ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『MONSTERS』2012

2019-08-24 12:00:10 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2012年の秋シーズン、TBS系列の日曜夜9時「日曜劇場」枠で全8話が放映されたミステリードラマ。

警視庁捜査一課の敏腕刑事だけど変人すぎて周りから嫌われ、隔離された部屋でたった1人の「平塚班」の班長を務める平塚平八(香取慎吾)と、彼の監視役を命じられた新米刑事=西園寺公輔(山下智久)がコンビを組み、殺人事件の謎を解いていきます。

ほか、捜査一課・金田班の班長に遠藤憲一、捜査一課長に大竹まこと、西園寺の婚約者に柳原可奈子、といったレギュラーキャスト陣に毎回豪華なゲストが絡んでいきます。

プロデューサーは構想に丸1年を費やしたそうだけど、私から見れば『相棒』と『古畑任三郎』のパロディをジャニーズアイドルにやらせただけ、のお手軽企画としか思えません。実際それ以上でも以下でもなく、どこに1年も考える必要があったのか理解に苦しみます。

とにかく香取慎吾くんのオーバーアクションが無意味に炸裂しまくり、それに負けじと山下智久くんも全身全霊でコメディ演技を披露しており、このお二人のファンでなければ到底観てられる代物じゃありません。酷い連ドラも山ほど観て来ましたが、これ以上に酷いものは無かったような気がしますw

本心は何を考えてるのか判らない、笑ってても眼が笑ってないアイドル=香取慎吾のイメージをそのままドラマに活かそうとしたらしいけど、そんな香取くんのキャラに馴染んでるファンは楽しいかも知れないけど、それ以外の一般視聴者からすればひたすら「気持ち悪い」だけなんですよね。

香取くん本人のキャラクターで笑わせたいなら、ファンに向けたバラエティー番組『SMAP×SMAP』のコントでやってくれれば良かった。それなら誰も不快な思いをしなくて済むんです。

香取くんはきっと、サービス精神旺盛な人なんだと思います。ファンを楽しませる為に全力を尽くしておられるのはよく解ります。けど、ファンじゃない人たち、ただ普通にドラマを楽しみたいだけの我々にとって、あの無意味なオーバーアクションはひたすらうるさく、邪魔で鬱陶しいだけなんですね。

たぶん香取くんは解ってない。単にヘンな顔をしたり、ヘンな動きをすれば視聴者は笑うと思い込んでるフシがある。実際、ファンはそれで簡単に笑ってくれるから勘違いしたんでしょう。で、勘違いしたまま大スターになっちゃったから、それを指摘して正してやれる人間が周りにいなくなっちゃった。実にありがちな「裸の王様」の姿です。

いや、天下の「日曜劇場」で刑事ドラマの看板を背負うというのは、本来なら香取くんの眼を醒まさせる絶好のチャンスだったかも知れません。なのに、プロデューサーが1年も考え抜いた企画がコレですから……

ただヘンな顔やヘンな動きをしたからって、そこに何かしらの意味がなければ大人は笑いません。幼児向けの番組ならともかく、人の生き死にを扱うミステリーを観る大人の視聴者に、香取くんの方法論は通用しません。

とは言え、です。もし仮に、香取くんの破壊的な怪演が無かったとしたら? そこにあるのは単に『相棒』と『古畑任三郎』を形だけなぞっただけの(しかも『相棒』ほど深くもなければ『古畑~』ほど笑えもしない)平凡極まる謎解きドラマに過ぎず、こうして悪口を書く気にもならなかったかも?(悪口にもエネルギーが要るのです)

香取くんは、そんなあまりに凡庸すぎる企画に何とか個性を持たせたい一心で、一生懸命ヘンな顔とヘンな動きを考えてくれたのかも知れません。

そもそもストーリーがしっかり面白ければ、香取くんがどう演じようとここまで辛口のレビューにはならなかった筈。

数字を稼ぐことしか考えないでドラマを作るから、こんな事になる。お金を掛けて人気タレントを揃え、ヒット作のパターンさえなぞっておけば客は喜ぶと思ってる。日曜劇場とは基本、そういう番組です。

セクシーショットは第1話ゲストのお一人、加藤夏希さん。ご本人は憶えておられないかも知れないけど、かつて映画の撮影現場でご一緒した事があります。
 
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『捜査地図の女』2012

2019-08-24 00:00:09 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2012年の秋シーズンにテレビ朝日系列の木曜夜8時「木曜ミステリー」枠で全7話が放映された、テレビ朝日&東映の制作による刑事ドラマ。

広域地図や犯行現場の見取図などを作らせたら右に出る者がいないという、「地図は生きている」が決め台詞の京都府警捜査一課刑事・橘 珠子(真矢みき)の活躍が描かれます。

班長に中村梅雀、同僚刑事に石黒 賢、内山理名、宇梶剛士、阿部 力、珠子の夫に渡辺いっけい、母に草笛光子、といったレギュラーキャスト陣。

基本は人情系の謎解きドラマだけど、地図を最大限に活用する珠子のマニアックさが見もので、犯行ルートや犯行時間の割り出し、容疑者の隠れ場所や逃走先まで地図で先読みしちゃう捜査法が新鮮で面白いです。

同じ京都を舞台にした刑事物でも、単に背景が京都なだけの番組が大半を占める中、本作は京都の地理や建物の特色がちゃんとストーリーに活かされてるんですよね。たぶん、それこそが目的で「捜査地図」をクローズアップする企画が発案された。だから京都という場所に思い入れのある方なら、事件のこと抜きでも楽しめると思います。

また、第1話には同じ木曜ミステリー枠の人気シリーズ『京都地検の女』のレギュラーである成増刑事(寺島 進)が珠子の元カレという裏設定で特別出演。そういった番組どうしのコラボが見られるのも東映京都ミステリーの楽しさかと思います。

腋の下ショットは、第1話ゲストの前田亜季さん。ご存知かと思いますが前田愛さんの実妹で、すなわち6代目・中村勘九郎さんの義妹。'90年代半ばから活躍されてますから今やベテラン女優。最近ではスペシャルドラマ『鬼畜』で刑事役を演じておられます。
 
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