活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

いよいよ

2015-03-31 | 日記
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

早速ですが、表題の「いよいよ」です。何がいよいよなのかと言うと、「一般社団法人てんとうむし」の開所が、です。

「一般社団法人てんとうむし」とは、川崎市指定事業の一時預かりを行う他に、「ペアトレ」や「個別療育」、「音楽教室」「平行介入型ペアレントトレーニング」などを行う機関で、一時預かりは中高生をメインとして、それ以外の事業が1歳半~2歳程度から開始できる事業によって形成されています。
また、この法人は、「NPO法人すくすく」の姉妹校となっており、「すくすく」同様、「てんとうむし」も私が顧問に就任しました。

去年の後半から水面下で開所に向けて進めてきましたが、いや~大変でした・・・。

いろいろ大変なことはありましたが、その一つとして色々設備面を充実させることが大変でした。

まずは部屋です。大きな部屋ひとつだったのを、「部屋を分ける」ために(全部で3部屋になっています)業者を呼んでのパーテーションの工事、「壁の半面程度の玩具棚」、「棚と同色の子ども用のロッカーと下駄箱」、「電光看板」、「ピアノ」などの大きい物から、「書庫」、「パソコン」、「個別療育用の机といす」、「面談・ペアトレ用の机といす」、「子ども用テーブルなどの細かい物品」など、購入するものが多くて、私もそれらを選ぶことに付き合い、四苦八苦していたのが最近でした・・・。

まだ、玩具などはひとしきり揃っていないので、それもこれから購入していくことでしょう。


大変ではありますが、1つ1つ物品が揃っていくのは、わくわく感もありますな(笑)。

特に、大きいものは、既に作り売りされているものではなく、工務店と話し合い、オリジナルを作ってもらうなどして、何気に凝ったものになっています。
私自身が施設に視察に行ったときにも、「格好良いな!」と思いましたし(笑)。


そして、その一般社団法人てんとうむしが、ついに来月の4月6日(月)から正式開所することとなりました!


利用者の方は、まだ正式告知はしておりませんが、預かりの方は、おかげさまで最大受け入れ可能人数の7割程度お申し込みを頂いているようで、私の講座を聴いてくださった方、口コミなどにより、正式開所前から、責任者が面談を行うという状況になりました。

WEBを出していない状況でこのお申し込みの規模になったのは、「すくすく」が地域支援システムとなった証拠だと考えており、大変うれしく思っております。
開所前から皆様の期待を背負っている「てんとうむし」、私自身、厳粛な気持ちで、職員養成、ペアトレに励んでいきたいと思います。


次回のブログでは、てんとうむしの施設の写真を掲載するつもりでいます。楽しみにしていてください。


今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

滝乃川学園でのケース会議~事例検の必要性~

2015-03-22 | 日記
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

早速ですが、去る3月6日に、滝乃川学園の児童部入所施設部にて、ケース会議を行ってきました。

今回のケース会議は、26年度のケース会議の座長に就任して、1年間最後の会議でした。
学園とは、一昨年に勉強会の講師として呼ばれたことがきっかけとなり、その後どのようにしてABAを取り入れれば良いのかとの相談を受け、それならば「ケース会議を開いてはどうですか?」と提案し、それが採用され、1年間ある種試験的にケース会議が行われたのでした。

そして、1年間のケース会議が終了し、来年度からは、ケース会議継続と言う形になり、とうとう滝乃川学園でも、児童部入所施設のみですが、事実上、ABAを正式に取り入れていく運びとなりました。

なおかつ、ケース会議を重ねるごとに、学園専属のOT(作業療法士)や、成人部の職員の方々も参加していただくようになり、学園内でも、児童部入所施設に限らず、広がりを見せているようで、私としても本望です。年齢に関係なく、行動変容は可能であると言うことを伝え続けていますから。


さて、「事例検」、これは非常に大切です。

いくら「机上で勉強」しても、それは机上でのこと。「勉強」されることは非常に重要ですが、現場での出来事がイマジネーションになり、はじめて机上での勉強が活かされていきます。
研究と言う側面から見ても、結局仮説を立て、実証し、反省を行い、次の仮説を立てますしね。


だからこそ、実際にプログラム通りに進めていくことが大切です。そうでなければ、「実証」することができなくなってしまうリスクがあり、様々な方法で同時に介入した場合、仮に効果が出ても、どの刺激によってその行動が変容されたかを知ることができなくなってしまいます。
そうなると、次、別のお子さんで近い事例があった場合、再び改善する可能性を高めることは困難になってしまいます。
職員の方々が一人ひとりのお子さんへの、より望ましい関わり方の基礎をつかむためには、一人ひとりが考え、バラバラな介入を行うより、一つの指針に沿って介入していくことが、長期的に見て指導者の成長につながっていくのです。

結局のところ、保護者に対しての「ペアレントトレーニング」も、同様だと言えます。


なお、今年度は3名の児童を対象としたケース会議ですが、来年度からは6名、倍に増えます。それ故、学園にいる時間も倍に増えます。
年齢層は、小学校低学年から、高校3年生までいます。

「ケース会議継続」は、何よりも職員の方々が成果を出してこその結果であり、嬉しく思います。だって、効果が出なければ、そこで終了ですからね私の意義は。

保護者もそうです。私のトレーニングを続けていくということは、結局効果が出ているからです。効果が出なければ意味がないということですからね。


継続は、相手あってこその私です。私のプログラムを継承していく方々あってこそなのです。

以前にも記載しましたが、私の介入の方針で効果が出るということは当たり前のことです。不良品のプログラムを売っているわけではありませんからね(笑)。
相手が真剣に実施してくれているのに効果が出ないなんて、専門家ではないでしょう?専門の人間なのだから、効果が出て当たり前です。
そして、効果が出るのは、指導者であっても、保護者であっても、子どもの成長を、「個の物差し」で計れている結果です。それ故、「相手あってこそ」なのです。


子どもは必ず成長していきますよ。周り次第でね。一歩一歩進めていきましょう。


今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

NPO法人すくすくの活動~音楽療法~

2015-03-08 | 日記
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

今週は色々ありました。

水曜日はペアレントトレーニング、金曜日は滝乃川学園にてケース会議、土曜日はNPO法人すくすくにて音楽療法がありました。
これを、通常の臨床と並行して行っているのです。

私の「通常の臨床」は、ひまわりの会での訪問での指導&新宿にある療育支援室ひまわりの中での個別指導です。
それを、毎日行っている最中で、すくすくやら滝乃川やらで、または講座の講師として活動しているのです。

対外活動もたくさんやりたいのですが、平日~土曜日まで、各曜日必ず訪問&来談での直接指導があるので、中々思うようにはできません。
しかし、生涯現役でいたいので、中々この図式は変わらないでしょうな。

さて、ペアトレ、滝乃川学園でのケース会議の話もしたいのですが、それは次回以降と言うことで、今回は土曜日にあった音楽療法について書いていきます。


活動の様子はこちらです。



基本的に7名のお子さんが現在参加しています。

人数が多くなると、個別指導計画を全員が把握していることが難しくなります。だからこそ、システムをしっかりしなければいけません。

基本的なシステムは


①実践:子ども達の評価を行います。

②報告:担当者が報告書を作成し、責任者へ報告があり、責任者が私へ報告してきます。

③フィードバック:ビデオと報告書をもって、話し合いながら振り返りを行います。

④評価&反省:今回の活動がどうであってか、一人ひとりの援助が適切であったか、また、反省点はあったのかを話し合い、明確化します。

⑤次回のプログラム作成:担当者が、上記を踏まえてプログラムを作成します。

⑥個別指導計画作成&更新:一定の周期で個別指導計画の更新、および新規のお子さんがいた場合は、その査定後、個別指導計画を作成します。
なお、フィードバックの時点で、個別指導計画も確認し、設定した時期以外でも指導計画は必要に応じて改正していく必要があります。

⑦スタッフミーティング:担当者が、他の職員へレクチャーします。何を気をつけるのか、一人ひとりの職員がどのお子さんを担当するのか、などの話し合いです。

①に戻る


こんな感じですね。

こういったことは中々できている機関はありません。しかし、やらなければ十分な指導を子どもにできません。
上記1つ1つが大切で、どれを抜かすこともできません。

折角子どもの指導を行っているのだから、とことんやらなければね。そうであるために、私も間接的に参加しているのですし。


そろそろ同じ担当者主催で、子ども参加型のコンサートが開催されます。
これは、年3~4回程度の開催で、この活動もまた楽しみにしてくれている親子がいらっしゃるようです。
様子は、開催次第当ブログでもお知らせします。


今週はこの辺で。


それでは、また来週に。


前回・前々回の続き~そして私は(毒舌ですが)~

2015-03-02 | 日記
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

前々回・前回と、支援者・保護者に対して、毒舌で、それぞれに伝えたいことを記載してきました。
今回は、その理由について記載します。

どちらの視点からもニーズと言うものがあります。
それは、指導者であれば保護者へ、保護者であれば支援者へ、と言う風に、です。しかし、そういった、一見単純な図式であっても、なかなかうまくいかないことが多くあります。

それは、様々な理由があるのでしょうが、その理由を取っ払い、お互いが可能な範囲で連携を取ることが重要なのです。

私は、職業柄、保護者と指導者の間を取り持つことを行っています。
それは、学校や施設側から、保護者へどのようにアプローチをとれば良いのか、また、保護者から、指導者側へどのように連携を取っていけば良いのか、というような話から始まります。

結局、「本当に」やる気が無い人なんて少ないのでしょう。しかし、双方どうやっていけば良いのか、つまり「目標に到達できるのかと言う不安」と、「やっていけるのかと言う不安」があるのでしょう。

その「不安」の根底にあるのが、知識不足でしょう。保護者は当然ですし、特別支援教育と言う分野の指導者は、特に「子どもができたを作る」ということを知らないことがあります。
それ故「同じことをルーチンでやり続ける」指導者・教師が多く、すなわち「できることを行う」ことが前提になってしまうのでしょう。

子どもは成長しますよ。それは変数が取れる内容です。つまり、「成長した気がする」「伸ばしたつもり」などと言う言葉は存在せずに、あくまでも「できることが増えた」なのです。


今、私は臨床の数が手いっぱいで、子どもが十分に成長し、その子ども達が私の手から離れることがあっても、次にずっと待っている方、講座や学習会などの企画により、直接子どもを指導することは年々厳しくなっています。

そんな中、つまり、直接手を出せない現状の中、支えてくださっているのは保護者、指導者の双方なのです。

だからこそ、保護者・指導者へ「子どものできることを作ることができる」と言うことを教えていくことが大切だと、こう考えているのです。
結局、私は一人で、轡を並べて、同じように臨床に立てる人間は多くはないのでしょう。一人を一人前に育てるのも、早くて5年はかかると思っていますし。

だからこそ、直接指導できる人間が増えにくい以上、既に臨床に携わっている指導者や、毎日子どもと過ごしている保護者へ指導していくことが大切であり、それは臨床家が増えても大切なことだと考えています。


毒舌で書いてきましたが、指導者と保護者が私の今日の臨床を支えている仲間なのです。だからこそ厳しく書きましたし、同時に私を知っている指導者、保護者はニヤニヤしてみてくださっていることでしょう(どこでも同じことを言っているので)。


指導者や保護者が悩みの種でもあるのと同時に、私の臨床を支えてくれている仲間でもあるのです。
だからこそ、その仲間それぞれが、互いに互いを、敬意を表して、楽しく充実した時間を過ごしてほしいのです。

そのためには、やはり甘言は言えませんよ。大切だと思うことをしっかり伝えるのは、私の使命です。どうもこの分野の仕事をホストやまじない師と勘違いしている人も多いですが、あくまでも「結果こそすべての心理臨床」の世界です。


甘言、それはその場所では、相手は嫌な気持ちはしないでしょう。そして、どうもそういった類の人間(指導者)が多すぎる!後はその辺の素人が個別指導をしているとか・・・。(本当にありえんです。そういった機関の実名を書きたいところですが、私の仲間からストップがかかるのでやめますが〈笑〉)。
しかし、その後責任を取れるのか?私にはできません。

であれば、私の臨床の道は、例え嫌われることがあっても、やはりこういったことを言い続けることが私の道でもあると、そう思っているのです。
それが誇り高いと感じていますし、その誇りの高さは、保護者・指導者あってのことなのです。


厳しいことを書いているのにもかかわらず、常にブログをチェックしてくださっている方々がいらっしゃるようで、本当に有り難い話です。
これからも毎週毒舌にブログを更新していきますので(笑)、引き続きよろしくお願いします。


今週はこの辺で。


それでは、また来週に。