日本と世界

世界の中の日本

プーチン氏 露の実力見誤る?

2023-03-13 18:13:55 | 日記




2023年03月13日 15時50分PRESIDENT Online

プーチン氏 露の実力見誤る?

2023年03月12日 13時15分PRESIDENT Online

ウクライナ北東部ハリコフ近郊の村で、破壊されたロシア軍の戦車を見る住民(=2022年05月15日、ウクライナ) - 写真=AFP/時事通信フォト
■主力戦車T-72のおよそ半数を失った

ロシアのウクライナ侵攻が始まって1年が経過した。この間にロシアは保有する主力戦車の最大半数を失った、と海外情報機関が分析結果を公表している。

英シンクタンクの国際戦略研究所など複数の海外機関は、ロシアが主力戦車T-72のおよそ半数を失ったとするリポートを公開した。

米ワシントン・ポスト紙は同機関によるリポートを取り上げ、もともと2000両あったロシアの主力戦車T-72のうち、約50%が失われたと報じている。同紙はT-72を「ロシアの戦車の中で圧倒的に多く使われている戦車」だと指摘する。

国際戦略研究所の分析によると、これ以外の型式を含めても、戦車全体の40%近くをロシアが喪失した可能性があるという。同研究所はリポートを通じ、開戦からの過去1年間でロシアの兵器庫が「著しく」変化したと指摘している。

■調査報道グループの分析も同様の結果に

英経済誌のエコノミストは、調査報道グループ「ベリングキャット」から派生したオープンソースの防衛分析サイト「オリックス」による分析を基に、ロシア側が1700両の損失を記録したと報じた。ウクライナ発表の3250両には及ばないが、それでも目を見張る数字だ。

オリックスは、ネット上などに公開されている写真や動画を基に情勢を分析するオシント(OSINT:オープンソース・インテリジェンス)の手法を活用し、昨年2月24日の侵攻以来、ウクライナで確認されたロシア軍の損失を分析している。

米CNNは同サイトによるリポートを取り上げ、少なくとも1000両の損失が明確に確認されたと報じている。このほか、ロシア戦車544両がウクライナに鹵獲(ろかく)され、79両が部分的に損傷し、65両が放棄された。

同サイトに寄稿する軍事アナリストのヤクブ・ヤノフスキ氏は、この数はオリックスが映像から確認できたものだけを計上したものであり、実際の損失は2000両に近いとの推察を明らかにしている。

ヤフノスキ氏は「ロシアは開戦時、稼働できる戦車を約3000両保有していたことから、その半数を失った可能性が高い」と指摘した。

大規模な喪失により、ロシアの攻撃ペースが鈍化するのではないかとの読みも出ている。同誌は、「ウクライナ戦で優位の確保に失敗したロシアの戦車だが、装甲車両による満足な支援なしには、ロシア軍が再び大規模な攻勢をかけることは困難となるだろう」との見通しを示している。

■ロシア紙「月20両しか戦車を作れない」

ただしこの事態は、ロシアが直ちに戦闘不能になることを意味するものではない。ワシントン・ポスト紙は、「喪失にもかかわらず、ロシアは相当な数の旧型戦車を保有しているため、戦力を維持することが可能とみられる」と分析している。

とはいえこのままでは在庫は尽きる。戦闘継続のためには戦車の増産が欠かせないが、経済制裁下のロシアは自動車の製造にも困窮している。戦車の製造ペースは思うように向上しないのが現状だ。

ワシントン・ポスト紙は国際戦略研究所のジョン・チップマンCEOの発言を引用し、「工業生産は継続しているものの依然ペースが遅く、ロシアは消耗を補塡(ほてん)するために、代わりに古い貯蔵兵器に頼らざるを得ない」と説明している。

エコノミスト誌は、ロシアで稼働中の戦車工場は一つしかないと報じている。旧式戦車を改造して戦場に送り出すケースが増えているという。

同誌によると、1930年代に建設されたこの巨大工場は、資金難で近代化が遅れている。労働者たちは「戦車を手で組み立てている」と冗談を言い合うほどだという。

ロシアの独立紙『ノーヴァヤ・ガゼータ』は、同工場の生産能力が月産20両にすぎないと報じた。西側関係者はエコノミスト誌に対し、ロシアでは戦車の需要が供給を10倍も上回っていると語っている。

■旧式戦車を改造して戦場に送り出す

ロシアではT-72戦車に最新機材を導入したT-90などを採用しているが、前述のように、これら新型の新造が間に合っていない。そのため、旧式を改良したT-72B3戦車などを多く製造してその場を凌(しの)いでいる。

T-72B3は数十年前のT-72をベースに、より射程の長い大砲や、攻撃の貫通を避けるための爆発反応装甲、通信設備のデジタル化などを盛り込んで強化を図ったものだ。

エコノミスト誌はロシアメディアによる報道を基に、戦車製造のウラルヴァゴンザヴォド社がこうした古い戦車を月間8両のペースで再整備しているほか、その他の修理工場で17両を再生していると報じている。

今後数カ月で間に合わせの修理工場がさらに2つ稼働予定となっているが、とくに半導体チップの不足を受け、生産は難航する見通しだ。同誌は新工場が稼働したとしても、毎月150両のペースで失われているのに対し、供給はこれに満たない月間90両少々のペースにとどまるだろうと指摘する。

■1両を失うだけで大ダメージになる

これは第2次世界大戦中の旧ソ連とは対照的だ。ドイツ軍の猛攻を受けたソ連は8万両の戦車を失ったが、持ち前の工業力を大いに発揮し、終戦時にはむしろ開戦時より多くの戦車を保有していた。

エコノミスト誌は、当時に対して現在では、戦車1両あたりの性能と価格が向上しており、そもそも配備されている戦車の数がかなり減少していると指摘する。1両ごとの喪失のダメージは以前よりも重くのしかかるようになっており、製造ペースの鈍化に悩むロシアにとって苦しい状況が続いている。

生産ペースについても同様だ。1940年代であれば月産1000両以上のペースを達成していた旧ソ連だが、現代の戦車は暗視スコープや照準器、そして弾道補正のための風速センサーなど、精密な電子部品を多く必要としている。単純に人手を投入してペースを上げることが難しくなっている。

また、40年代であれば戦時統制の下、一般の生産工場を転用して戦車の量産に舵を切ることが容易だった。だが現代では、精密部品を搭載した戦車を一般の工場で製造することは非常に困難だ。

■欧米の戦車で戦力を保つウクライナ

保有戦車の喪失が続くのは、ウクライナ側も同じだ。ワシントン・ポスト紙は、「ウクライナの兵器庫にもまた変化があり、(元来ロシアよりも)著しく少ない戦車の車隊に昨年、喪失が続いた」と振り返る。

ただし、ウクライナ場合は国際的な支援の恩恵を受けている。各国からの戦車の供与により、戦闘をより安定して実施できる可能性がある。同紙は「こうした損失の一部は、ウクライナがポーランドなどの同盟国から確保したソ連時代の戦車によって相殺されている」と指摘する。

ウクライナからの度重なる要請を受け、アメリカはM1エイブラムス、ポーランドはドイツ製レオパルト2、イギリスはチャレンジャー2といったように、それぞれ戦車の供与を決定している。こうした供給網が、ウクライナにとっては戦力維持の「鍵」になるのではないかとワシントン・ポスト紙はみる。

もっとも、戦車の生産体制に悩んでいるのは、ウクライナ側も同様だ。エコノミスト誌は、ウクライナ唯一の戦車工場であったハリコフ近郊の拠点が、戦争のごく初期に破壊されたと指摘している。

支援を申し出た欧米諸国での製産も軒並み遅れがちとなっており、必ずしもロシア側のみが一方的に戦車不足に苛(さいな)まれているわけではない。

■砲塔がびっくり箱のように飛び出る

ただしエコノミスト誌は、一般論として攻撃側が防衛側よりも多くの戦車を必要とすると論じている。紛争の長期化で戦車の在庫が問題視されるようになったいま、ロシア側がより厳しい状況に置かれる展開はありそうだ。

また、西側からの供与に加え、ウクライナ領内で鹵獲したロシア戦車もウクライナ軍の戦車数を補塡している。CNNはオリックスの発表を基に、ウクライナが500両以上のロシア戦車を鹵獲していることから、これはウクライナが失った459両を補って余りあると報じている。

ロシアの戦車については、数だけでなく質の問題も指摘されている。

開戦後の早い段階で、被弾時に砲塔が飛び出してしまう「ジャック・イン・ザ・ボックス(びっくり箱)」と呼ばれる欠陥があることが知られるようになった。これは対戦車兵器の攻撃を受けた際、内部に搭載した弾薬が誘爆し、砲塔がびっくり箱のように上部に完全に飛び出してしまうというものだ。

■衛生兵が戦車を操縦するほどの兵士不足

軍事情報サイトの「ソフリプ」は昨年5月、「かつて世界最高の軍隊と謳(うた)われたロシア軍だが、隣国によって深刻な弱点と欠陥があることが露呈した」と報じている。

通信の不手際、杜撰(ずさん)な計画、兵站(へいたん)の問題と並び、ロシア軍の「もうひとつのアキレス腱(けん)」になっていると同記事は指摘する。

記事は「ロシアは戦車を設計する際、砲塔部分に弾薬を配置するという悪い癖がある」とし、内部の設計に不備があると指摘した。ウクライナ側は当時からこの弱点を認識し、攻撃に活用していたという。

兵士の不足から、運用面でも限界が来ているようだ。ニューヨーク・タイムズ紙は今年3月1日、精鋭部隊の多くが「壊滅的な打撃」を受け、知識のない専門外の兵士がその欠員を埋めていると報じた。

ウクライナ側が戦車を捕らえたところ、運転席に座っていたのは、配置転換された衛生兵だったという。このように「専門性の欠如がロシア軍を苦しめるようになった」と同紙は指摘する。

■世界から見放されたプーチンの誤算

西側諸国の支援を得てウクライナが反転攻勢に出ている現状、地上戦の主力となる戦車の不足はロシア側にとって大きな痛手だ。

戦車は攻勢を強めるだけの存在ではなく、獲得した領土の維持にも欠かすことができない。レオパルト2などの供与を受けたウクライナは春から攻勢を強めるとの観測があり、ロシア側はこれを迎え撃つのに従来よりも苦慮する可能性があるだろう。

侵略に対抗するウクライナ側も相当な苦境にあることは確かだが、唯一の戦車工場が月産20両と頼りないロシアとは異なり、国際的な支援の恩恵を受けている。戦車の確保という観点では、一定の優位を確保したと言えるだろう。

一方でロシアは、自ら仕掛けた戦争で苦汁をなめ、その軍隊は衛生兵に戦車の操縦を委ねるほどの混乱に陥っている。大量に抱えた旧型戦車の在庫に依存しながら当面は急場を乗り切ることが予想されるが、もはやキーウ攻略と言える状況ではなくなってきている。

じりじりと追いやられる現状を見るに、プーチン大統領は、自ら描いた未来予想図とは遠い地点に妥協を迫られる展開となりそうだ。


----------
青葉 やまと(あおば・やまと)
フリーライター・翻訳者
1982年生まれ。関西学院大学を卒業後、都内IT企業でエンジニアとして活動。6年間の業界経験ののち、2010年から文筆業に転身。技術知識を生かした技術翻訳ほか、IT・国際情勢などニュース記事の執筆を手がける。ウェブサイト『ニューズウィーク日本版』などで執筆中。
----------

(フリーライター・翻訳者 青葉 やまと)

韓国、対GDP比家計負債が世界1位…莫大な負債の「軟着陸」対策作りが急務

2023-03-13 17:52:21 | 日記
韓国、対GDP比家計負債が世界1位…莫大な負債の「軟着陸」対策作りが急務

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2022.06.07 06:45


家計負債

韓国の家計負債が経済規模を考えると、世界主要国36カ国の中で最も多いことが分かった。さらにコロナ禍が頂点を過ぎて低金利時代が幕を下ろし、米国など主要国は国内総生産(GDP)比家計負債の割合が1年前より4%ポイント以上減少し、韓国は0.7%ポイント下落にとどまった。韓国の高い家計負債が金利上昇期の韓国経済を脅かす雷管になり得るという懸念の声が上がる理由だ。6日、国際金融協会(IIF)の世界負債報告書によると、今年1-3月期基準で韓国のGDP比家計負債の割合は104.3%で、調査対象36カ国の中で最も高かった。レバノン(97.8%)、香港(95.3%)、タイ(89.7%)、英国(83.9%)、米国(76.1%)などが後に続いた。特に、家計負債規模が経済規模より大きい国は韓国が唯一だった。

新型コロナの世界的な大流行(パンデミック)だった1年前に比べても融資の増加傾向ははっきりと落ち着いていない。過去1-3月期における韓国のGDP比家計負債比率は1年前(103.6%)より0.7%ポイント下落した。英国(-7.2%ポイント)、米国(-4.7%ポイント)、日本(-4.6%ポイント)など主要国が4%ポイント以上減少したことに比べられる。

ソウル大学経済学科のイ・インホ教授は「昨年、政府がDSR(総負債元利金返済比率)など不動産規制を強化したが、マンションの購入など不動産需要は変わらなかった」として「住居価格の上昇が家計負債の減少傾向を鈍化させた『砂袋』になったわけ」と分析した。


漢陽(ハニャン)大経済学部のハ・ジュンギョン教授は「不動産市場が心理的に安定して家計融資の減少傾向が続くように金融当局の代案が必要な状況」とし「特に、金利上昇期に個人と自営業者の債務調整を含む莫大な負債の『軟着陸』対策など政策的な議論が必要だ」と話した。


韓国、家計債務が世界1位に 新政権は挽回できるのか?最大の要因は?

2023-03-13 17:36:23 | 日記
2022/03/12

韓国、家計債務が世界1位に 新政権は挽回できるのか?最大の要因は?

  • 著者アレン琴子

    国家債務が雪だるま式に積み上がっている韓国で、「家計や企業の債務が限界を超えた」と経済学者らが警鐘を鳴らした。

  • 文在寅政権の失策が引き起こした住宅価格の高騰を背景に、対GDP比の家計債務比率が主要37ヵ国中1位となるなど、資産市場崩壊を懸念する声もある。
元韓国銀行金融通貨委員
「家計及び企業負債が限界を超えた」

2022年2月10日から2日間にわたり、韓国で開催された「2022経済学共同学術大会(韓国経済学会・韓国国際経済学会主管)」では、政府と民間の負債をめぐる懸念の声が相次いだ。

韓国ハンギョレ新聞によると、韓国銀行金融通貨委員を務めた延世(ヨンセ)大学国際大学院のハム·ジュンホ教授が大会の事前配布した発表文の中で、「韓国のマクロレバレッジ(民間・政府負債)水準が、GDP比254%まで拡大した」と指摘したそうだ。

「家計及び企業負債がすでに限界を超えたと推定される上に、政府負債も急速に増えている」とし、早急な対応を呼びかけた。

ソウル大学のキム・インジュン名誉教授が、『韓国経済危機か、機会か』というタイトルの基調演説で反発したのは、国家負債が急増しているにも関わらず、韓国の債務は他のOECD国水準より低いと主張し続ける政府の姿勢に対してだった。

「政府さえ、負債管理に対する長期的な青写真を出せないのは問題だ」と批判した。

米国のゼロ金利政策解除やパンデミックの影響など、マクロ経済環境の変化が顕著になっている現在、概ねの意見は韓国経済の構造的脆弱性を改善すべく、先制的な対応策が求められるとの一点に集中した。

文在寅政権下で家計債務残高が過去最高に

経済学者らが懸念を示すのも、当然である。

文在寅政権の5年間で、韓国の国家債務は過去最高額の400兆ウォン(約38兆2564億円)に膨張した。

韓国経済研究院は、国際通貨基金(IMF)の国家財政データに基づいた報告書の中で、
「2026年までに韓国の国家負債比率がOECD(経済協力開発機構)加盟国中最も速く増加する」と予想している。

韓国の経済規模を家計債務が上回ったことを受け、2021年12月には韓国銀行(中央銀行)が警告を発した。

中央日報は、「家計負債規模が経済規模より大きい国は、世界で韓国のみだ」と報じた。

同国の家計債務残高は16年間拡大し続け、2021年4~6月期に過去最高の1,850兆9,000億ウォン(約176兆9,871億円)に達した。

国際金融協会(IIF) の調査によると、対GDP比は104.2%と主要37の国や地域の中で最も高く、増加速度も前年同期比6ポイント(以下、pt)増と最速だった。

韓国に次いで対GDP比家計債務率が高かったのは、香港(92.0%)、英国(89.4%)、米国(79.2%)と続く。

増加速度が速かったのは、香港(5.9pt)、タイ(4.8pt)、ロシア(2.9pt)だった。

文在寅政権の不動産政策が引き起こした住宅バブル

韓国が世界1の家計負債大国に陥った最大の要因は、住宅価格の高騰である。

その高騰の元凶となったのは、文在寅政権による不動産政策の失敗だ。

ブルームバーグ紙の試算によると、韓国の住宅価格(インフレ調整後)は2021年12月までの23ヵ月間、継続的に上昇した。

韓国KB国民銀行のデータからは、2017年5月の文在寅政権発足時から2022年1月までの期間、ソウル市のマンション価格が2.2倍に上昇したことが明らかになっている。

「住宅価格の安定」を大統領選の公約に掲げて当選した文在寅政権は、過去4年半で25回もの不動産政策を発令した。

個人の多住宅保有や譲渡に対する税金の引上げや銀行からの貸し出し規制、賃貸事業者の廃止など、あらゆる価格抑制対策を講じたが、さらに価格を高騰させる結果となった。

融資規制の強化や金利引き上げ効果から、2022年2月の銀行家計融資残高は2ヵ月連続で減少したものの、 住宅担保融資の残高は2兆2,000億ウォン(約2,102億4,342万円)増えた。

利上げで家計の負担が増せば、その副作用は避けられない。

消費が冷え込み、経済成長が減速する可能性があるほか、すでに多額の負債を抱えている借り手の負担が増すことになる。

西江(ソガン)大学経済大学院のキム・ヨンイク教授はこのようなリスクを踏まえ、「住宅価格の安定が最優先だ」と、融資規制や利上げは根本的な解決策ではない点を強調した。

経営不振企業も大幅増加 資産市場崩壊への懸念高まる
経営不振企業も目立って増えている。

聨合ニュースや朝鮮日報によると、
韓国の産業研究院が2010~20年にわたる製造業の不良兆候を分析した結果、不健全な兆候が見られる外部監査対象企業は32.8%(10.7pt増)、上場企業は30.4%(9.0pt増)へ上昇したという。

これらの企業は政府の支援金や銀行融資の延長で生存し続けているが、それが債務の山をさらに積み上げる原因になっているとの指摘もある。

3月「コロナ金融支援終了」で破たんリスク拡大?

3月には、コロナの金融支援措置が打ち切りとなる。中小企業と個人事業主が対象とはいえ、家計債務にも間接的な影響が及ぶことは間違いない。

2021年11月の時点で、中小企業と個人事業主は総額272兆2,000億ウォン(約27兆2,000億円)の債務を抱えていたという。

一部の専門家は、過剰債務が引き起こす資産市場バブルの崩壊への懸念を高めている。

政府と民間の過剰債務、金利の引上げ、インフレなど、市場を揺るがす不安材料はふんだんに揃っている。

果たして次期政権は、自国を経済崩壊の危機から救うことができるのだろうか。

文・アレン琴子(英国在住のフリーライター)


韓国、家計「デレバレッジ」さらに2年続く予想…IMF危機の時期と似た傾向

2023-03-13 17:23:52 | 日記
韓国、家計「デレバレッジ」さらに2年続く予想…IMF危機の時期と似た傾向

登録:2023-03-13 10:26 修正:2023-03-13 14:30

新韓投資証券「デレバレッジと資産価格の行方」報告書

ソウルのマンション集合地の森/聯合ニュース

 韓国の家計の「債務削減」(デレバレッジ)局面は今後2年以上続き、住宅価格も2025年下半期まで下落傾向を抜け出すのは難しいという見通しが示された。

 12日、新韓投資証券が出した報告書「韓国デレバレッジと資産価格の行方」によれば、昨年下半期から本格化した家計の債務削減の局面は、1997年のアジア通貨危機または2002年のクレジットカード危機後と類似した流れを示していると分析された。

報告書は「1990年代以降で家計の債務削減が不可避となった2回の経験に照らしてみれば、昨年下半期から可視化された債務削減サイクルは少なくとも2年以上続く可能性が高い」とし、「国内外の景気の不確実性の中で、雇用低迷の圧力が次第に増し、高金利の余波が追加で反映され、家計の資本調達費用も高く維持されており、家計資産の軸となる住宅価格は反騰が期待できない」と明らかにした。

1990年代以後、住宅価格は家計負債の増減に8~10カ月遅れて表れる傾向を示してきた。

したがって、2022年下半期から始まった債務削減の局面が2年以上続くならば、少なくとも2025年下半期まで住宅価格は下方修正の圧力を避けられないという話になる。

 新韓投資証券のエコノミスト、キム・チャンヒ氏は「家計は資産価格上昇の期待と資金調達条件を考慮して債務を広げるかどうかを決めるが、価格の見通しが肯定的だとしても家計収支が悪化する区間では、共通して債務削減が進められる」とし、「過去2回のデレバレッジ期を振り返れば、債務と住宅価格の展開の様相がより具体的に描かれる」と説明した。

実際、1997年から1999年までは名目国内総生産(GDP)比の家計債務比率は4.9ポイント(1997年末50.0%→1999年末45.1%)下がり、その後2000年には全国の平均住宅価格が1980年代後半の水準に戻った。

また、クレジットカード危機が起きた2002年には名目GDPに比べて64%まで急騰した家計債務比率が、2005年第1四半期には60%に下がり、住宅価格はその後、2003年第3四半期から2005年第4四半期まで下落の流れが続いた。

 昨年第1四半期から下落傾向が続いている家計貯蓄率と、第3四半期を基点に減少傾向に転じた家計実質所得も、債務削減と無関係ではない流れだ。

キム・チャンヒ氏は
「雇用市場の低迷で家計所得の増加が期待できない中で、高金利の余波で家計収支のさらなる悪化が懸念される」とし、
「銀行の家計ローン金利が年平均5%台で、家計債務の規模がそのまま維持される場合、世帯当たりの平均利子負担は昨年より50~60%増え、家計全体の貯蓄率をさらに2ポイント下落させる要因として作用しうる」と予想した。

また、2ポイント未満の貯蓄率下落でもGDP比4ポイント前後の債務削減がなされたクレジットカード危機の頃の事例を根拠に「所得では持ちこたえられない水準の債務がある家計はデレバレッジが避けられない」と強調した。

 一方、韓国銀行も国会に提出した「通貨信用政策報告書」で「金利が上がったことと、住宅価格下落への期待、住宅景気の循環周期などを考慮すると、今年の住宅価格はさらに下がるものと見通される。住宅の売買・賃貸価格の同伴下落は、住宅景気減速とデレバレッジが進む要因として作用しうる」と分析した。




魂の外交官 重光葵に帰れ―吉田ドクトリンから重光ドクトリンへ(福冨健一氏)

2023-03-13 17:14:48 | 日記
魂の外交官 重光葵に帰れ―吉田ドクトリンから重光ドクトリンへ(福冨健一氏)

平成24年01月20日
外交

魂の外交官 重光葵に帰れ―吉田ドクトリンから重光ドクトリンへ

作家・歴史資料収集家 福冨健一氏に聞く
(『日本の息吹』平成23年12月号掲載)
●大御心を体した外交官
―なぜいま重光葵なのでしょうか。
福冨
教科書で戦後史のはじめに掲載されていたミズーリ艦上での降伏文書調印式の写真は、皆さん見たことがあると思います。あのとき、サインしているのが当時、誰もが嫌がる日本全権を引き受けた重光葵です。
昭和20年9月2日、調印式の日、重光はこう詠んでいます。
ながらへて甲斐ある命今日はしもしこの御楯と我ならましを
願くは御国の末の栄え行き吾名さげすむ人の多きを
また、調印式前には伊勢神宮に参拝し、斎戒沐浴して心を込めて祈っています。
我国を造りましたる大神に心をこめて我は祈りぬ
重光は、幼少より父の薫陶によって沐浴と教育勅語の朗読を日課としていましたが、後年には、書斎に掲げた日章旗を毎朝礼拝していました。
大君に答へまつらむ真心を捧げて今朝も御旗拝みぬ
これこそ日本人の本来の姿です。まさに大御心を体した外交官だったのです。
―上海の爆弾事件のときの姿も立派でした。
福冨
昭和7年4月29日、上海で行なわれた天長節の式典に爆弾が投げられて、駐華大使として参列していた重光は一命は取り留めたものの片足を失う重傷を負うわけです。
当時は、国歌斉唱は2回続けて歌われていました。その2回目のときに、爆弾が2つ投げ込まれた。重光は、「爆弾が投げられたのは分かっていたが、国歌斉唱の最中に動くのは不敬であると考え動かなかった」と日記に書いていますが、動かなかったのは、重光だけではなかった。壇上にいた白川義則司令官、野村吉三郎司令長官(後の駐米大使)、植田謙吉師団長など、誰も逃げなかったのです。これは想像するだにすさまじい話だと思います。当時の日本人は、国家を背負って立つ気概、上に立つ者の覚悟が違ったんですね。
重光葵記念館(*)に重光の義足が展示されていますが、墨で「恩賜」と記されています。陛下から賜ったこの義足をつけるたびに皇恩に想いをいたしていたのではないでしょうか。
●「太平洋戦争史観」から「大東亜戦争史観」へ

―マッカーサーとの対決も見事です。
福冨
マッカーサーは当初、日本に軍政を敷こうとしました。それを重光が「ドイツと日本は違う。ドイツは政府が壊滅したが、日本には政府が存在する」として、日本での軍政施行は、ポツダム宣言違反だと猛抗議して、それを止めさせるわけです。もし軍政が敷かれていれば、日本の文化は根底から破壊されてしまったでしょう。
―今年12月8日は、大東亜戦争開戦から満70年の日です。重光は、文字通り大東亜戦争を貫徹しようとした外交官ともいえそうですね。
福冨
重光は、三国同盟に反対し日米開戦にも反対しました。しかし、いったん戦端が開かれた後は勝つために尽力し、そして途中で敗戦は避けられないとみてとって、この戦争の大義を後世に示す為に、昭和18年11月、東京にアジア各国の錚々たる代表を招き、大東亜会議を開催し、大東亜共同宣言を起草し、その採択を実現しています。
重光はその意義について、「敵側の弱点の重大なるものは、アジアに対する差別概念である。チャーチルがなしたる大西洋憲章をインドに適用せずとのアジア差別概念を逆用し、我が大東亜政策の正義性を発揮せねばならぬ。我が大東亜政策が、アジアの解放に立脚しこの地域における民族国家を政治的に自主平等の基礎のもとに」導かなければならないと語っています。
連合国の大西洋憲章は、人種平等を謳ってはいたが、それはあくまで白人間の平等であって、植民地の有色人種には適用されないものでした。そこで、日本は真の人種平等の実現を理想に掲げたのです。英国の歴史家、トインビーは、「第二次大戦において、日本人は戦争によって利益を得た国々のために偉大な歴史を残した。その国々とは、日本の掲げた短命な理想である大東亜共栄圏に含まれていた国々である」と日本を賛辞しています。
―重光は、東京裁判で、いわゆる「A級戦犯」として禁固7年の刑を受けるわけですが、刑を終えて、鳩山内閣で外務大臣に就任します。このことは、「A級戦犯」を日本国民が認めていなかったことの何よりの証左です。
福冨
戦後は、米占領軍によって与えられた「太平洋戦争史観」とソ連・中共による「帝国主義戦争史観」「抗日戦争史観」が幅を利かせますが、日本人が戦ったのはあくまで「大東亜戦争」です。我々は「大東亜戦争史観」を取り戻さねばならない。重光の軌跡を学ぶと、おのずとその大東亜戦争史観が浮かび上がってきます。その意味でも重光は戦前戦中にかけて日本の政治の第一線を歩き続けた稀有な政治家だったといえるでしょう。
吉田ドクトリンを葬送しよう戦後の重光の仕事として特記すべきは、昭和30年8月に行なわれた「重光・ダレス会談」です。日米安保条約の改定について、重光は、NATO諸国のような対等な日米同盟を主張しました。重光は、吉田茂と違い、再軍備を国家存亡の問題と捉えていました。
―改めて吉田外交と重光外交の違いについて。
福冨
「降伏後における米国の初期の対日方針」は、「日本国が再びアメリカの脅威となり、または世界の平和と安全の脅威とならざること」を目指しましたが、その最も肝要な点は、軍隊と神道を排除したことです。つまり、日本から国家の本質的要素である軍隊と宗教を奪った。そうすれば日本は弱体化して二度と敵にはならないだろうと。これに吉田茂は従ってしまった。
軽武装、経済優先のいわゆる吉田ドクトリンですね。それに対して、重光は、「自らの使命は、吉田の残した仕事の後始末をすることである」として、憲法改正、再軍備をやろうとしました。
重光には国家の本質というものが、深く理解されていたのだと思います。
今年4月、英国のウィリアム王子の婚礼が英国国教会のウェストミンスター寺院で行なわれ、王子は近衛歩兵第4連隊の名誉大佐の礼服姿でした。そして王子の所属する空軍の戦闘機がバッキンガム宮殿の上空を飛んでお祝いしました。宗教と軍隊と王室が一体なのです。そこに国家の高貴さや美徳が現れるのです。
フランスの哲学者トクヴィルは、人間の自由について「自由であろうとすれば神を信仰しなければならない」と言っています。神のない自由は隷従の自由であると。重光も似たことを言っています。イギリスがなぜ、デモクラシーがしっかりしていて戦争に強いのか、それは、「英国の王室が無言の大なる感化力を持っているからだ」と。王室の権威が政治や外交や人々の社会生活を感化しているというのです。重光にはそういう感性がありましたが、吉田茂にはそれは欠けていたといわざるをえないと思います。
政治学者の高坂正堯は、『宰相吉田茂論』で、経済優先の吉田ドクトリンに対し、「しかし、真にそうであろうか。われわれは精神的な真空を持っていないだろうか」と指摘しています。
「精神的な真空」に陥ってしまっている現下日本にあって、今こそ、吉田ドクトリンから重光ドクトリンへの転換を!と強く訴えたいですね。(文中敬称略)
--------------------------------
ふくとみ けんいち
昭和29年栃木県生まれ。東京理科大卒、
ハイデルベルク大学留学、ニューポート大学大学院中退。
自民党政務調査会副部長。一貫して有事法制を研究。
著書に『東条英機天皇を守り通した男』
『南十字星に抱かれて凛として死んだBC級戦犯の「遺言」』など。
------------------------------