ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『デカワンコ新春SP』(パリ篇)

2019-01-01 11:11:14 | 多部未華子




 
昨年末の『デカワンコ』レビューがやや駆け足になったのは、このレビューを新年1発目にアップしたかったから。

2012年のお正月に放映された『デカワンコ』2時間スペシャルです。フランス・パリ、そして江戸時代の東京にまで舞台が移っちゃう奇想天外なお話。(2012.1.7.OA/脚本=伴 一彦/演出=中島 悟)

いやぁー、楽しかったです。徹底的に楽しくて、これぞデカワンコ!としか言いようが無い作品でした。中身が無さ過ぎる!とお怒りの方もおられるやも知れません。でも、そこはそれ、新春スペシャルですから。スターかくし芸大会みたいなもんです。

かつての長寿ドラマ、例えばデカワンコゆかりの『太陽にほえろ!』だって、正月の1発目は脱力系のエピソードである事が多かったです。

あるいは、ハードアクション映画だった筈の『リーサル・ウェポン』が、シリーズを重ねる毎に脱力コメディ化して行った過程にも似てますw いずれにせよ、頭をカラッポにして楽しめば良いのであります。

ただし、TVシリーズを観ていなかった(ゆえに各キャラの設定を把握されてない)方には、その面白さが100%伝わらないネタが多かった、という問題点は確かにあります(特に江戸時代パート)。

これも又、ファンサービスを強く意識したシリーズ物、ならではの傾向ですね。私らファンにとっては嬉しい限りなのですが……

今回は、シリーズを観ていなかった方にも本作の面白さが伝わるよう、心掛けてレビューさせて頂きます。


☆実は、刑事ドラマです。

「ボンジュール、パリ!」

ホテルの窓を開け、ノートルダムの鐘に向かって朝の挨拶をする、ロリータファッションに身を包んだ女の子。

休暇でパリを訪れた彼女は、警視庁刑事部捜査一課・第八強行犯捜査殺人捜査第13係の新米刑事、花森一子(多部未華子)。しかし本庁の捜査一課所属ですから、本来は相当なエリートである筈なのですがw

シリーズを御覧にならなかった方でも、これ位はご存じかと思いますが、なぜか彼女には警察犬に負けない程の鋭い嗅覚があり、その特技と名前の「一子」を引っ掛けたのが「ワンコ」というニックネームの由来です。

ちなみにロリータファッションは捜査のための変装ではなく、彼女の趣味ですw いや、趣味を超えた、彼女の「生きざま」そのものと言えましょう。

誰に何と言われようが、自分が可愛いと思うから、着る。自分が好きでやってる事なんだから、奇異な眼で見られても全然平気。彼女のそんな生きざまに私は憧れるし、萌えますw

「ワンコ、パリは恋の町だよ」

観光しか頭に無さそうなワンコに、顔馴染みのカフェ店員がそう言いました。「ドキドキ!」とか言って、にわかにフレンチ男子の視線を気にし始めるワンコ。

これのどこが刑事ドラマなんだ!?とお思いの方、あるいは、まだこれが刑事ドラマだと思ってるのか?と呆れてる方もおられるでしょうが、派手な銃撃戦で幕を開けた(いま思えば嘘みたいw)TVシリーズ第1話が、どんだけ刑事ドラマだった事か!

暴力団に捜査情報を漏らし、その隠蔽のためにジャーナリストを殺害した容疑で、ワンコは尊敬する同僚刑事・ガラさんこと五十嵐刑事(佐野史郎)に泣く泣く手錠を掛ける……という、初回はそんなハードなストーリーでした。

警察内部の犯罪を暴くのは『太陽にほえろ!』はじめ、いにしえの刑事ドラマでも度々描かれてはいましたけど、レギュラーの刑事がいきなり殺人容疑で逮捕され、第2話以降は牢獄から出演するなんていうシビアな番組、私が記憶する限りでは存在しません。

それが回を追う毎にユル~くなり、最終回に至っては半分以上を慰安旅行記で消化しちゃってましたけど、間違いなく、これは刑事ドラマなんです。


☆パリでも、ノリは変わらず。

サントラ・タイトル「平穏のテーマ」のフレンチ風アレンジをバックに、パリの町を我々に紹介するワンコが「上野だとか表参道じゃない、リアル・パリ!」とか言ってるのは、番外編スペシャル『デカワンコちょっとだけリターンズ』で近場をパリと偽ってたからですw

オリジナルの「平穏のテーマ」はウクレレを基調にした文字通り呑気な曲で、『太陽にほえろ!』の楽曲を除けば『デカワンコ』BGM中で一番、私がお気に入りの曲です。スタッフさんもそうだったみたいで、使用頻度が飛び抜けて高い曲でもあります。

さて、ウキウキとシャンゼリゼ通りを散歩するワンコですが、すれ違った男3人の、嗅ぎ慣れた匂いを察知して驚きます。

その男達とはワンコの同僚刑事、コマさんこと小松原(吹越満)と、キリこと桐島(手越祐也)、そしてデューク・タナカ(水上剣星)の3人なのでした。インターポールとの合同捜査に来たついでに観光し、たまたま通りかかったとの事ですが、一人旅のワンコを冷やかしに寄ったに違いありませんw

巨漢のチャンコ刑事=和田(石塚英彦)は急性膵炎で入院中との事ですが、彼がやたら入院するのもTVシリーズからのお約束で、犯人を追いかけて5歩目ぐらいで靱帯損傷しちゃったw、石塚さんのリアル負傷がきっかけと思われます。

この時、キリが「伴さんもなったらしいですよ」って言いましたけど、脚本の伴一彦さんをネタにした楽屋オチと思われ、マニア以外には全く意味不明な台詞ですw

ヤナさんこと柳刑事(大倉孝二)は出張捜査に参加中、地下鉄で財布をスラれ、パリ警察に被害届けを出すも言葉が通じず苦戦中。

そこにデブ……いや、ふくよかな黒人婦警が来た途端に眼を輝かせるのは、彼がいわゆる「デブ専」だから。これは一応、江戸時代パートへの伏線になってます。

それと、コマさんがデュークの事を「でぇーく」と呼び、「デュークです!」「うるせーコノヤロー!」ってなやり取りがありますが、これもTVシリーズ第1話からリピートされてるお約束で、やはり江戸パートで活かされる事になります。

さて、オペラ座の前で一同は一旦解散しますが、この時にキリが「お前、やっぱりデートか?」とワンコの動向をやたら気にします。

ワンコとキリは同世代で、コンビを組む機会も多い二人ですが、ドラマではこれまで恋の兆しすら描かれて来ませんでした。でも原作マンガだとワンコは早くからキリを異性として意識しており、キリも徐々に……みたいな描写はあるんですよね。

今回はテーマが「恋」ゆえに、その兆しを入れて来たのだと思われますが、原作とは真逆にキリの一方通行なのが可笑しいですw ドラマ版はなぜか、原作とは真逆に描かれてる要素がやたら多いです。


☆いとしのレティシア。

「可愛い! 日本人ですか?」

日本人の彼氏を持つと言うブロンド美女・ レティシアがワンコに声をかけて来ます。多部ちゃんのロリータ姿は実際、パリの町で注目の的だったそうですね。

意気投合した二人は、レティシアが彼氏と最初に出会った場所である、セーヌ川の遊覧船に乗り、「恋人たちの橋」に向かいます。レティシアはそこで彼氏と待ち合わせてるのですが……

「でも、最後のデートになるかも……」

国際恋愛を両親に反対されてるみたいですが、その恋人を彼女は「シゲ」と呼んでます。シゲと言えばワンコの同僚・重村刑事(沢村一樹)も、そう呼ばれてるのですが……

「会うたびに嬉しくて、会えば切なくて、会えなきゃ悲しい、会わずにいられない…(by布施明)」

再びどこからともなく現れw、ワンコに恋とは何ぞやを語って聞かせる昭和男・コマですが、そこにボス=門馬係長(升 毅)から国際電話が。

連続殺人事件発生につき即帰国を命じられ、同じくパリにいるのに連絡がつかない同僚・シゲさんを探し出すべく、ようやくワンコの嗅覚捜査が開始されます。

鼻の穴を広げて匂いを嗅ぎまくる、ワンコ=多部ちゃんのヘン顔。既にタベリストだった方が、あの顔を初めて見た時、一体どんな心境だったでしょうか?w

今回のスペシャルにおいて、多部ちゃんが出まくった番宣の1つ『ZIP!』で、司会の鈴木杏樹さんが「ヘンな顔してるのに可愛くて可愛くて、ずっと観てました!」って絶賛してましたね。

そう、多部ちゃんがやると下品に見えなくて、なぜだかめっぽう可愛いのです。花森一子の役が多部未華子以外の女優では有り得ない、その理由の1つですよね、これも。

ちなみに原作だと、ワンコがあの顔をする度に、それを見た人が「うわっ、ヘンな顔!」って、いちいち心の中で驚くのがお約束になってますw

さて、ワンコが動き出すこの場面で、ようやくメインタイトル『デカワンコ新春スペシャル』が登場すると同時に、太陽にほえろ!メインテーマ'97リミックスのフレンチ風アレンジが流れます。

放映当日の朝にやってたスペシャル番宣は本編より後に観ましたから、私がこの曲をしっかり耳にしたのは、この瞬間が初めてでした。もうホント、鳥肌が立ちました。太陽にほえろ!メインテーマはどんなアレンジを施してもカッコいい、贔屓目抜きで不滅の名曲だと思います。


☆トンネルを抜けると……

モンマルトルの丘から、テアトル広場へ。そこでシゲさんとレティシアの似顔絵を発見するワンコ。じゃあ、レティシアの恋人はやっぱり、あのシゲさんと同一人物なのか?

レティシアの待つ「恋人たちの橋」を目指して走るワンコ。ここでジーパン刑事のテーマ・リミックスの新バージョンも登場! この曲がかかると『太陽』世代は、誰もが条件反射的に全力疾走したくなるんですよね。いやホントにw

橋にはもう、レティシアはいない。彼女は彼氏と会えたら船に乗ると言ってました。ワンコもその船に乗り込むのですが……

船がゆっくり進み、トンネルを抜け、さらに橋の下を通ると… ワンコは、とんでもない場所に辿り着いてしまいます。常識では有り得ない、その場所とは一体!?

(江戸編へと続くw)
 
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「あけおめ2019」

2019-01-01 00:00:04 | 日記
 
何がめでたいんだか分かんないけど、明けましておめでとうございます。2019年、平成最後のお正月です。

今年の抱負は、特にありませんw 現状を維持できればそれに越したこと無し。旧ブログのリメイクを早く完結させ、次の段階に進むことがとりあえずの目標でしょうか。

残しておきたい記事が思ってた以上に沢山あるのは良い事だけど、新しい記事もどんどん書かないと感性が鈍りそうと言うか、文章の書き方を忘れちゃいそうで怖いです。

あと、残したい記事が沢山ある反面、残す価値の無い、無駄にページを埋めただけの記事も多々あるのは大いなる反省点。この新ブログは、そういう記事をゼロにしたいと思ってます。それ以前に、またリメイクする羽目にならないよう気をつけないといけないけどw

旧ブログのリメイクが片付き、新しい記事のみアップするようになれば、今みたいに毎日更新することは出来なくなると思います。ちゃんとした記事だけをアップしていくには、それなりに時間を掛けるしかありません。

まぁ、仕事のこと、老いた両親のこと等、思うことは他にも色々あるんだけど、ここに書いて皆さんに読んで頂いたところで、面白いことはホント何一つありません。それでも、現状維持が一番だと思えるってことは幸せですよね。

今年もよろしくお願い致します。

PS. 昨夜の『紅白歌合戦』は凄かった。大トリがサザンオールスターズだったのも凄いけど、まさか桑田さんとユーミンさんがツーショットで『勝手にシンドバット』を唄う姿を生放送で観られるなんて!

椎名林檎さんと宮本浩次さん、石川さゆりさんと布袋寅泰さんのコラボも格好良かったし、お祭りを超えたアーティスティックな価値が最近の『紅白~』にはあるように思います。

かつての『紅白~』にはダサいイメージがあり、わざとフザケて見せるアーティストもいたりしたけど、ここ数年はみんな大真面目。『紅白~』の在り方が変わって来て、ますます勝敗の行方がどーでもよくなって来ましたw
 
コメント (6)
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