北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

日米共同訓練(国内における米海兵隊との実動訓練):饗庭野で第三師団と第三海兵師団参加

2013-10-06 16:38:06 | 防衛・安全保障
◆MV-22本土での日米訓練へ初参加
 防衛省によれば、明日7日から18日まで、滋賀県饗庭野演習場において日米共同訓練、国内における米海兵隊との実動訓練が実施されるとのこと。
Thimg_7584 今回の日米共同訓練の目玉はMV-22です。日本本土での訓練、特に日米共同訓練において初めてMV-22が参加する点で、詳しくは後述しますが、第三飛行隊の所属と考えられるUH-1が訓練に参加しますので、MV-22は野整備隊を饗庭野へ展開させ整備支援を行うのか、第三飛行隊の八尾駐屯地、近傍の海上自衛隊舞鶴航空基地か航空自衛隊小松基地を拠点とするのか、野外整備性という面から興味深いものがあります。
Nimg_2043 日米共同訓練には陸上自衛隊より中部方面隊第3師団が参加し、米海兵隊からは在沖米軍の第3海兵師団が参加、統裁官は第3師団長鈴木純治陸将と第3海兵師団ヘルマンSクラーディ少将が任務に当たります。特に陸上自衛隊と米海兵隊が独自の指揮系統に基づいて共同作戦を展開する連携を演練するとされ、実動部隊がこの練成にあたります。
Simg_9989 続いて再来週からは、王城寺原演習場において陸上自衛隊第9師団と米陸軍第25軽歩兵師団との間で日米共同訓練が行われますので、米軍との共同訓練は海兵隊に陸軍にと継続的に実施されることとなります。併せて、自衛隊の演習として北部方面隊第11旅団が東部方面隊管区への連隊等協同転地演習を行いますので、比較的特筆できる内容の演習が続く10月、となりました。更に中央観閲式も行われますね。
Eimg_6041 陸上自衛隊と海兵隊の日米共同訓練、実動部隊は信太山駐屯地の第37普通科連隊より1個中隊150名、第3海兵師団第3海兵連隊第3海兵大隊より2個中隊基幹の180名が参加し、日本側は89式小銃やMINIMI分隊機銃、81mm迫撃砲と120mm重迫撃砲、それに航空機としてUH-1が参加し、米海兵隊からはM-16A4小銃やM240中機関銃、60mm迫撃砲に航空機としてCH-53及びMV-22が参加すると発表されました。
Uimg_9385 前述の通り、MV-22が本土での訓練に供されるのは今回が初めてで、一方、陸上自衛隊からはUH-1が参加することとなっていて、米海兵隊も在沖米軍のUH-1の派生型として従来のUH-1NをUH-1Yへ置き換えています。MV-22は防衛省が関心を示している機体ですが、これまでの機体の後継となるのではなく、AH-1S対戦車ヘリコプター導入以来30年ぶりの全く運用の想定が異なる機体ですので、多機種の連携要領についても今回の訓練で参考となる点があるやもしれません。
Iimg_9937 また、CH-53の参加も明示されていますが、陸上自衛隊はこの種の重輸送ヘリコプターに相当する機体としてCH-47輸送ヘリコプターを装備しています。併せて将来的にMV-22の導入を調査検討開始していますので、双方の運用連携要領も関心事として大きいでしょう。更に付け加えれば、我が国がMV-22を導入する際に如何にして火力支援や護衛を行うのか、海兵隊のようにAV-8Bや将来的にF-35を導入する可能性はあるのか、この点護衛については悩みどころでしょう。
Gimg_6392 他方、主要装備として日本側に対し、米側の装備が陸上自衛隊では順次廃止された7.62mm機関銃や、かつて装備されつつも廃止された一方携行し即応火力として用いることが可能である点が再評価された60mm迫撃砲を参加させている点で、今年度予算に陸上自衛隊は60mm迫撃砲を盛り込んだため、その特性も共同訓練により第一線部隊同士で再確認されることも望まれる。
Img_2421 例年の方式では、日米訓練開始式をおこない、その後各種機能別訓練、携帯火器や迫撃砲の射撃に市街地と野戦での各種近接戦闘や障害対処などを機能別訓練を実施、これには空中機動も今回の装備からふくまれ、続いて最後に総合訓練として一連の流れを同時に展開する方式が採られると考えられます。毎年行われる海兵隊との日米共同訓練、年々装備が強化されていますね。
北大路機関:はるな

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コメント (7)
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