北大路機関

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YS-11EA電子訓練機の迷彩新塗装 入間基地航空総隊司令部飛行隊電子戦支援隊所属機

2013-10-03 22:51:49 | 先端軍事テクノロジー

◆対電子戦訓練が任務、新迷彩塗装のYS-1EA

 かなり前からあるのだけれども、当方には未見の装備というのは、やはり多々あります。そのうち、一機種、旧塗装は撮影したのですが新塗装は初めて、という写真をご紹介しましょう。

Yimg_9078 YS-11EA電子訓練機の迷彩塗装、言わずと知れた戦後初の国産旅客機YS-11の自衛隊仕様、入間基地に所在する航空総隊司令部飛行隊電子戦支援隊所属機です。旧塗装は数年前に撮影したことがあるのですが、2009年頃より迷彩塗装へ変更され、今回、少々粗い画像ではありますが高高度を往く機体を撮影することが出来ました。ようやく撮影、ですがYS-11EAは航空自衛隊に2機しか配備されていないため、こちらまで飛行することは稀で、致し方ありません。

Yimg_9098 航空総隊司令部飛行隊電子戦支援隊の任務は、2機のYS-11EAと1機のEC-1を以てレーダーサイトや航空部隊、防空部隊に対し電子妨害を掛けることでこれら部隊の対電子戦能力向上の訓練支援にあたることにあります。従って、機内には妨害電波などの発信装置が搭載され、機体右翼基部から後部胴体にかけ、電子戦装置の発電動力装置排気口が見えます。その昔はC-46輸送機をレドーム追加など改造し、電子戦訓練支援任務に充てていましたが、C-46輸送機の老朽化によりYS-11が配備されました。

Yimg_9140 実際に妨害電波を発信し、実戦的な訓練を行う部隊の航空機ですが、余り真面目にやり過ぎると、基地周辺のテレビ画像や携帯電話などの通信電波を遮断、本気を出せば家庭用パソコンなどが破損しかねないため、運用は慎重を期し、それ以上の規模の訓練は本土から離れたところで実験されている、とされています。どちらにせよ、航空祭では見れないもの。もっとも、入間基地が春に実施している滑走路ウォーキングなどの開放行事では滑走路沿いに置かれていることもあるようです、平日に入間基地近くで撮影すれば意外と見えるとのこと。

Yimg_9367 こちらが2009年2月に撮影したYS-11EAの旧塗装です。なお、よく似た機体として入間基地には航空総隊司令部飛行隊電子測定隊のYS-11EB電子情報収集機があります。YS-11EBは4機配備されており、当方にとり実は写真でしか見たことが無い未見機で、塗装はYS-11EAの塗装と似ており、実のところYS-11EBのほうがその任務の特性上先に迷彩塗装とされていました。。電子情報収集機とありますが、これは即ち電子偵察機であることを意味し、我が国周辺での軍用電子情報を傍受し、有事の際の電子戦に備えており、一説にはかなり遠くまで飛行しているもよう。

Yimg_0129 こちらは入間基地航空祭で撮影したYS-11FC,飛行場の航法装置などの飛行点検を行う航空機で3機が配備されています。このほか、航空自衛隊にはYS-11P人員輸送機が4機、海上自衛隊も輸送機としてYS-11を採用しています。YS-11は既に我が国では民間航空路線からは引退した過去の航空機で、国土交通省のl期待も運用終了、海上保安庁では運用が続けられていますが全体で残りは僅か。自衛隊機も将来的にC-2輸送機派生型やC-130中古機、機体容積の面では開発中のMRJ改造機等、に置き換えられることとなる機体ですので、初の国産旅客機最後の頑張りを見守りたいですね。

北大路機関:はるな

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コメント (3)
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