北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

信越本線柿崎~柏崎駅間 新潟中越沖地震被害から運転再開

2007-09-13 13:32:48 | コラム

■JR東日本信越本線復旧記念 日本海特集

 2007年7月16日1013時、新潟県沖を震源とするマグニチュード6.8の大型地震が発生。この新潟中越沖地震により、最大深度は6強。死者11名、負傷者1300名以上、建造物全壊は1082棟に及び、リケン柏崎工場の被災が自動車工業全般に影響、柏崎刈羽原発三号炉関連設備からの火災や北陸自動車道の柿崎付近にて道路損傷、国道8号線、352号線が土砂崩れにより不通となった。

Img_4945  新潟中越沖地震の影響を長く印象付けたのは、環日本海縦貫線と呼ばれる日本海側の鉄道網への被害である。これにより、JR西日本やJR東日本から運行される寝台特急や寝台急行が全面運休となり、主要駅の電光掲示板では、運行休止の表示が長く表示されたままであった。

Img_4948  これは、JR信越線の青海川駅付近での大規模な土砂崩れにより線路が埋まってしまい、更に地震による振動や液状化現象により軌道崩壊が生じていたため、柿崎駅と柏崎駅の間が運休となり、代行バスが運行されていたためである。何分、海に近い青海川駅のすぐ隣、山が地滑りに近い状態で崩れ、日本海に土砂が流れ込んだ為復旧工事は困難を極めたと容易に推測できる。

Img_4949  東日本旅客鉄道新潟支社()によれば、この信越線不通区間における復旧工事が終了し、本日の始発から運行が再開されたとのことである。復旧区間では安全の観点から通常よりも速度を落としての運行との事で、ダイヤの遅延が生じているとのことだが、路線復旧によりこれも順次平常運転にもどることだろう。

Img_4952  こうして、日本海側の鉄道輸送が再開したことで、関西、首都圏と北陸地方や東北地方、北海道を結ぶ寝台特急・寝台急行や特急“北越”“北陸”“能登”“日本海”“きたぐに”“トワイライトエクスプレス”の運行も再開される。

Img_4620_1  写真は、新潟中越沖地震の前に京都駅0番ホームへ到着した特急日本海を撮影したものである。7月に撮影したものを漸く本日掲載したのは、やはり運休期間中に掲載するのは不謹慎と考えた為である。しかし運行再開、特急日本海は晴れて文字通り、日本海を縦貫する夜の風となる。

Img_4626  特急日本海は、1968年10月、大阪~青森駅を結ぶ特急電車としてデビューし、1988年の青函トンネル開通から2006年までは一部が函館駅まで乗り入れていた。1号から4号までがあり、B寝台とA寝台シングルDXがある。A寝台シングルDXは個室で、洗面施設やテレビがあり、車輌に備え付けのシャワーを利用することもできる。残念ながら食堂車は廃止されたままだ。

Img_4630  大阪駅を発車、京都線を経て京都に、そして琵琶湖線をかすめ湖西線を通り福井、金沢と富山間を北陸線、直江津から信越線に入り長岡、新津から羽越線と奥羽線で秋田へ、そして津軽線を通り終点の青森駅へ至る。従って、運行するには信越線の地震被害からの復旧が不可欠であったわけだ。

Img_4634_1  京都駅を出発する寝台特急日本海。久しくこうした光景を見ることは出来なかったが、復旧により、この日本海を含め、多くの寝台特急が日本列島の鉄路をゆくことになろう(この他、台風被害により長らく不通でしたJR東海高山線の運行も、9月9日から再開されたとのことです)。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする