ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「奴らを高く吊るせ!」

2019-08-25 12:00:04 | 日記
 
あおり運転の末に暴行まで働いた輩は当然許せないし、それを止めないどころか(何の目的か知らないけど)ガラケーで撮影し、輩を匿ってた女も厳罰に処すべきだけど、その二人以上に腹が立ったのが、全くの別人をそのガラケー女だと決めつけ、ネット上に実名と写真を晒したクズと、それを疑いもせず拡散させた複数のクズたち。本当にクズとしか言いようがありません。

三年A組の菅田将暉先生があれほど「送信する前によく考えろ」って、人生を賭けて言ってくれたにも関わらず、やっぱりクズには届かない。馬鹿には何を言っても無駄ってことです。

過去にも何度か書きましたけど、私もネット上で全くの濡れ衣を着せられ、一生引きずらざるを得ない心の傷を負わされた経験があるもんで、このテの話題には尋常ならざる憤りを覚えます。

私の場合は全くローカルなサイト内で起こった事であり、実名を晒されたワケでもないから心の傷だけで済んでるけど、今回被害に遭われた方に及んだ実害は計り知れません。本当に実刑を与える位の処罰をしないと、クズはこの先また同じことを繰り返しますよ。

拡散させたクズたちの中には被害者に謝罪してるクズもいるそうだけど、謝って済む問題にしちゃ絶対にいけない。送信ボタンを押したことを一生後悔し続ける位の罰を与えないと、本当に世の中破滅ですよ。

だって、同じことを計画的にやれば、自分が気に食わない誰かを社会的に抹殺することも簡単に出来ちゃうんだから。もしそれがバレたとしても、被害者が受けた実害や心の傷より犯人への処罰が軽いとなれば、完全に「やったもん勝ち」ですからね。そんな理不尽なこと絶対にあっちゃならない。

無実の私に寄ってたかってトラウマを植え付けた匿名のネット民たちが、自分は何の傷も負わないでのうのうと生きてるかと思うと、今でもたまらない気持ちになります。たかが送信ボタン1つ押すだけで、これほどのダメージを見ず知らずの他人に与えることが出来ちゃう。恐ろしい。本当に恐ろしいことです。

世の変化に法が全然追いついてない。ますます破滅です。
 
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『実験刑事トトリ』シリーズ '12~'13

2019-08-25 00:00:16 | 刑事ドラマ HISTORY









 
NHKの土曜夜9時「土曜ドラマ」枠にて、第1シリーズは2012年の秋に全5話、第2シリーズは翌'13年の秋に全6話が放映されました。

『妖怪人間ベム』『TIGER & BUNNY』等を手掛けた西田征史さんによるオリジナル脚本で、動物学者から警視庁捜査一課の刑事に転職したばかりの中年新米デカ=都鳥博士(ととり ひろし=三上博史)が、実験に実験を重ねて論理的に事件を解決していく倒叙ミステリー。

私の場合、真犯人は誰なのか?とか、主人公の知られざる過去の秘密とは?とか、そのテの作劇にはあまり興味が湧きません。そういうのは作者が勝手に頭の中で考える事で、そんな赤の他人の1人遊びにつき合うのがバカらしく思えちゃうんですね。

予想もつかない大どんでん返しが!みたいなのも、よっぽど上手く仕掛けてくれれば楽しめるけど、別にそんなの無くてもいいよって思っちゃう。

謎解きよりも登場人物たちのキャラクターや人間模様、どんでん返しよりも感情移入出来る人間ドラマ、あるいは見応えあるアクションでこそ楽しませて欲しい。

それって結構ハードルの高い注文なのかも知れません。謎解きやどんでん返しのシナリオは、それほど才能が無くても2~3人で知恵を絞れば書ける筈です。

だけど面白いキャラクターや人間模様、感情移入出来るドラマは、書く人自身の人間性がものを言います。思慮深さや人間観察眼、感性が無ければ書けません。それこそが「才能」ってやつだと私は思います

『実験刑事トトリ』シリーズの場合、犯人は最初から判ってます。謎解きの答えが先に提示され、主人公がそこに行き着くまでの過程を楽しむドラマです。

『刑事コロンボ』で広く知られるようになった「倒叙法」の作劇で、上手くやれば通常の謎解き物よりずっと面白くなるんだけど、チャレンジする創り手が極めて少ないのは、やっぱりそれだけハードルが高い手法なんだろうと思います。

そう考えれば『古畑任三郎』シリーズを創った三谷幸喜さんは、才能だけじゃなくとても勇気のある方なんでしょう。「コロンボのパクり」って言われるのも覚悟の上なワケですから。

『トトリ』の創り手たちも同様です。巷に溢れ返る謎解きドラマの中でも、本作の面白さは群を抜いてます。同じ「ホームズ&ワトソン」スタイルでも香取くんの『MONSTERS』とは大違いw

古畑にせよ都鳥にせよ、やっぱりキャラクターが魅力的なんです。もちろん田村正和、三上博史という優れた俳優さん達が演じなければ、その魅力は充分に発揮出来なかった事でしょう。

動物学者から刑事に転職した変わり種で、何か疑問が湧くとすぐ実験して確かめないと気が済まず、それがいつも結果的に事件の謎を解く鍵になる。

こういうマニア気質のキャラクターを演じる役者さんは、ハマり過ぎると気持ち悪いし、かと言ってかけ離れたキャラでも成立しない。三上博史さんは、神経質さと大らかさを同時に表現出来る演技力と、生まれ持ったチャーミングさで、都鳥刑事をとても魅力的な人物に仕上げてくれました。

それと、古畑任三郎に今泉くんという良き(?)相棒がいたように、都鳥刑事にも安永刑事(高橋光臣)というチャーミングな相棒がいて、この2人の掛け合いが絶妙なスパイスになってます。

『トトリ』の場合は「40代の新人刑事」であるのがミソで、ずっと歳下の頼りない安永が彼を「都鳥くん」って呼んで、どう見ても安永より優秀な都鳥が「先輩」って呼んで敬語で話してる様が、そこはかとなく可笑しいw

それで安永は調子に乗ったり、時には「僕なんかより都鳥くんの方が……」ってイジケたりして、都鳥が気を遣って「そんな事ないですよ先輩」って慰めたりするw

高橋光臣さんの如何にも実直そうな佇まいが、そんな安永刑事にピッタリなんですよね。当たり役だと思います。

このコンビ以外は、仕事してるのかしてないのかよく分かんない部屋長の三船(笹野高史)と、同じくただ座ってるだけの内勤員=弥生(高橋 愛、第2シリーズから登場)の2人しか刑事部屋にいないのが、またシュールなんですよねw

ほか、バラエティー番組の人気司会者=マコリン(栗山千明)が、なぜかいつもテレビを通じて謎解きのヒントを与えてくれます。こうして書いてみると、相当ヘンな刑事ドラマですね、これw

かと言って小ネタ遊び優先で人物描写がおざなりにされる事もなく、犯罪者側のドラマも丹念に練り込まれてます。

シーズン2の第1話は、コンビでの仕事で高い評価を受けて来た建築家の男女が、男性側の結婚&独立によって関係が崩れ、計画殺人に発展しちゃうという『刑事コロンボ』にもありそうなストーリーでした。

だけど富や名誉が動機なんじゃなくて、実は心に秘めた愛情が悲劇を生んだんですね。パートナーの結婚相手を殺しちゃった女性建築家は、彼よりずっと歳上なんです。

彼女、殺害は認めても、彼への思慕は最後まで隠そうとする。木野花さんの好演もあって、仕事一筋に生きたオールドミスの悲哀が胸に迫って、私は泣いてしまいました。

粗製乱造と言わざるを得ない謎解きドラマ大繁殖のなか、さすがNHKと言うしかないクオリティーの高さで、これはオススメしたい作品です。
 
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