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韓国ウォン高/中国の輸出競争力上昇と日本の円安の3重苦へ

2013年01月19日 20時01分20秒 | Weblog

韓国ウォン高/中国の輸出競争力上昇と日本の円安の3重苦へ
2013年1月16日
筆責、MO。

韓国はサムスンだけの国ではない(2011年韓国GDPの18%、輸出の21%)。

しかし、輸出企業で保たれている国であることには間違いない(GDPの半分が輸出によるもの)。

それもこれまでのウォン安政策に支えられて利益を享受して経済発展を遂げてきた。

そ の韓国で、(韓国の報道によると)輸出競争力が強いだけに世界から韓国経済が認められ、世界の投資家がウォン買いしてウォン高基調に至っているという。

し かし、韓国の内実は、輸出先の欧州経済や同じ影響を受けている中国経済の成長鈍化により、広範囲な輸出企業の成長が鈍化している。

その結果、韓国経済全体の成長も鈍化、不動産バブルの崩壊もあり、内需は厳しい状況に追い込まれている。

決して弱音を吐かない韓国であるが、最近の新聞論調はウォン高に悲鳴を出し始めている。

韓国の輸出産業をリードしてきたのは、IT、造船、鉄鋼、自動車産業であった。しかし、ウォン高の影響を殆ど受けないとされるのは、競争力を持つサムスンとLGくらい。

現代自動車も欧米で強いが、燃費ごまかしの影響とウォン高で本年はマイナス販売台数が予想されている。

鉄鋼は、内需が少ない韓国メーカーにとって、今後、国策により巨大生産国となった中国が輸出でも台頭、大きな痛手を受けるものと思われる。

造船も既に中国が台頭して筆頭となっており、日本企業も中国に造船場を構え中国から輸出、日本にある造船会社も東南アジアから部材調達して日本で組み上げる方式を採用してコストダウンをはかっている。

中国の造船業界の成長、日本にあってはドルに対して円安・韓国にあってはウォン高となっていることから、韓国の造船メーカーは、ますます窮地に追い込まれるものと推量される。

こうして、日中韓の関係は、それぞれの経済的な依存度を増しているものの、中国の国策効果は、既にIT分野の太陽光発電セルに見られるように、半導体やLTE通信機器分野、化学、鉄鋼分野などにおいて、世界を凌駕するほどまで成長してきている。

その影響を一番受けやすいのが、内需が小さい韓国となってしまう。おまけにウォン高・円安により日本との輸出競争力も弱体化する。

一方、韓国の国内経済は、輸出産業全体の低迷、江南バブル崩壊による不動産を中心とする個人の借金問題、若手失業者問題(ILO方式20%超)、内需不足問題などから低迷している。

日本は韓国からの輸入は少なく2011年は396億80百万ドルであったが、2010年の281億76百万ドルから円高もあり急増していた(韓国の対日輸出割合7.1%)。そうした対日においても対日輸出が減少するものと思われる。

竹島問題やウォン高から日本の韓流おばちゃんも渡韓が急減、百貨店も閑古鳥が鳴くほど販売低迷しているというのが、韓国のお国事情である。

これまで韓国では輸出企業の競争力を高めるためウォン安政策を取ってきたため、輸入品価格が高くなり、不景気の中で内需低迷の原因にもなっていた。

しかし、一転、ウォン高となり、輸入品は安く入り、内需が復活する要素はある。
ところが、同国はGDPに占める輸出割合が半分を占め、輸出が更に低迷すれば経済そのものが低迷することにより、ウォン高による輸入価格の低減を利益として享受できなくなるおそれがある。

以上、韓国経済はウォン高に至り、今後の政策次第では、前門の中国、後門の日本により窮地に陥る可能性を大きく秘めている。


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