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耐え難い格差を生み出す、韓国「無限競争社会」の苦しみとは?

2023-03-01 16:59:43 | 日記

耐え難い格差を生み出す、韓国「無限競争社会」の苦しみとは?



文藝春秋digital

2020年1月27日 12:00

激しい教育熱、苛烈な就職活動、勝者と敗者の埋められない格差

……韓国社会で起こっていることは、日本にとっても「対岸の火事」ではない。

/文・金敬哲(フリージャーナリスト)


目次

  1. 通貨危機が格差社会のきっかけ
  2. 塾をハシゴする小学生
  3. 深夜の違法授業
  4. 就活で100社に「玉砕」
  5. すべては親の財力で決まる
  6. 「起・承・転・チキン」
  7. ゴミを集める老人たち
  8. 日本の未来も……

通貨危機が格差社会のきっかけ

 2012年8月の李明博(イミヨンバク)元大統領の独島(竹島)上陸を機に硬直し始めた日韓関係は、2017年5月、文在寅(ムンジエイン)政権が発足してからいっそう悪化している。

2018年以来、既存の歴史問題と独島問題のほか、海上自衛隊哨戒機に対するレーダー照射事件、徴用工賠償判決など、新たな懸案が次々と発生し、「戦後最悪の日韓関係」の時代へと突入した。

金氏

 韓国の歴代のどの政権より強力な反日外交を繰り広げていることが、文在寅政権の支持率アップに大きく貢献しているのは事実だ。

 その背景には、沸騰寸前にまで上がった、国民の「不満の水位」がある。

いまの韓国は、耐えがたい格差社会に陥っている。

全ての世代で「無限競争」が繰り広げられており、社会が一握りの勝者と大半の敗者に分かれ、勝者独り占めによる格差が日増しに深刻化。

「競争」と「格差」こそが現在の韓国社会の諸問題を引き起こしている。

 文在寅政権は高まった不満の捌(は)け口として、日本という「敵」を利用しているのだ。

 韓国が厳しい格差社会になったきっかけは、1997年のIMF通貨危機だ。

これは、財政破綻の危機に直面した韓国政府が、IMFから資金援助を受けるために合意文書を締結し、国家財政の「主権」をIMFに譲り渡したものだ。

これによって韓国ウォンは大きく下落し、庶民の生活も大打撃を被った。

IMF危機直後に就任した金大中(キムデジユン)大統領は、IMF勧告よりも強力な新自由主義政策を導入した。

韓国社会全般にわたって新自由主義の波が押し寄せたが、とりわけ、その影響を強く受けたのが教育現場である。

塾をハシゴする小学生

 厳しい競争社会で安定した生活を送るためには大手企業に就職しなければいけない。そのためには名門大学に進学する必要がある

――

こうした社会通念が強くなり、学校ではなく「私設の学習塾」が教育の中心になり、いわゆる名門塾が台頭した。

いまでは、名門塾に入るための試験勉強を指導する「セキ塾」まで登場している。

 韓国の教育熱を象徴するのが、「大峙洞(テジドン)キッズ」だ。

ソウルの富裕層が住む漢江(ハンガン)の南岸、江南(カンナム)地域にあって、学習塾がひしめく地区「大峙洞」に通う子供たちのことである。

 大峙洞の名門塾では、徹底した管理教育が行われ、早ければ幼稚園の時から、目標とする進路に向けた体系的なカリキュラムが施される。

もちろん、多額の費用がかかるが、ソウルの他地域や地方からも名門塾を求めて、幼い子供を連れて大峙洞へ転居する。

IMF危機を経験して、「信じられるのは自分の力だけ」と痛感した親たちが、子供の教育に一層熱を入れるようになったからだ。

 大峙洞に住む主婦のパク・ミンジュさん(仮名)は、1年前の冬、ソウル市麻浦区から引っ越してきた。

ミンジュさんの息子、ヒョンジュン君は大峙洞C小学校の5年生だ。

C小学校の前の道路は、下校時間が近づくと車で埋め尽くされる。

下校する子供を拾って塾に連れて行くため、母親たちの車が待機しているのだ。

 ミンジュさんが言う。

「学習塾街までは歩いて15分くらいですが、ほとんどの子供は母親が車で送っています。1日に少なくても2、3軒の塾を回るので、子供だけだと時間管理が難しいからです」

 2012年、教育科学技術委員会に所属する国会議員が、大峙洞の学習塾街を歩いていた小学生10人を対象にかばんの重さを測る調査をして話題を集めたことがある。

その結果、10人のかばんは平均8.5キロだった。小学3年生の平均体重は約30キロ。

つまり、体重のおよそ3分の1のかばんを背負って塾から塾へ転々としているのだ。

 数学塾や英語塾に通っているヒョンジュン君のかばんもかなり重かった。

かばんの中には数学のテキストのほかに、TOEFLリーディング、TOEFL文法、TOEFL単語集など、TOEFL関連のテキストだけで3冊、それに「ハリー・ポッター」の英語の原書も入っていた。

ヒョンジュン君が通う英語塾では、毎日、TOEFLとTEPS(ソウル大学が主管する英語能力試験)に向けた授業を3時間行い、小説やエッセイを原書で読んで発表、ディベートする授業も行っている。

 ヒョンジュン君は英語塾が終わると、近所で待っていたミンジュさんと合流し、20分で簡単に夕食を済ませた後、数学塾へ走っていく。

数学の授業も3時間で、中学3年生用のテキストを使って行われる。

深夜の違法授業

 大峙洞キッズの憧れの的が、「一打(イルタ)講師」だ。ピッタリの日本語訳は、「カリスマ講師」だろう。

 日曜日の朝7時過ぎに大峙洞のとあるビルを覗くと、1階から3階まで、階段にかばんがずらっと1列に並べられていた。

ここは、大峙洞でも5指に入る名門塾・イガン予備校。子供たちが早朝から席取りをしているのだ。

 同校の進学カウンセラーであるシン・チョンヘさんが語る。

「日曜日は、数学の一打講師であるヒョン・ウジン教授の授業があるので、少しでも良い席で授業を聞こうと、生徒たちは夜明け前の4時頃からやってきます」

 9時になると、ヒョン教授が登場して授業が始まった。

「今から私が言う言葉1つ、しぐさの1つまで絶対覚えておくように。必ず試験に出るからね!」

 ヒョン教授は、アメリカのスタンフォード大学で数学を専攻した秀才だ。

2011年から大峙洞の学習塾で教えはじめ、実績を認められて、韓国最大手の教育企業「メガスタディー」にスカウトされた。

2018年、31歳の若さで江南に320億ウォン(約32億円)のビルを購入したことが話題になった。

 ヒョン教授のような一打講師の年収は、100億ウォン(約10億円)を超える。

その多くが、20代後半から30代前半で、10人以上の秘書を抱え、専属のヘアメイクにスタイリストまで付けている。

言ってみれば、教育界の「韓流スター」なのだ。

 夜10時すぎ、大峙洞の学習塾街にほど近い公園や体育館では、多くの子供たちがスポーツに熱中している。

2008年、ソウル市教育庁は、課外教育の拡大を防ぐため、「深夜教習禁止条例」を制定した。

これにより、ソウルの学習塾は夜10時になると、すべての授業を終了しなければならなくなった。

しかし、体育教室は塾ではなく、「体育施設」に分類されるため、条例が適用されない。この抜け穴を突いて、体育教室が盛んになっているのだ。

 夜中まで体育の授業を受けるのも受験のためだ。

韓国の高校入試は、基本的にペーパーテストがない。

難関高校でも、内申書の成績や面接で合否が決まるため、主要科目だけでなく、体育や音楽、美術などの芸術科目でも良い点数を取る必要があるからだ。

 一方、大学受験を控えた高校生は、違法な深夜教習を受けている。

夜10時を過ぎると塾の入口にシャッターを下ろし、灯りが漏れないよう窓にぶ厚いシートを貼って、深夜授業を行う学習塾が少なくない。

夜10時になると先生と生徒たちは塾の近くに借りたアパートへ移り、未明まで授業を続けるところもある。

大峙洞キッズは、違法教習が行われるアパートを「自習室」と呼ぶ。

受験生に声援を送る高校生

就活で100社に「玉砕」

 ようやく志望大学に入学できたからといって、若者の苦労は終わらない。未曽有の就職難時代を乗り切るため、「8大スペック」を向上させなければいけないからだ。

 スペックとは、「製品仕様」の意味だが、いまでは就職に必要なスキルや資格のことも指すようになった。

工場の用語が、いつのまにか人間の水準を表す用語として、学生街で使われるようになっている。

 8大スペックとは、出身大学、大学の成績、海外語学研修、TOEICの点数、大企業が学生を対象に行う公募展への参加、各種資格、インターン経験、ボランティアである。

 ソウルにある中堅私立大学の崇実(スンシル)大学で経営学を専攻したチェ・シンさん(27)は、卒業を1学期猶予しながら、就職活動に専念している。

一昨年の初めから本格的な就活を開始して、2018年の上半期と下半期、そして2019年の上半期の公開採用で、それぞれ30社余り、合計100社以上の企業に入社志願書を提出した。

だが結果は、ことごとく「玉砕」だった。

 チェさんも8大スペックの向上に力を注いだ。大学での好成績に加え、米テキサス大学で1年間の語学研修、子供たちの海外キャンプを引率してドイツで1カ月間のボランティア、有名ITベンチャー企業で3カ月間のインターンシップ。

大手銀行の公募展に、SNSを使った広報のアイデアを出して採用もされた。

TOEICは850点、中国語資格(HSK)3級、情報処理士、韓国史の資格も持っている。それでも就職は「狭き門」なのだ。

 チェさんのように、数々のスペックを保有していながら、安定した職に就けない若者たちのことを「IKEA世代」と呼ぶ。

スウェーデンの家具ブランドIKEAは、優れたデザインで価格も比較的安く、新婚夫婦や新社会人が短期間使う目的で購入することが多い。

同様にIKEA世代も、優秀な人材であっても、非正規社員やインターン、契約社員など低賃金で短期間雇用されることが多い。


プーチンはすでに「絶体絶命」…ロシア経済は「崩壊寸前」で万事休すへ

2023-03-01 16:48:13 | 日記
プーチンはすでに「絶体絶命」…ロシア経済は「崩壊寸前」で万事休すへ

2/24(金) 7:02配信

人口は減少し、周囲は敵だらけ


ドイツのシュルツ首相[Photo by gettyimages]

 この論文だけではない。「長期的にロシアはもう敗北した」と、そのものズバリのタイトルを付けた論文もある。

こちらは、もう1つの有力な米外交誌「フォーリン・ポリシー」に2月13日付で掲載された。 

 筆者はブレント・ピーボディ氏というハーバード大学ケネディスクールの現役大学院生である。

学生の論文を同誌が掲載するのは珍しいが、同氏はこれまで、これを含めて計5本を寄稿している。よほど気に入られているようだ。 

 それはともかく、同氏はロシアの人口と経済力に注目した。

以下のようだ。

 ---------- 〈欧州のロシア依存とは対照的に、ロシアの欧州依存は、ほとんど注目されていない。

たとえば、ロシアは2021年、石炭の32%、原油の49%、天然ガスの74%を経済協力開発機構(OECD)に加盟する欧州各国に輸出した。

日本や韓国、非OECD諸国を含めると、その比率はさらに高くなる。

欧州の脱ロシアが進んで、モスクワはまもなく、収益性の高い輸出市場から締め出される〉

 ---------- ---------- 

〈ロシアはインドや中国に輸出先を振り替えたが、単一の買い手として中国は貧弱だ。

欧州では、風力と太陽光を合わせた発電量が昨年初めて、原油と天然ガスを上回った。

ヒートポンプへの補助金や米国でのクリーンエネルギーに対するインセンティブ、電気自動車の普及もある。

ロシアに対する制裁と需要減の累積的効果は強まる。

遅かれ早かれ、化石燃料に対する需要は劇的に減って、原油と天然ガスの価格は持続的に下がるだろう

 〈ソ連崩壊後、ロシアの出生率は女性1人当たり1.2人に下がり、人口維持に必要な2.1を、はるかに下回った。

この戦争で、少なくとも12万人の兵士が死亡した。

他国に逃亡した人数は推計が難しいが、イスラエルに移住したロシア人が3万2000人に上ることを考えれば、総計は100万人前後になるだろう〉

 ----------  

しかも、世界で通用するソフト・エンジニアなどのように、将来のロシアを支える優秀な人材ほど、国の将来を見限って、外国に逃亡している。

 ---------- 

〈暴力犯罪やアルコール消費の増加などは、出生率をさらに下げる。

プーチンは母親への補助金を通じて、なんとか人口減少を鈍化させたが、軍事支出と債務の増大は人口増加政策を難しくする〉

 〈もっとも重要なのは、ロシアの侵略がリベラル民主主義の大義を再活性化させてしまったことだ。

スロベニアやチェコでは、有権者が非リベラルのポピュリストたちを追放した。

ウクライナでは、91%の国民が北大西洋条約機構(NATO)加盟を支持している。

プーチンはウクライナをモスクワの衛星軌道に戻そうとしたが、逆に彼らを西側に追いやってしまったのだ〉

 ---------- ---------- 

〈平和が戻れば、ロシアは経済と人口の減少に直面する一方、ウクライナは西側の新たなメンバーになるだろう。

プーチンはドンバス地方で新たな支配地を獲得するかもしれない。だが、長期的に見れば、そんな獲得物は重要ではない。

ロシアはすでに敗北しているのだ〉

 ---------- 

 西側応援の気分がやや強すぎる感じもあるが、こちらも同じ結論だ。 

 こうしてみると、目先の戦況がどうであれ「中長期的なロシアの敗北は避けられない」という見方で一致している。

ただ、NATO高官は「ロシアは敗北したとしても、同じような野望を持ち続けるだろう。脅威は消えてなくならない」と強調している。

  ドイツのオラフ・ショルツ首相は17日、ミュンヘンで開かれた安全保障会議の冒頭演説で

「長期戦に備えるのが賢明だ。プーチン氏が西側の支援疲れに期待しているなら、計算違いをしている」と強調した。

残念ながら、プーチン氏に、こうしたメッセージは届いていない。

長谷川 幸洋(ジャーナリスト)

水木しげるさん「総員玉砕せよ!」の“事実を超える真実”~戦争による死を美化しない

2023-03-01 15:15:19 | 日記
2020-08-15

水木しげるさん「総員玉砕せよ!」の“事実を超える真実”~戦争による死を美化しない

憲法 戦争と平和 新聞・マスメディア 読書

 8月15日は、日本の敗戦で第2次世界大戦が終結して75年の日でした。わたしが今、危惧するのは、社会で戦争体験の継承が難しくなっていることです。

特に戦没者を「尊い犠牲」と美化し「その上に今日の日本の繁栄がある」と位置付けることは、戦争の実相を覆い隠し、やがては、日本が再び戦争をできる国になることにつながりかねない恐れがあります。

そうさせてはならない、との思いとともに、漫画家の故水木しげるさんの作品「総員玉砕せよ!」のことを書きとめておきます。

 水木さんは陸軍に召集され、ニューギニア戦線ラバウルに出征し、米軍の攻撃で左腕を失ったことはよく知られています。

戦後、代表作の「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめとした妖怪漫画で活躍する傍ら、戦争を題材とする作品群も残しています。「総員玉砕せよ!」はその代表作。あらすじは以下の通りです。 

総員玉砕せよ! (講談社文庫)
  • 作者:水木 しげる
  • 発売日: 1995/06/07
  • メディア: 文庫



 水木さん自身である主人公は丸山二等兵。

昭和18年末、楠木正成に心酔する若い少佐の大隊長に率いられる500名の支隊はニューブリテン島のバイエンに上陸し陣地を構えます。

やがて連合軍の攻撃が始まり、丸山二等兵の上官である中隊長の中尉は、陣地を捨てて高地にこもり、持久戦を展開するよう主張しますが、大隊長は玉砕を主張。

切り込みを敢行した結果、大隊長は戦死しました。

生き残った者は撤退し、重傷を負った中隊長はその途中で自決します。

 ラバウルの本隊司令部では支隊から玉砕の電信を受け、全員死んだものとして大本営にも報告していました。

生存者数十名がいるとの知らせに、「敵前逃亡はラバウル全軍の面汚し」とされ、“処理”のために参謀の中佐が派遣されます。

出発の前夜、バイエン生き残りの軍医の中尉がラバウルを訪れて部下の命乞いをしますが、参謀に面罵され、軍医は自決しました。

 バイエン支隊の生き残りは「生きてはならぬ人間」。

参謀は尋問で2人の小隊長の少尉に生き残ったことを責めます。

2人は逡巡した末に責任を取って自決し、残りの下士官と兵81人は再突撃を行い、全員死にます。

その直前に「玉砕を見届け報告する冷たい義務がある」として引こうとした参謀も流れ弾に当たって死にました。

 あとがきで水木さんは「九十パーセントは事実」と書いています。

実際には再突撃はなく、80人近くが生き延びています。

ウイキペディア「総員玉砕せよ!」によると、「1度目の玉砕で生き残った者たちは、ヤンマー守備隊に編入されて再び玉砕することはなかった。

しかし、元々この配置は次の戦闘で全員突撃して戦死することを強く期待したものであり、結果として以降は本格的な戦闘がないまま終戦を迎えた」とのことです。

また、あとがきで水木さんは「参謀はテキトウなときに上手に逃げます」と書いています。

 しかし軍医は、実在のモデルも自決したとのことです。作中では、参謀とのやり取りがこんな風に描かれています。

 「参謀どの とうてい勝ち目のない大部隊にどうして小部隊を突入させ 果ては玉砕させるのですか」
 「時をかせぐのだ」
 「なんですか 時って」
 「後方を固め戦力を充実させるのだ」
 「後方を固めるのになにも なにも玉砕する必要はないでしょう 玉砕させずにそれを考えるのが作戦というものじゃないですか 玉砕で前途有為な人材を失ってなにが戦力ですか」
 「バカ者―ッ」 ※顔を殴りつける
 「貴様も軍人のはしくれなら言うべき言葉も知ってるだろう」
 「私は医者です。軍人なんかじゃない あなたがたは意味もないのにやたらに人を殺したがる 一種の狂人ですよ もっと冷静に大局的にものを考えたらどうですか」
 「きさま 虫けらのような命がおしくてほざくのか」
 「もっと命を大事にしたらどうですか」
 
 「人情におぼれて作戦が立てられるか」
 「参謀どのッ 日本以外の軍隊では戦って俘虜になることをゆるされていますが どうして我が軍にはそれがないのです それがないから無茶苦茶な玉砕ということになるのです」
 「貴様それでも日本人か」
 「命を尊んでいるだけです」
 「女女しいこというな」
 「女女しくきこえましたか 男らしくなかったですかな」
 「なんだと 貴様 上官に対する言葉を知らんなあ」
 「参謀どの もうやめましょう さっき参謀長どのになぐられましたから」
 「ふん」
 このやりとりの後、軍医は拳銃で自殺します。遺体を前に参謀は「おしいことしたな まだまだ使えたのになあ」とひと言。

「まだまだ使えた」とは、生き残りの八十数人を再突撃させるための役どころがあったということでしょうか。

遺体は火葬され、参謀は遺骨とともに生き残りの部隊のもとへ赴きます。
 わたしの手元にあるのは講談社文庫版の第10刷(2007年7月発行)です。巻末の足立倫行氏の解説によると、最初の玉砕当時、水木さん自身は左腕を失う戦傷で後方に移送されており、戦闘には参加していませんでした。

「総員玉砕せよ!」の構成は、前半が水木さん(=丸山二等兵)が体験した部隊の日常、後半は負傷した水木さんがいなくなった後の部隊の実話であり、最後だけ2度目の玉砕があったように作り変えたということになります。

この方法について、足立氏は「“事実を超える真実”を描くことに成功した」と指摘しています。

フィクション混じりでも、ここに描かれているのは水木さん自身が体験した戦争のリアルなのだろうと思います。

あとがきを水木さんは「ぼくは戦記物をかくとわけのわからない怒りがこみ上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う」と結んでいます。

 この記事の冒頭で、戦没者を尊い犠牲と美化することの危うさを書きました。

具体的に言えば、例えば航空機に爆弾を搭載し、パイロットが敵艦に体当たりを図る航空特攻です。

生還を予定しないことに対して、生みの親とされる大西瀧治郎・海軍中将自身が「統率の外道」と口にしていたとされます。

「総員玉砕せよ!」の中で、水木さんが軍医に言わせた「玉砕させずにそれを考えるのが作戦というものじゃないですか」とは、まさにこのことに通じます。

生身の人間が爆弾もろとも体当たりするしかないところまで追い込まれているのなら、もはやそれは作戦ではありません。

自殺の強要です。

無念の死以外の何物でもないはずです。勝てないどころか、戦争として成り立っていないのですから、そこで終わりにしなければなりませんでした。

無数の無念の死に報いるのは、その死を美化することではなくて、二度と戦争をしないこと、その決意を守り続けることだと思います。

 ことしの8月15日には、安倍晋三内閣の閣僚が4年ぶりに靖国神社に参拝しました。

しかも一挙に4人です。顔ぶれは小泉進次郎環境相、高市早苗総務相、萩生田光一文部科学相、衛藤晟一沖縄北方担当相。

靖国神社には極東国際軍事裁判(東京裁判)で有罪とされ処刑されたA級戦犯が合祀されています。

閣僚の参拝は、いくら「私人の立場」と強調したところで、個人による戦没者の追悼とは違った意味が生じます。

 好むと好まざるとを問わず、日本は事実として敗戦国であり、それを前提に日本は戦後、主権を回復して国際社会に復帰しました。

戦争放棄と軍備不保持を定めた憲法を持つことも、国際的に広く知られ、敬意も受けています。

閣僚の靖国神社参拝は、そうした歴史と立場を日本政府がどう考えているのか、その認識に疑念を生じさせかねません。

中国や韓国が反発するから問題なのではありません。

4人もの閣僚の参拝は、内閣支持率が回復しない中で、岩盤支持層をつなぎとめたいことの表れなのかもしれませんが、戦争による死の美化に通じる危うさがあるように思います。

 ことし秋にわたしは勤務先の通信社を定年退職します。

雇用形態を変えて職場には残ることになりそうですが、マスメディアで働く現役の職業人としての最後の8月を過ごしています。

日本の敗戦で終わったあの長い戦争は、75年たって歴史にしてしまっておしまいではありません。

戦争の同じ体験はできないかもしれませんが、追体験は可能なはずです。

それはマスメディアのジャーナリズムの大きな役割と責任の一つでもあるだろうと、あらためて感じています。

その目的は、戦争をさせないこと、起きてしまった戦争は一刻も早くやめさせることです。

マスメディアの後続世代のがんばりに期待していますし、今後もわたしなりの考察と関わり方を模索していこうと思います。
 
美浦克教 (id:news-worker) 2年前


韓国、「ピンチ」サムスン・スマホ、高級機種でアップルに差開けられ「ソウルで敗北」

2023-03-01 11:50:48 | 日記
味の素VS韓国CJ、MSG特許訴訟がついに決着へ=韓国ネット「いいかげんパクるのやめて」

Record Korea    2023年2月28日(火) 11時0分

26日、韓国・朝鮮日報は「日本の味の素が韓国のCJ第一製糖を相手取り起こした特許侵害訴訟が、今月中に双方の合意の形で終結する見通しだ」と報じた。

2023年2月26日、韓国・朝鮮日報は「日本の味の素が韓国のCJ第一製糖を相手取り起こした特許侵害訴訟が、今月中に双方の合意の形で終結する見通しだ」と報じた。

同紙は日本経済新聞の報道を引用する形で、「CJ第一製糖などCJグループ系列3社が特許の一部侵害を認め、味の素側に和解金を支払う」「和解金の総額は非公表だが、4件で総額40億円と推定される」と伝えている。

味の素は16年、CJグループ3社が自社のうま味調味料製造特許と飼料用アミノ酸「トリプトファン」の製造特許を侵害したとして、日米独の地方裁判所で4件の訴訟を起こした。このうち日本と米国での訴訟3件は既に昨年、和解金を支払う形で終結している。「今回のドイツでの訴訟を最後に、両社間の特許攻防は一段落する見通しだ」としている。

また、記事は

「裁判の争点は味の素のうま味調味料『味の素』をCJグループが模倣したかどうかだった」
「似た味でも製造方法が異なれば問題にならないが、味の素はCJが自社の特許を無断で使用し類似した味を出したと主張していた」と説明している。

ドイツの地裁は20年1月に味の素が保有するグルタミン酸ナトリウム(MSG)の微生物製造技術をCJが無断で使用したと認める判決を下した。

CJはMSG精製後の培地を肥料用として販売していたが、遺伝子配列を調べた結果、味の素が製造時に使用する微生物のDBAと同じものが検出されたという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは
「シャインマスカットとかもそうだけど、いいかげんにパクるのをやめて自分たちで開発したらどうなんだ。みっともない」
「調味料も日本を超えられないのか」
「中国が韓国のものをパクった件数と、韓国が日本のものをパクった件数、どっちが多いだろうな」
「みっともない話だけど、20~30年前、韓国は日本のまねばかりしていたよね」
「企業は日本の製品や技術を堂々と模倣していた。出版物、研究論文、ドラマ、バラエティー番組、漫画、手当たり次第だった」
「韓国人が韓国オリジナルだと思っている製品10種のうち9種は日本の物のパクリだよ」
「韓国の産業技術のうち95%以上が日本の技術だ」
などのコメントが寄せられている。

また「認めるべきことは認めよう」「日本を認め、韓国は韓国の道を進まなければいけない」「多くの製品を模倣して成長してきたことを認めて、今からでも創意的に味の素を超えていけばいい」といった声も見られた。

(翻訳・編集/麻江)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。






「文在寅現象」の落日…韓国の新聞が「反日への反省」を語りはじめたウラに、「日本アニメ」の意外すぎる実力があった!

2023-03-01 11:42:36 | 日記
「文在寅現象」の落日…韓国の新聞が「反日への反省」を語りはじめたウラに、「日本アニメ」の意外すぎる実力があった!

2/24(金) 7:32配信

韓国「反日運動」の落日


 韓国の主要紙、朝鮮日報と中央日報は韓国における反日運動の落日を印象付ける記事を掲載している。

  朝鮮日報は「『何が何でも反日』にNO・・・韓国で興行不振続く抗日映画」と題する記事を掲載している。 

 中央日報は、「[朝鮮半島平和ウォッチ]真の独立を拒む対日被害者意識」と題する、高麗大学政治外交学科・朴鴻圭(パク・ホンギュ)教授の寄稿を掲載している。 

 これまで、The First Slum Dunk の興行成績が好調であるという、日本に親しみを示す韓国国民の動向を報じる記事は多かったが、反日が時代遅れだ、いつまでも反日にとらわれるべきでない、とする記事が出回ったのは新しい傾向である。 

 筆者はこれまで、韓国において日本に対する好感を抱く人々が増えたことから、積極的に反日を唱える人は減ってきたとコメントしてきた。

その一方で積極的に反日を唱える人を批判できないのが韓国の反日運動の原動力になってきたとも述べた。

  今後、反日が批判の対象になっていけば、元慰安婦や元朝鮮半島出身労働者(いわゆる「元徴用工」)問題などで日本を一方的に非難し、いつまでも日本の謝罪にこだわる動きに変化が起きるかもしれない。

  これまで日本は、朝鮮半島の統治時代に関連して再三謝罪してきたが、韓国でこれを受け入れない人々がいたため、いつまでも謝罪を要求する声が絶えなかった。  

日韓関係が良くなるためには日本に好感を抱く層が増えると同時に、反日や嫌韓を煽る人々を抑える必要がある。少しずつではあるがその方向に向かっているのかも知れない。

韓国人の40%が日本に好感


政権交代は、韓国を変えた…

 日本の公益財団法人・新聞通信調査会が18日、昨年11-12月に行った調査結果を発表した。

これによると日本に好感と関心を持つという韓国人の割合が目に見えて高くなったという。 

 日本に対し「好感が持てる」と回答した韓国人の割合は前回2021年11-12月の調査に比べ8.7ポイント高い39.9%だった。

  これまで、日本に好感が持てるかどうかの調査を行えば70-80%の人が好感を持てないと答えるのが通例だった。

韓国には、国民感情として日本に好感が持てると答えるのを躊躇する雰囲気があった。 

 韓国での対日好感度上昇について、調査担当者は時事通信の取材に「訪日客の増加や(韓国で)尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足により日韓関係修復の兆しが出てきたことを理由に挙げた。 

 韓国人の対日好感度を象徴するのが、最近の例では訪日韓国客と日本のアニメ映画の人気である。 

 では、「反日運動」は本当に消え去ってしまったのだろうか。

  さらに後編記事『韓国で「反日映画」に閑古鳥が鳴いている・・・文在寅の「反日強要」の現実と、国民の「反日疲れ」の意外すぎる真実』では、韓国の反日が「時代遅れ」となりつつある現実と、一方で韓国社会に「反日」が染みついた理由を詳細に見ていこう。

武藤 正敏(元駐韓国特命全権大使)