北大路機関

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IAEA国際原子力機関査察団ザポリージャ原発へ,ロシア軍の原発搬入重装備は"BM-21多連装ロケット砲"か?

2022-08-30 07:00:04 | 防災・災害派遣
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ロシア軍がウクライナの原子力施設を盾として重装備を搬入、周辺地域を攻撃しているという状況ですが持ち込まれた装備について報道から推測してみました。

 IAEA国際原子力機関の原発査察団がグロッシ事務局長を団長として出発しました、目的は原発の現状を把握し原発所員等に不当な圧力がかけられていないかを確認する為です。ザポリージャ原発、戦闘地域の占領下という原発施設へのIAEA査察、特にIAEAに無局長自らの査察は異例中の異例で過去に例は無い、しかし事故の懸念を受けての緊急措置です。

 ロシア軍が占領しているザポリージャ原発では、ロシア軍重装備が配備され周辺をウクライナ軍が反撃できない原子力施設からの攻撃拠点として利用していと考えられています。BBCによればこの根拠として、ドニエプル河畔にあるザポリージャ原発、対岸はウクライナ軍が維持しているのですが此処への攻撃を挙げた。しかし、配備されている重火器とは。

 ドニプロペトロウシク州ニコポリ、ウクライナが維持するウクライナ本土のドニエプル川西岸地域はロシア軍の継続的なロケット弾攻撃に曝されていて、これもBBC報道によるものですが一晩で120発のロケット弾が撃ち込まれるという、このロケット弾はザポリージャ原発のある南東部エネルホダルから飛来しているのが、ロシア軍陣地化の根拠という。

 タービン建屋内に複数のロシア軍車両、原発タービン建屋内の映像としてSNSに18日頃から投稿された画像には、CNNがザポリージャ原発タービン建屋内であるとのファクトチェックを行った映像としてロシア軍の輸送車両と判別不能の車両などが少なくとも5両と天幕の様なものが確認されています。ロシア軍陣地化の可能性をどうみるべきでしょうか。

 BM-21多連装ロケット、考えられるのはニコポリへのロケット弾攻撃の規模で、“多い時で一晩120発”というものです。この120発、ロシア軍がソ連時代の1960年代から標準的なロケット砲として使用しているBM-21,これはトラックに発射筒を搭載したものですが、122mmロケット弾を40連装している、仮にBM-21が一両あれば一晩で120発は可能だ。

 衛星写真では確認が難しいザポリージャ原発のロシア軍基地化についてですが、要塞化のような無限の電力を悪用した砲兵旅団という大それたものではなく、またそれほど深い事を計画する程度でも無く、実際にはロケット砲兵中隊規模の部隊が駐屯し、しかし反撃を受けない原子力施設のいわば核の盾の中で攻撃している、こうした状況が考えられるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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