北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】中部方面隊創隊五〇周年記念祭【2】荒川龍太郎総監に敬礼(2010-10-17)

2020-10-18 20:04:14 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■大阪府知事,兵庫県知事の祝辞
 中部方面隊創設50周年記念行事伊丹駐屯地祭がいよいよ開始されました。荒川総監が整列した部隊を巡閲します。

 中部方面総監の担当管区は陸上自衛隊の北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、西部方面隊をふくめた5方面隊でもっとも広い。東海北陸地方、京阪神近畿地方と紀伊地区に山陽山陰地方と中国地方に四国、なるほど地方を列挙するだけでも、その広大さが伝わる。

 訓辞と祝辞。国旗とともに旗衛兵は64式小銃を装備しています。2010年の行事ということで当時は陸上自衛隊で64式小銃が現役でした、支援部隊でもまだ89式小銃が配備されていない時代、数年前までは戦闘部隊でも64式小銃が残っている、そんな時代でした。

 橋下徹大阪府知事の祝辞。橋下府政は、当時これはポピュリズム政党なのか新保守の新しい流れなのかが未知数でした、ただ、この2010年当時は維新系統よりも自民党から政権交代した民主党がポピュリズム政党となっていまして、先進国でも早い時代に経験している。

 橋下府知事の祝辞が続く。民主主義の難点は意見集約と政策立案に政治実行という政治プロセスの正当性と正統性の時間がかかる点、独裁政治は迅速ですが正統性と正当性を欠く、しかしポピュリズムは朝三暮四で民主主義と独裁政治の難点とを包含し支持を集めている。

 井戸兵庫県知事の祝辞。2001年から2020年も知事の要職に。自治官僚、自治官房審議官を経て阪神大震災翌年から兵庫県副知事をつとめ、貝塚兵庫県知事の辞職をうけて選挙により知事となりました。貝塚知事は阪神大震災の自衛隊出動遅れを批判している筆頭です。

 井戸県知事の祝辞が続く。貝塚知事、実は阪神大震災において自衛隊災害派遣要請は県知事の権限であると把握せず、県防災訓練に自衛隊を参加させていなかったことで有名でして災害時優先電話制度も知らず批判され、逆に自衛隊は自主的に出動すべきという論調に。

 観閲行進準備の号令が掛かり方面総監部先任曹長らが一斉に駆け足へ。ところで貝塚知事時代、伊丹駐屯地祭祝辞は京阪神知事もちまわりなのですが、貝塚知事は本人がここで祝辞を述べたことはあるのでしょうか、なにぶん当方も90年代記念行事は知りませんので。

 連隊旗が4振り並びますとなかなかに壮観、観閲行進待機位置へ向かう。方面隊行事ということで、第3師団、第10師団、第13旅団、第14旅団、中部方面隊隷下部隊の師団と旅団から普通科連隊が連隊長と一部の中隊を代表で参加する、という方式を採っています。

 中部方面情報隊の観閲行進準備へ、64式小銃が今となっては懐かしい。新編が2010年というこの部隊ですが2010年代には師団や旅団に情報隊が置かれ、スキャンイーグル無人偵察機を装備する事例も、偵察隊は偵察戦闘大隊に強化され、情報重視時代を迎えている。

 第3特殊武器防護隊の除染車が観閲行進に先立ち高圧で経路に散水する。迫力ある情景で、ただ注意しなければならないのは化学兵器を中和するべく本当に高圧放水なので、目の前に除染車が通過するときには気を付けないとカメラも自分も濡れてしまう、ということ。

 ヘリコプター編隊15機が遥か摩耶の山頂その奥を飛行しています、ここに海上自衛隊ヘリコプターと航空自衛隊ヘリコプターを編隊に加えて後に編隊飛行を披露するのですが、まだしばらく先の祝賀飛行までは伊丹空港航空管制と重ならないよう兵庫の山間部を飛ぶ。

 中部方面音楽隊が入場、隊長酒井伊知郎3佐は東京芸大大学院出身だ。日本では数少ない、音楽だけで生計が成り立つという職業ともいう。大阪市音楽団も行政の無駄として2014年に解散し現在はOSWOとして公益社団法人へ、日本は芸術を理解している方が少なすぎる。

 観閲台の背景を飛行するヘリコプター編隊、流石にこれから始まる観閲行進を前に摩耶山の方角に注目している人はいないようです。薄っすらとヘリコプターの編隊が、しかしAFが機能する程度に見えるという意味は一つ、今日は素晴らしく天気がよい、ということ。

 府県旗入場、伊丹駐屯地ではこの府県旗行進撮影位置を大事にしている。まえは21府県旗が一列に行進しました。中部方面隊管内には2府19県、全国土の30%を担当し、第3師団管区では、京都府、滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の府県旗が行進してゆく。

 第3師団管区の府県旗、第10師団府県旗に続いて。第10師団管区では愛知県旗、岐阜県旗、三重県旗、石川県旗、福井県旗、富山県旗が行進する。第3戦車大隊の隊区である滋賀は戦車大隊偵察隊統合により伊丹に移るため、滋賀県が第10師団管区になるのだろうか。

 第13旅団管区の府県旗、第13旅団は方面隊最大の管区を担当しています。第13旅団は、広島県旗、岡山県旗、山口県旗、島根県旗、鳥取県旗、が続きます。第13旅団は自衛隊初の旅団として第13師団から改編、その直後に北朝鮮へ日本海側脅威度が高まった、という。

 第14旅団管区の府県旗、香川県旗に徳島県旗と高知県旗に愛媛県旗が、旅団前身の第2混成団創設までは四国は第13師団の管区であり、この広大な管区を防衛するために第13師団の飛行隊は固定翼機を装備していました。徳島県旗は徳島と明記してありわかりやすい。

 82式指揮通信車3両が並び第3師団藤崎護師団長が敬礼します。伊丹駐屯地の所在する兵庫県伊丹市には少し離れて千僧駐屯地に第3師団司令部が置かれています、また、師団隷下の第36普通科連隊や第3偵察隊などはここ伊丹駐屯地に駐屯し、現代の軍都といえる。

 藤崎師団長は第3師団長に続き中央即応集団司令官へ補職されました。中央即応集団は陸上総隊の創設により幕僚機構を移管する形で解散し隷下部隊を総隊直轄部隊へ移管しています、第1空挺団や中央即応連隊と第1ヘリコプター団など空中機動旅団といえる編成だ。

 藤崎師団長と82式指揮通信車を、複数の無線機と作業机を有する車両です、現代ではデジタル機器用に電源や空間、もう少し容量がほしい。この構図は個人的にらしさがでているとおもいまして、82式指揮通信車数多写真の中でも屈指の出来とおもうのですが、いかが。

 第50普通科連隊の観閲行進、徒歩部隊と機械化部隊という行進のながれで進む。第50普通科連隊は第14普通科連隊に二つ目の普通科連隊として創設、それまでは第15普通科連隊を基幹とした混成団時代の編成延長、その連隊も今や第15即応機動連隊となっています。

 連隊旗とともに敬礼を。第14旅団は第15普通科連隊と第50普通科連隊より編成されますが2018年に旅団は第15普通科連隊を第15即応機動連隊へ改編、第50普通科連隊は在来型の普通科連隊編成となっています。ある意味方面航空隊と協力すれば機動力を高め得る。

 石田和成連隊長、第50普通科連隊は2006年新編で石田連隊長は三代目の連隊長となります。新編は善通寺駐屯地で行われ、高知駐屯地に移駐、以前は沿岸部に第14施設中隊の駐屯地がありましたが連隊駐屯にあわせて高台に大きな駐屯地を造営、高知県からの要望も。

 普通科隊員の徒歩行進、中隊長は9mm拳銃を装備しレッグホルスターに。9mm拳銃P-220を装着しています、通常のホルスターとことなりレッグホルスターは素早い運動にじゃまになりそうな印象で、実際、在来型のベレッタ社製ホルスターなどは素早く抜きやすい。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【防衛情報】アメリカAMPV装... | トップ | 【防衛情報】アメリカLCS計画... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

陸上自衛隊 駐屯地祭」カテゴリの最新記事