北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

鵜飼 京都嵐山の伝統行事 川面に映える幻想の漁り火

2007-09-05 19:19:37 | 写真

■鵜飼夜景撮影紀行

 本日まで、嵐山では鵜飼が行われており、夏の風物詩の一つに数えられるこの伝統行事を一つ観ておこうではないかということになり、けーと氏、KM氏、そして後から合流したN氏とで観覧した。

Img_0421  京都嵐山、幾つかある暑い夏の避暑地として知られている。京都市の中心部からはややは距離があるもののJR山陰線、京福本線、阪急嵐山線など多くの鉄道線により、京都市内や大阪方面からのアクセスが良く、近年には温泉の掘削事業が成功し、嵐山の寺社仏閣と桜花紅葉にもう一つの魅力を供することとなった。そしてもう一つ、本日掲載するのが嵐山の川面に浮かぶ漁り火、鵜飼である。

Img_0305_1  鵜飼とは、鵜匠が、鵜とともに漁り火に寄せられてくる鮎を協力して捕る伝統的な漁法で、小舟の鵜匠と紐で結ばれた何羽かの鵜が川の鮎を探す。鵜が鮎を見つけ飲み込むと、鵜匠が紐を手繰り寄せ、鮎を吐き出させて魚篭にいれる。

Img_0271_1  このような鵜飼の漁法を書くと、鵜が可哀相とか、鵜と鵜匠を資本家と労働者に例え、階級格差による資本家の搾取の典型だ!と考える人がいるかもしれないが(いねェ!)、ご安心を、小さな鮎の場合は紐の引き具合で判るとの事で、そのまま小さな鮎は鵜の胃に収められる。

Img_0285  伝統行事と記したが、これは文字通り漁業ではなく伝統芸能の一つとしての性格を有していることに起因する。こうした背景から、この鵜飼は観覧舟から観覧することができる。料金は大人1700円、子供850円と記されていて、この他貸切舟が3500円からあるというが、三脚で長時間露光撮影をする為に小生一行は陸から撮影。

Img_0355  鵜飼の観覧舟は、乗り場が京福嵐山駅の側と、対岸にある阪急嵐山駅から渡月橋を越えたところにもある。駅からは、JR山陰線嵯峨嵐山から1831時に徒歩で出発、1844時に最初の写真を撮影しているので15分弱といったところか。京福嵐山駅や阪急嵐山駅からならば、渡月橋までは5分程で到着する。

Img_0300  写真撮影は結構大変であった。鵜の模型を頭に付け川に飛び込んでカメラが濡れないように渡渉して接近し撮影とか、鵜の注意を引くべく空の大怪獣ラドンの大型模型を用意し撮影、という無茶はしなかったが(当たり前だ)、何分夜間であり、なおかつ被写体が動いているのでアングルに苦労した。

Img_0343  ISO感度を400から800まで上げ、更に望遠レンズのシャッター速度を1/25程度に落とし撮影した。ただ、光量不足の関係もあり1/4で撮影するなど試行錯誤の連続であるが、CanonのImage Stabilazerレンズの性能にも助けられ、鵜飼の写真といって差し支えないものを撮影することができた。

Img_0385  鵜飼で有名なものは、愛知県犬山市で行われている木曽川鵜飼、そして最も有名なのは宮内庁により行われている岐阜県の長良川御料鵜飼である。御料鵜飼で採れた鮎については皇室へ献じられており、更に伊勢神宮などで行われる神事にも献納されているとのこと。また、和歌山県や航空祭で御馴染み、山口県の岩国でも行われているようだ。

Img_0392  嵐山の鵜飼舟は、二艘。観覧舟は提灯をつけたものが5艘ほど。鵜飼舟は一定時間毎に接岸し、休息の漁り火の調整を行う。このときが陸から撮影するに当たって最適な位置である。時間は九月からは1830~2030時であり、今年の鵜飼は本日で終了との事。陸からの観覧者は見たところ数人の団体が数個で、比較的少なかった。

Img_0377  川面に浮かぶ光の反射が幻想的な情景を織り成す京都嵐山、鵜飼は7月1日から9月5日まで、この後、夜間電飾にあたる嵐山花灯路が12月8日から12月17日にかけて行われる予定で、こちらは点灯時間が1700~2030時、観覧は自由。

 最後になりましたが、ご一緒していただきましたけーと様、KM様、N様、ありがとうございました。

HARUNA

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