■防衛フォーラム
アメリカ海兵隊に関する話題について沖縄県や太平洋地域の話題を中心にみてみましょう。
アメリカ海兵隊は日本の沖縄県にACV水陸両用戦闘車配備を開始しました。これは6月28日にアメリカ海兵隊が発表したもので、アメリカ軍の那覇軍港より到着した車両はキャンプシュワブへ向かうべく整備を行っているとのこと。ACVは既にフィリピンで行われたバリカタン演習に参加しており、第3海兵師団に配備された車両です。
ACV水陸両用戦闘車はイタリアのイヴェコスーパーAV装輪装甲車を原型としてイギリスのBAEシステムズ社が開発したもの、アメリカ海兵隊のAAV-7両用強襲車の後継車両として配備が開始されています。当初はリーフを超える際に装軌式でない点が不安視されていましたが、戦略機動性と海上性能の高さはこれを補って余りあるとのこと。
AAV-7両用強襲車の後継装備について、アメリカ海兵隊はフォースデザイン2030により、従来の水陸両用戦部隊としての編成から1940年代初頭の沿岸砲兵部隊への回帰を発表し、これによりインド太平洋地域でのミサイルや無人機を駆使した中国軍との正面からの対決に備えていますが、こうした中でACV水陸両用戦闘車は配備が継続されている。■
ACV水陸両用戦闘車について。自衛隊が水陸両用車としてAAV-7両用強襲車を導入した際には時代遅れの装備、といわれていましたが、当時このACVは評価試験中で、導入を五年程度遅らせる事が出来ればこのACV水陸両用戦闘車を導入できた可能性があり、しかしそれ程当時悠長な状況であったのかという時際的な問題認識を持つひつようがありました。
AAV-7両用強襲車、自衛隊の選択肢としては正しかったといいますか、2010年代半ばに選択できる装備といえば、EFV海兵遠征車両は中止されていましたし、まさか中国の05式水陸両用装甲車に対抗出来る装備を2010年代の内に国内開発する事も出来ません、ただ、ACV水陸両用戦闘車がACV30として機関砲搭載型を開発している原罪を見ていますと。
ACV30はコングスベルク社製30mm機関砲型RWS遠隔操作銃搭を搭載した装甲車で、これはストライカー装甲車に搭載すると如何にも大き過ぎる印象ですがACVの倍は大きさは丁度良く、また水上から沿岸部目標と不期遭遇した際に対応が可能で、AAV-7の数が揃ってきました今だからこそ、ACV30については採用を検討するべきなのかもしれません。■
アメリカ海兵隊はペリリュー飛行場の再活性化を行いました。ワスプ級強襲揚陸艦のペリリューではなく、第二次世界大戦中の激戦地となったパラオ諸島のペリリュー島にある飛行場です。着陸は2024年6月、今回この飛行場を整備させたのはインド太平洋地域での中国軍への対抗を念頭とした戦力投射能力強化が主眼とされています。
海兵沿岸連隊の新編などアメリカ海兵隊は太平洋島嶼部での戦闘を念頭に改編を進めていますが、中でもKC-130Jは戦車や火砲に水陸両商社部隊などが廃止や削減される中で数少ない増強される部隊であり、アメリカ海兵隊はこうした地域にHIMARS高機動ロケットシステムや地対艦誘導弾部隊などを展開させる手段として運用する計画です。
KC-130Jスーパーハーキュリース空中給油輸送機が今回着陸したもので、所属は第1海兵航空団、飛行場の再生には第 1 海兵兵站群第 7 工兵支援大隊パラオ海兵隊工兵派遣隊が実施し植物などを除去、課題であったのは大量の不発弾で、戦闘工兵小隊がその処理に当たりました。KC-130Jがパラオに着陸したのは今回が初めてとのことでした。■
アメリカ海兵隊は長距離航空作戦に対応する新しい航空管制方式へ改編します。具体的には2026年に戦術航空作戦センター航空管制員と直接航空支援センター航空管制員を統合し、海兵航空部隊の管制官は航空基地勤務課前線航空管制を行うかという区分を廃止し、双方の任務に対応できるように改編、前線航空統制要員も統合するという。
戦術航空作戦センター航空管制員と直接航空支援センター航空管制員を統合する試みは、同時に2025年に予定される防空システム改良に併せるものとなり、海兵隊はこれまで強襲揚陸作戦への近接航空支援という限られた任務に対応するAV-8Bハリアー攻撃機の後継として、より運用能力の幅が広いF-35B戦闘機を大量配備してゆくこととなります。
F-35B戦闘機は第五世代戦闘機であり、より広範囲の航空作戦を展開できるよう成るため、より空軍的な任務を担う以上、戦域航空統制についても従来の前線航空統制員よりも進んだ能力が求められます。戦術航空作戦センター航空管制員と直接航空支援センター航空管制員を統合する背景には、後方と前方の境界線が転換期にあることを象徴しました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
アメリカ海兵隊に関する話題について沖縄県や太平洋地域の話題を中心にみてみましょう。
アメリカ海兵隊は日本の沖縄県にACV水陸両用戦闘車配備を開始しました。これは6月28日にアメリカ海兵隊が発表したもので、アメリカ軍の那覇軍港より到着した車両はキャンプシュワブへ向かうべく整備を行っているとのこと。ACVは既にフィリピンで行われたバリカタン演習に参加しており、第3海兵師団に配備された車両です。
ACV水陸両用戦闘車はイタリアのイヴェコスーパーAV装輪装甲車を原型としてイギリスのBAEシステムズ社が開発したもの、アメリカ海兵隊のAAV-7両用強襲車の後継車両として配備が開始されています。当初はリーフを超える際に装軌式でない点が不安視されていましたが、戦略機動性と海上性能の高さはこれを補って余りあるとのこと。
AAV-7両用強襲車の後継装備について、アメリカ海兵隊はフォースデザイン2030により、従来の水陸両用戦部隊としての編成から1940年代初頭の沿岸砲兵部隊への回帰を発表し、これによりインド太平洋地域でのミサイルや無人機を駆使した中国軍との正面からの対決に備えていますが、こうした中でACV水陸両用戦闘車は配備が継続されている。■
ACV水陸両用戦闘車について。自衛隊が水陸両用車としてAAV-7両用強襲車を導入した際には時代遅れの装備、といわれていましたが、当時このACVは評価試験中で、導入を五年程度遅らせる事が出来ればこのACV水陸両用戦闘車を導入できた可能性があり、しかしそれ程当時悠長な状況であったのかという時際的な問題認識を持つひつようがありました。
AAV-7両用強襲車、自衛隊の選択肢としては正しかったといいますか、2010年代半ばに選択できる装備といえば、EFV海兵遠征車両は中止されていましたし、まさか中国の05式水陸両用装甲車に対抗出来る装備を2010年代の内に国内開発する事も出来ません、ただ、ACV水陸両用戦闘車がACV30として機関砲搭載型を開発している原罪を見ていますと。
ACV30はコングスベルク社製30mm機関砲型RWS遠隔操作銃搭を搭載した装甲車で、これはストライカー装甲車に搭載すると如何にも大き過ぎる印象ですがACVの倍は大きさは丁度良く、また水上から沿岸部目標と不期遭遇した際に対応が可能で、AAV-7の数が揃ってきました今だからこそ、ACV30については採用を検討するべきなのかもしれません。■
アメリカ海兵隊はペリリュー飛行場の再活性化を行いました。ワスプ級強襲揚陸艦のペリリューではなく、第二次世界大戦中の激戦地となったパラオ諸島のペリリュー島にある飛行場です。着陸は2024年6月、今回この飛行場を整備させたのはインド太平洋地域での中国軍への対抗を念頭とした戦力投射能力強化が主眼とされています。
海兵沿岸連隊の新編などアメリカ海兵隊は太平洋島嶼部での戦闘を念頭に改編を進めていますが、中でもKC-130Jは戦車や火砲に水陸両商社部隊などが廃止や削減される中で数少ない増強される部隊であり、アメリカ海兵隊はこうした地域にHIMARS高機動ロケットシステムや地対艦誘導弾部隊などを展開させる手段として運用する計画です。
KC-130Jスーパーハーキュリース空中給油輸送機が今回着陸したもので、所属は第1海兵航空団、飛行場の再生には第 1 海兵兵站群第 7 工兵支援大隊パラオ海兵隊工兵派遣隊が実施し植物などを除去、課題であったのは大量の不発弾で、戦闘工兵小隊がその処理に当たりました。KC-130Jがパラオに着陸したのは今回が初めてとのことでした。■
アメリカ海兵隊は長距離航空作戦に対応する新しい航空管制方式へ改編します。具体的には2026年に戦術航空作戦センター航空管制員と直接航空支援センター航空管制員を統合し、海兵航空部隊の管制官は航空基地勤務課前線航空管制を行うかという区分を廃止し、双方の任務に対応できるように改編、前線航空統制要員も統合するという。
戦術航空作戦センター航空管制員と直接航空支援センター航空管制員を統合する試みは、同時に2025年に予定される防空システム改良に併せるものとなり、海兵隊はこれまで強襲揚陸作戦への近接航空支援という限られた任務に対応するAV-8Bハリアー攻撃機の後継として、より運用能力の幅が広いF-35B戦闘機を大量配備してゆくこととなります。
F-35B戦闘機は第五世代戦闘機であり、より広範囲の航空作戦を展開できるよう成るため、より空軍的な任務を担う以上、戦域航空統制についても従来の前線航空統制員よりも進んだ能力が求められます。戦術航空作戦センター航空管制員と直接航空支援センター航空管制員を統合する背景には、後方と前方の境界線が転換期にあることを象徴しました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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