は変わりますが、4月にはNPO法人ひまわりの会でペアレントトレーニング基礎講座がはじまります。
また、その他にも現在打ち合わせ中の講座やイベントなどが控えています。
まだ受付は始まっていませんが、参加者募集開始の際には当ブログでもお知らせします。

療育機関の選び方

2013-02-18 | 日記
当ブログをご覧頂きありがとうございます。尾串光康です。


令和3年10月18日追記
この記事がたくさん読まれておりますので、療育機関の選び方(2)もご覧ください。セットとして記載しているつもりです。
また、ひまわりの会10周年~療育機関の見つけ方~もご覧いただけたら嬉しいです。



先日、とあるクライエントと、療育終了後に少し時間が合ったので雑談をしていたところ、教え子の保護者の方が「自分や子どもに合う場所を探すのって運ですよね。」とおっしゃっていました。

そこで、クライエントに対して言ったことは、ブログの記事として、不特定多数の方にお伝えして良いかと思ったので、今回のタイトルとなりました。

私が思うには、とりあえず良いと思ったところが複数あるのであれば、経済的な問題を除けば、複数利用しても構わないと思っています。
なぜなら、保護者の方ははじめは素人ですし、判断基準がないからです。

「複数の機関を平行しないでください」と言う療育機関・・・気持ちは分かりますが、それは私は単なるエゴだと思います。だってクライエントの自由ですから。


NPO法人すくすくの一時あずかりを利用されている方が、私の発達相談に来られて、(一時あずかりを利用されている方は、2ヶ月に一度発達相談をあずかりの時間内に、希望により受けることができます)、特定の行動に対してアドバイスをし、2ヵ月後に再度いらっしゃった際に、

「幼児期のころに療育は受けてきましたが、子どもの成長を感じることができずに、子どもの成長を諦めていました。しかし、やっぱり子どもは成長していくんですね。」

ということをおっしゃっていました。


ここで、私が何を言いたいかと言うと、1つの療育機関が「療育そのもの」であると思って欲しくないということです。

つまり、私が複数の機関を利用されても良いと思う理由は、利用されてみることで、どの方法が最も効果的であるかが分かることもあると思うからです。

実際に私が代表である、NPO法人ひまわりの会を利用されている方でも、そういったケースはあります。
しかも、面談の際に複数利用されることは、当会では問題はありませんとお話します。(ただ、ひまわりの会、すくすくともに個別療育の受付は終了しており、空きの見通しが立たないため、そういったことを言うことすらできていませんが・・・。)

私のところだけを利用されている、それはそれで嬉しいですが、別の機関と平行されて利用され、当会が良いといわれるのも嬉しいです。


ただ、これは本旨からは若干それますが、その際に、「ひまわりの会」で1つお約束していただいていることは

「複数の機関を利用されることで、家庭で、保護者の方が介入をおろそかにするのはやめてください。他の機関がなんと言おうと、家庭でのより望ましい介入は、最も子どもを成長させる上で効果的です。そして、そのためのひまわりの会ですから、そこだけはお約束ください。」

ということです。

沢山の療育(回数)を受ければ良い、そう思っていれば、今のひまわりの会のシステムはありません。ひまわりの会では、保護者の方との連携が最も大切だと考えています。そして、保護者の方と協力して一緒に進めていきたいと考えています。

だからこそ、ひまわりの会のホームページにも書かれていますが、保護者の方に療育の実践を見ていただきます。

環境(独立変数)が変われば個(従属変数)も変わる。これABAの基本的な考え方です。
すなわち、子どもの生活の基盤である家庭での介入がより望ましければ、子どもはより成長していきます。

それに沿って、ひまわりの会は療育を行っています。

残念な発言

2013-02-10 | 日記
当ブログをご覧頂きありがとうございます。尾串光康です。

突然ブログのタイトルがこのような内容で驚く方もいらっしゃるかと思います。しかし、私として、非常に残念に感じたことがありましたので、ブログに記載します。

その内容とは、いまだにこの分野で、しかも臨床技術において、「劇的に改善する」といってしまう専門家?の方がいらっしゃるということです。

過去のブログでも近い内容を記載しましたが、

1・まず療育には長期目標があり
2・それを細分化したものが短期目標であり
3・その目標を細分化し(スモールステップ)
4・現時点で子どもがどの段階にいるのかを調べ(査定)
5・次の段階に進むための指導手続き
があり

そして、
1つの動作を指導するに当たって、2週間から1ヶ月程度時間をかけ、そこでの経過によって新しいステップに進む、あるいは指導内容を変化させる

これを繰り返し、1の長期目標の成就、つまりゴールへ到達させていくことが、療育・治療教育において最も大切な、というか基礎的な考え方です。

それはもはや大学の教科書にも載っているくらい当たり前になっていることです(最近ようやくらしいですが・・・)。


確かに問題行動は、こちらの介入を少し調整するだけで改善することがあります。

例えば、私の臨床経験上、自傷を行っていた子どもの保護者の方に

「行動の随伴性を調べるために、自傷の前後の子どもの様子を記録してください」

と言って、1ヶ月程度実行してもらったら、自傷が全く無くなった例があります。
(ちなみに、それは、自傷という行動と、その後の対応(注意・叱る)つまり「結果」に随伴性があり、その対応が行動の強化になっていて、記録をつけるという、つまり「注目」により、自傷の必要性がなくなっていったと考えることができます。)
それでも、その後の予防的介入が大切ですが。

それは、悩んでいた保護者の方にとっては「劇的」でしょう(私としてはそれを劇的とは言いませんが)。
しかし、それを宣伝やインテーク(初回面談)などで、つまりまだ実践していない段階で言って良いのでしょうか。誤解を招きませんか?

そういうリスクがあるにもかかわらず、そんなこと言ってしまって、「それは全ての子どもに当てはまるのですか?」「関連する分野の他の専門家、例えば医師がそんなこと言いますか?」「【劇的】に改善しなかった場合(保護者の方がそのように認識しなかったとき)、保護者の方になんていうのですか?」「勘違いしたのは親のせいですか?」などと聞きたくなってしまいます。

ちょっときつい物言いかも知れません。
しかし、いまだに「劇的」だなんていってしまう方に言いたくなります。

地道に、確実に、子どもへの療育を進めて行き、効果を実証し、保護者の方と喜ぶ、そんな療育の実現を目標とし、目指し続けて行きたい私の、「劇的」という物言いに対しての意見でした。

送迎の準備(NPO法人すくすくにて)および雑談

2013-02-03 | 日記
当ブログをご覧頂きありがとうございます。尾串光康です。

早速ですが、前回の記事でちらりとNPO法人すくすくでの送迎について記載しました。

そして、とうとう本日正式に車を購入したと報告を受けました。
4月からの送迎サービスを目標に、これから準備に取り掛かりますので、これまで以上に私も忙しくなります。

なぜなら、送迎における危機管理マニュアルを作成しなければならないからです。
送迎中も、当然ですが子ども達を預かっていることになります。
そこでの子ども達への対応を細かく決めておくことが、送迎においても一定のクオリティーを維持し、安心した送迎サービスを実施することができるからです。

3月に「NPO法人すくすく」内部のボランティア養成の資料を、4月に「NPO法人すくすく」で予定されている講座の資料、および「NPO法人ひまわりの会」で毎年恒例のペアレントトレーニングの資料、これを作成しながら平行してマニュアルを、そして「NPO法人すくすく」での発達相談、巡回、「NPO法人ひまわりの会」の子ども達の指導(プログラム作成)と、4月までまた忙しくなります。

そんなときに気をつけたいこと、それは相手への礼儀です。
相手とは、それぞれの会の利用者はもちろん、指導員に対してもいえることです。

最近学期ごとに面会と指導をしている子どもの保護者の方と久しぶりに会い、子どもの指導と保護者の方への助言が終了し、少しの間雑談をしていましたが、「先生は昔からお辞儀を欠かしませんね。」とおっしゃっておられました。

嬉しさもあり、常に意識をしていたわけでもないので、恥ずかしさもあり、そして何よりもこれからは意識して、お辞儀は欠かさずに行おうとあらためて思いました。

あらためて、礼儀は大切だと考えています。

例えば、私の実体験ですが、風邪などで医者と会い、時間ばかり気にしている先生や、あいさつを返さない先生、そういった方には2度と見てもらっていません。
なぜなら、診察を失敗した後、隠蔽とかしそうじゃないですか?またはこちらを理由にしたり・・・。
実際にはそうではないかもしれませんが、なんとなくそんな気がしてしまいます。

しかし、この例で言えば、患者にも求められることですが。
実際に、私自身、指導員にも、保護者の方にも、笑顔で挨拶されるとやはり嬉しいものですから。

話を戻しますが、普段はもちろん、忙しいときには一層気を引き締めて、お互い挨拶しあう、それが楽しく臨床ができる秘訣と日々実感しています。


最後に、前回NPO法人すくすくの概観が夜であり、「昼にとれない?」と指導員へ聞いたところ、忙しいところ恐縮でしたが「昼」の写真を撮ってくれたので、貼っておきます。

すくすくの指導員、ありがとうございました。