活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

イベント無事終了のお知らせ(2)保護者向け講座「家庭で行う療育プログラム」

2018-11-26 | 研修・講座・講演会
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

早速ですが、11月21日(水)に、保護者向け講座「家庭で行う療育プログラム」を開催し、無事終了しました。

その様子がこちらです。



一般社団法人てんとうむしおよび尾串光康は、本写真の著作権を放棄しておりません。そのため、いかなる場合においても、本写真を無断で使用された場合には、法的処置を取らせていただきます。


このような感じです。


有難いことに、あらかじめ想定していた人数よりも多くいらして、来客用のパイプ椅子(いわゆる一般的な会議とかで使う業務用の椅子)だけではなく、急遽事務が使う椅子もセッティングする形でした。

併せて10名以上ご参加いただき、子どもが活動している場所での講座なのでそこまで狭くはないはずですが、ギュウギュウで椅子を敷き詰める形で、私も楽しく講師をさせていただきました。

参加いただいた皆様ありがとうございました。


内容は、今回はほとんど「図」のみのレジュメです。図とは、「階段」の図です。階段とは、「目標までのステップ」の階段です。


Q1:ひらがなを理解するためにはどうすれば良いの?
Q2:数を理解するためにはどうすれば良いの?
Q3:名詞を理解するためにはどうすれば良いの?
Q4:服を着られるようになるにはどうすれば良いの?
Q5:会話のやり取りを行えるようになるにはどうすれば良いの?
Q6:感情のコントロールができるようになるためにはどうすれば良いの?

講座で使ったレジュメ上のQはこの2倍以上です。そして、A(答え)を全てステップで記入しています。


答えはあります。おそらく、ABAを本当に使える術者は回答できます。ただ、もちろん、ハウツーではないです。子どもの年齢や成育歴、発達状態を考慮し、本当の答えは一人一人にあります。

しかし、それは「アレンジ」ですよね?「アレンジ」があるなら、当然「基本」もあります。「基本」とは、ABAの術者ならだれでも知っている指導の構造です。

すなわち、「〇〇を教えるためにはどうすれば良いのか?」に対して答えを持っているということです。


もし、ブログをご覧いただいている皆様で、ABAを受けられているなら、そこのABAのバイザー(指導者とは別にバイザーがいることがほとんどです。てんとうむしの個別のバイザーは私です)や主任者級の人間に、上記のような質問をしてみると良いです。答えられなければ「ヤブ」です。ほぼ間違いなく。


話は戻りますが、その基本を開示したのです。講座で。


本当は、こういうことは、ペアトレで一人一人の保護者の方に話したいのです。なぜなら、話を聞いて曲解し、それを家庭で実践し、そして失敗した場合(子どもが獲得できなかった場合)、ご自身の教え方に問題があると思わず、お子さん自身に問題があると考えられると、恐ろしいからです。
ですから、知識をしっかり積み重ねてもらいたいというのが本音なのです。

しかし、「指導のステップが必ずある」ということを知ってもらうためには、具体例を出すのが一番。しかし、「指導によってできるようになった」お子さんだけをビデオ等で見せても、「その子はきっとよくできているからでしょう」と思われるのは「しゃく」なので、ステップもしっかり図解でお見せしたかったのです。


そこで、今回の講座でした。


手前味噌ですが、大盛況だったようで、「ネット配信しないんですか?お金とれる内容だと思うのですが」とのご意見もあったそうで(爆笑)。いや、本当に嬉しい限りです。

無料だと、様々な機関にパンフレットが置けたり、普及につながりますからね。

しかし、そういう言葉を頂けるのはありがたいですね。一生懸命レジュメを作った甲斐がありました。それだけ楽しい講座だったということですからね。ありがたや。


中々今回私が作成したレジュメみたいなものは、書店で販売されていませんからね。それはそうですよね。それだけを見て間違った形で指導が広がるのは怖いですもんね。


明快に指導のプロセスが書かれている書籍、私が見た中では「わが子よ声を聞かせて」「ロヴァース博士のミーブック(これは研究書のようなものですが)」くらいかな?体系的に指導のプロセスが書かれているものは。ABA自体の書籍は良いのがちやほやありますが。

しかし、それを保護者の方がみたところで、ご自分のお子さんへの実践はちと難しいかな?やれる人もゼロではないでしょうが。できれば専門の人間の指導を受けながらが望ましいですね。失敗しないために。

応用行動分析で、私が一番良いと思う書籍は「応用行動分析学 ジョン・O・クーパー他」ですかね。明石書籍の。値段は18000円+税。
これは、一般の人では意味が分からないかもです。大学院生の学習のため、あるいは、私のように臨床活動を行っている人間が原点に戻るための教科書的なもの、としての活用が望ましいかな?

本当にABAを勉強したい人は読んでみても良いと思いますよ。お金を無駄にしない自信があれば(笑)。高いですからね。




話は戻りますが、講座、ご好評だったようで、私も嬉しかったです。ありがとうございました。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。








イベント無事終了のお知らせ(1)就労訓練保護者面談

2018-11-19 | 就労訓練・がじゅまる工房
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、今回は表題通り、「就労訓練に参加している児童の保護者の方との面談」を行い、それが無事終了しましたので、それについてです。


その様子?がこちらです。



一般社団法人てんとうむしおよび尾串光康は、本写真の著作権を放棄しておりません。そのため、いかなる場合においても、本写真を無断で使用された場合には、法的処置を取らせていただきます。


このような感じでした。面談を開始する直前の様子です。内容の確認をしている最中にスタッフに撮ってもらったものです。顔が怖いとかは言わないでね(笑)。

どの部屋も使用中で、音楽室しか空いておらず、音楽室で保護者面談を行ったのでした(笑)。事業所内にソファーがたくさんの部屋とかもありますが、成人の利用でそこは満杯ですからね。就労等が終わった後のくつろぎの場&就労訓練のための場ですしねそこは。


そして、肝心な面談、結果は、思っていた以上の感激でしたね。いやマジで(笑)。


ある保護者の方がおっしゃっていたのですが、「就労訓練のための集まり(説明会や講座)で、スモールステップとかの話が出て、これなら家でもって思ってやってみたら、やっぱりできるんですね。そういう機会が無ければ取り組むのが難しかったと思います。」


これ!これなのですよ!私が欲しかったものは!

やってきたかいがあったな~…就労訓練のために、「家庭内療育の手引き」(訓練の保護者のみに渡す小冊子)も作ったもんな~本当に大変だったで(笑)。


小さいころから療育を受けていたのなら別で(療育と言っても地域療育センター等の療育ではなく、家庭内と指導者との協同の療育です)、そうでなければ、大きくなってから、特に高校生以降から(てんとうむしの就労訓練は高校生からです)家庭内で…大切だとわかっていても、実現させるのはとても難しいですよね。しかし、やってくれたんだなこれが!!!


もちろんね、通っている子の年齢が様々であれば、当然保護者の方の年齢も様々です。高齢な方もいらっしゃいます。だから歩幅は違います。しかし、やっていれば、そのやり方に無理が無ければ必ず伸びるんだな~。

しかし、家庭内でやってもやらなくても、子どもの将来は同じ…この社会が嫌なので、就労先まで協力者と設立したわけなんだな。それががじゅまる。


「(本当の)就労を通して、家庭内療育の大切さを、そして大きくなっても子ども(成人でも)は成長する。そして頑張ってきた親子にはそれが報われる場所を」


これが社会で確立されれば、ハンディを持った人たちが社会進出しやすい世の中になるはずです。今よりももっと。福祉先進国もそうであるように。


その一歩が本当に踏み出せて、その一歩が非常に強い一歩であったことを実感しました。



先週、3つのイベントがありました。「今回ブログで書いている保護者面談」「保護者講座」「滝乃川成人ユニットでの研修」と。1つずつ書いていきますね。「来週は保護者講座」のご報告です。お楽しみに(笑)。


明日はペアレントトレーニングを、文字通り朝から晩までぶっ通しでやってきます。今回の面談も、ペアトレも、同じですね。確実にステップアップさせて、そして報われますように。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

嫌われる覚悟で

2018-11-12 | 徒然なるままに・その他雑談
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


以前から当ブログでも記載しているように、今週は就労訓練の保護者面談と、保護者向け講座と、滝乃川学園成人ユニットにて研修を行います。

私の日々は、やはり子どもの指導と保護者のペアレントトレーニングを行うのが常ですので、私にとってもイベントです。

何度講座をやり(50回以上はやっているかな?全部合わせると)、慣れても、常に新しい講座のレジュメを作成しています。それは、常に進歩しようと心に誓っていることと、毎回新鮮な気持ちと一定の緊張感を保つための事でもあります。
まあ、教え子の指導も、ペアレントトレーニングも、毎回緊張していますし、毎回新しいプログラムになりますけどね。それは必ずそういったものなのです。


そして、特に、講座で、私が最も気を付けていること、それが今回の本題です。すなわち、「嫌われる覚悟」です(ドラマであったっけ?そんなタイトル笑)。
嫌われる覚悟をもって、講座ではお話しするようにしています。

なぜか、それは、講座というものは「伝わらない」ものなのです。
だって、皆さんは、活かし続けられている講座って今までに経験してきましたか?私は経験していないですし、私の講座自体そのようなものだとは思っていません。


講座の意義は

1・ある程度知識があって、学術的知識や技術のごく限定された一部分をさらに向上させたい場合
2・全く知識がなく、それはどういったものなのかを知りたいとき(間口)
3・趣味(学術的趣味や講師自体が面白い等)


上記3点を目的にしていると意義があると思います。

しかし、心理臨床は特に「前の文脈」が大切だとされています。「前の文脈」とは前の情報です。この分野では、主に成育歴や周囲の環境、保護者の考え方です。そして、それは一人一人全く異なります。
講座内で「どうすれば良いか」、言い切っても、やはり個々の状態によって異なる部分がどうしても出るし、そもそも保護者が子どもの問題の理由を解明できていることなんて、ほとんどないと言っても良いでしょう。

だから、講座を聴いて、

「こうすればよいんだ!」と思っても、数日後には「…全然できない…やっぱ無理」とか
「やればできる!ううぉ!!!」と思っても、数日後には「…ま、いっか、忙しいし…」とか


になるのです。


そもそもそこを維持することがソーシャルサポートと言って、周囲が治療を受けさせ続けるためのサポートであり、最も大切なことだと言われています。

つまり、「継続することが結果を出す唯一の方法」なのです本当は。しかし、「継続するための努力は適切でなければ、その努力には裏切られる」のも事実であり、それ故継続型ペアレントトレーニングは大切なのです。


だから、講座の意義はやはり上記に挙げた3点でしょう。1は、親ではないでしょうし、それは大学院等の研究室で行うことが望ましいでしょうし、そうなると、2か3でしょう。
3は置いておいて、2です。「2」が講座のだいご味だからこそ、より印象強く講座をやるようにします。


印象強く…心理臨床は教育、福祉と密接に関係しています。であれば、色々な考えの人がいます。ほかの分野もそうかもですが、「答え」という概念がより揺蕩っている分野だからこそ、より様々な考え方があります。
故に、印象強く話すと嫌がられてしまうこともあろうと思います。しかし、だからこそ、嫌われる覚悟をもって話すようにしています。


例えば、「問題を解決しよう」と私がはっきり言えば、「いやいや、障害は受け入れなきゃ」とかね。障害と問題は全く別問題なのですが(笑)。意味わかります?


色々な人が聴きに来ます。その中で、リスナーの表情を見ると、悲しい顔、怒りの顔(笑)、嬉しそうな顔、色々あると思います。私は小心者だから、ビビっちゃうわけですね(笑)。客に引っ張られてしまうという…そうならずに、伝えたいことだけ伝えるということが、覚悟です。


ちなみに、ここだけの話、客の感情に左右されない方法、それは客を見ないでしゃべる事(笑)。私は毎回そうです。誰がどこに座っていたとか全く知らないのです(爆笑)。


そうすれば、「伝わりたい」と考えてきてくれている人には、私が正しいと思っていること、どうしても伝えたいことが「伝わります」。そういう経験も少なくありません。


そして、私が講座で伝えたいこと、それは

「親がやらなきゃ誰がやるの?他人はサポーターだよ」
「親がやってて伸びなかった子はいない。というか、やってて伸びない子なんていない」
「何歳でも伸びる」
「あれこれやらずに、良いと思ったら継続するとよい」


これです。


本当なの?どうすれば良いの?これを知るのが講座だと思います。あくまでも「事例」であり、「他のお子さん」ですけどね。保護者から見れば。しかし、

…うちの子もいけるかも(伸びるかも)。


こうなることが、その心が消えないことが、私の講座を行う上での願いです。


なお、「保護者」「親」を、「職員」「指導者」「支援者」に換えて読んでみてください。それが、私が施設等で講座をやる理由です。つまり、理由は同じだということ。




…さて、嫌われてくるか(大爆笑)。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。

保護者面談~就労訓練~

2018-11-05 | てんとうむしの取り組み
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。


早速ですが、てんとうむしで行っている就労訓練の保護者面談が来週から開始されます。


面談は、就労訓練に関わらず、年3回、IEP(個別指導計画)更新時に、総責任者が面談を行います。

今回は、それとは異なり、私が直接保護者と面談を行います。

なぜ就労訓練を希望したか?等、就労訓練をお子さんへ行っていく上での意思を確認するというものです。


家庭でしっかり訓練することが前提ですからね。就労訓練が受けられるための。

何故かって?それは障害の程度に左右されない就労の枠組みを作るためには、当然のことです。

周囲のサポートが必要な方が将来にわたり就労(就労支援ではないですよ)をするのですから、指導者にまかせっきりの親では就労させられないでしょ?親権者と協力が十分にできなければ不可能です今の日本では。

逆に言えば、親権者と指導者、会社が協力し合っていければ不可能では全くありません。


別に就労でなくても、就労支援だって良いじゃないですか。しかし私は、真剣に家庭療育をやってきた子とそうでない子が同じ場所に将来行くなら、訓練の意味なんて半分以下になっちゃうと思って、それは親の立場なら嫌だなと思ったまでです。
そして、その気持ちに賛同してくださっている方によっててんとうむしが支えられて、それで株式会社がじゅまる工房が設立されたのです。


支えられている、本当にその通りだと思います。


だって、デイサービス系の事業で、志望動機なんて聞かせていただけるなんて、私の知っている限りでは前例がないです。それができるのは私が最強だ…嘘です(笑)、賛同してくれる仲間がいるからです。親も子も、支援者も、私を招いてくれる事業所も。


だからしっかりお子さんのできることを増やして、ルールをしっかり教えて、協力者を増やして、よりこの分野が社会に認識されて、当たり前の世の中になっていけばな、そう思っています。




来週は地獄ですある意味(爆笑)。面談、てんとうむし講座、滝乃川研修(初めての場所の)と、緊張感バリバリです。しっかりとやります。その準備の最終段階です。


疲れた時はこれ↓

自宅にて。がじゅまる工房で正式に販売する(来年から)ティラミスです。お皿は売りものではありません(笑)。こういうこともできるよ、ということです。
このティラミスも、砂糖、小麦粉不使用ですよ。ベーキングパウダーが小さじ一杯程度。ラカントとかが原料です。うまそーでしょ?うまいよ。




…さて、今は準備準備(笑)。




今週はこの辺で。


それでは、また来週に。