害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

危険なカタチ

2007-05-31 23:50:00 | インポート

Bugcatcher  電動吸虫管アサルト・ブラックホーク4号(意味ナシ)。道具には様々な形があるが、銃の形をした道具には男心をくすぐる何かがある。
全長約50cmのコイツは恐ろしい破壊力を持つ。今日は逃げ惑う約20個体のオオハリアリのうち、8個体をあっという間に吸引した(あとは逃亡)。トリガー(スイッチともいう)の取り扱いも難しい。爆発的なパワーと音はすごいが、充電式なので長距離移動する任務には向かない。後方支援の兵装といえる。長いこと事務所でホコリかぶってるくらい後方。
 私も、様々な電動吸虫管を作り続けて、独自のカートリッジシステムを考案してみたりしたが、このアメリカ製品は、吸引した虫を目にすることなくゴミとして廃棄するカートリッジシステムを採用しており、虫屋としてはチョット残念な仕様というか、どーしょーもないシロモノである。
 カビだらけで線虫だらけの朽木からアリを取り出すのに、呼気利用のオーソドックスな吸虫管では気持ち悪いと思って使用してみたが、まだまだ改良しなければならない点だらけだ。
 本体に描かれているナゾの動物もフザケた雰囲気である。


ムシも味のうち

2007-05-23 23:24:46 | 自然観察

Okra  玄関横のオクラの成長が異常に遅いと思って近寄ってみると、ハモグリバエだらけになっていた。この間、回転寿司を食べに行ったとき、サラダ巻きのなかにいっぱい入っていたヤツだ。ほんとにどこでもかしこでも増えるたいした害虫だ。葉の内部だけを食べることで、各種農薬にもヘッチャラな難防除種である。おそらく、ほとんどの日本人が気づかないうちにナマで食べている虫でもある。
 オクラもこんなに光合成をジャマされて、よくも枯れないものだ。ハモグリバエも寄主植物が枯れると大変だろうから、ほどほどに食い進んでいるのかもしれない。無農薬野菜の収穫はだいぶアヤシクなってきてしまった。


お国のために頑張る草

2007-05-19 23:57:37 | 自然観察

Oenothera_speciosa

Oenothera_speciosa2

 朝もやのなかのお花畑。幻想的な光景だ。モモイロヒルザキツキミソウは、園芸植物が溢出して雑草化しているそうだ。だが、こんなにまとまって生えているのは違和感がある。誰かが種をまいたんじゃないのかと思うくらいだ。
 帰化植物がつくりだす景観にもいろいろあるけど、キレイであればあまり嫌われない。これがヒメムカシヨモギなんかだったら、即座に草刈されているだろう。人間でも植物でもどんな生き物でも、見た目は大事なのだ。見た目を武器にどんどん増えていくというのはエライ。美しい日本をつくるために協力してくれてアリガトウといいたいな。


チョイ悪カミキリ

2007-05-17 23:49:18 | 自然観察

Artemisia_indica_1  ヨモギの茎の先側がしおれている。5月になったあたりから道端でいつもみかけるキクスイカミキリの産卵痕だ。今年はだいぶん遅れている感じ。泉州のキク栽培農家には悪いけど、同じところで毎年見かけることで奇妙な安心感がある。
 うまくタイミングが合えば、成虫がたくさんウロチョロしているのがみられるのだが、朝は通勤でセカセカ激しく歩いているので、たいてい見そびれてしまう。今年も1個体しか見かけなかった。
 幼虫が草を食べて育つカミキリムシは、日本では割と珍しい種類が多い。比較的普通にみられるのはキクスイカミキリとラミーカミキリくらいではないだろうか。根っこまで食べられても、ちっとも群落が小さくならないヨモギもすごいけど、車の多い道端で排気ガスや草刈にもめげず毎年発生できるカミキリムシもすごい。ふと思ったけど、この光景はチョイ悪カミキリ屋が林縁の小枝を中途半端に折って、衰弱枝トラップを作っているのに少し似ている。


話し相手

2007-05-14 22:19:25 | インポート

Streptopelia_orientalis  夕闇せまる頃に、玄関の雑草を観察するためにしゃがんでいると、背中のほうから静かにキジバトの夫婦が接近してきた。へえ、あんなところにこういう羽毛が生えてるのか、などと横目でチラチラ観察してみた。 いつも夫婦で仲良く暮らしているといわれているから、そう思っているけど、オスメスの区別などはまるで解らない。

 子供の頃には、1キロ彼方からでも、コッチを見付けたらダッシュで逃げていく鳥の一つだったような気がする。まあアノ頃は、いつもパチンコを持っていたというのも、鳥類から嫌われる理由の一つだった可能性は否定できない。 
 ケータイを向けて撮影しようとすると、ゆっくりと遠ざかる。キジバトのほうも、いつもは無視しとるくせに、何で今日は関心を向けてくるのかと不審に思っているようだ。

 最近のワシは、ケータイ・ねいちゃーふぉとぐらふぁーなのじゃ。とキジバトに語りかけながら写真を撮る。道端でネコやイヌと話している年寄り達をみかけるたびに、哀れなものを感じていたが、ふと気づくと自分もそーいう年代に達しているわけか。ヤレヤレやね。