北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

Sage: Enhanced Battle Rifle Mk14 Mod.0

2007-09-04 00:04:22 | 先端軍事テクノロジー

■30口径突撃銃

 最近、5.56㍉22口径突撃銃が射程や威力において指摘される点があり、7.62㍉30口径小銃が再認識される傾向にある。そこで、双方の弾薬が有する利点を併せた6.80㍉弾が次世代弾薬として研究が進んでいる。大口径への回帰が進んでいるわけ。半ば冗談でそのうち338ラプア8.60㍉弾を使う軽機関銃でも出るのでは、と動向を見ている今日この頃である。

Img_9617_1  横田基地日米友好祭において地上展示機を一通り撮影し、横田基地の広いエプロンを歩いていると、一際多くの見学者を集めるテントがあった。手品か、はたまた大食い大会か、腕相撲大会か、と思考を織りつつ足を進めると、なんと小火器展示が行われていた。

Img_9586  M-4カービン、M870散弾銃、M79擲弾銃、9㍉拳銃に11㍉拳銃、これは353rd Special Operations Group-31st Special Operations Squadron,つまり嘉手納基地の空軍特殊戦コマンド第353特殊作戦グループ第31特殊作戦飛行中隊が有する近接戦闘火器である。353rdSOG 31stSOS,要するに映画「トランスフォーマー」で人類代表の重責を背に頑張った特殊部隊みたいな連中だ。

Img_9587  その中で一際小生の目を釘付けにしたのは、M-14を改良した狙撃銃であった。M-14は、1957年に米陸軍で制式化された自動小銃で、重量4.45kg、全長112㌢で重く反動が大きく長く連射に向かないとして不評で、且つ米国がNATO弾に指定した為各国が30口径弾用の小銃の開発を強いられた、言い換えれば評判の悪い小銃である。

Img_9592  しかし、砂漠という長距離戦を強いられるイラク戦争を契機に射程の長さの重要性が痛感され、M-16A4やM-4を補完する小銃として注目されたのがM-14である。このM-14をモダンナイズしたのが、特殊作戦用の各種装備を開発しているセイジ社、ナイツ社やトロイ社で、この小銃はセイジ社のEnhanced Battle Rifle Mk14 Mod.0で、強化突撃銃と訳すべきだろうか。

Img_9696  このEnhanced Battle Rifle Mk14 Mod.0は、ライトや暗視装置、擲弾発射器などを追加できるよう全体に20㍉レイルが施され、グリップ部分はM-4とほぼ同型のものに換装されており、ストック部分は伸縮式、フルアジャスタブルストックという、微調整が可能なモデルである。

Img_9727_1  戦闘狙撃銃というべき銃。この31stSOSは具体的には脱出し敵地に孤立した搭乗員を救出する為の部隊である。当然、敵地であれば、敵対勢力との遭遇も考えられ、必要であれば脅威を排除して任務を遂行する。携帯火器では突撃銃としてもっとも射程の長いものにスコープを搭載し、能力を最大限に引き出している。必要であれば必要な改造を施す柔軟性と、余りにも変貌を遂げたM-14に驚かされた次第である。

HARUNA

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コメント (2)
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