害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

ジュラシックな休日

2009-07-30 23:30:12 | 日記・エッセイ・コラム

USJに初めて行った。米国籍の友人が一時帰国していて、そこの娘とウチの娘が一緒に遊ぶということで付き添い。
ジュラシックパークでは、1作目の映画で激しく感動した恐竜ファンの一人なので、素直にアトラクションを楽しませてもらった。チョウトンボやウスバキトンボが、恐竜を配した水路の上を群れ飛んでいて、演出に貢献していた。ジュラ紀にはすでに現生種と同じようなトンボがいたって話だし、当時の光景もこんなカンジだったのかねぇなどと友人と語らいながらボートに揺られていた。
ジュラシックパークの4作目は原作者が亡くなって製作中止になったというウワサだが、脚本は恐竜の軍事利用+ホラーというサイテーなものだったらしい。リアルな恐竜の世界に銃は似合わない。どうせドンパチ物にするなら「Nanosaur」あたりとかを映画化したほうが、思いっきり荒唐無稽でマシな気がする。

昼食時に驚かされたのが、園内のヒヨドリ。ホットドッグのカケラなんかを見事にフライングキャッチするので、子供らが喜んでしつこく投げ続けていた。同じようにレストランの周囲に集まっているドバトやスズメは、餌のとりあいになるとスピード的にヒヨドリにはまったく太刀打ちできない状態。ハチドリの先祖はヒヨドリみたいなヤツだったらしいのだが、ホバリングしているさまをみてるとなんか血のつながりを感じる。Hiyodori
ハチドリといえば、友人の話によれば夏の間はニューヨークの一般住宅の庭にまで、よく飛来してくるらしい。
なんのかんのいっても、ニューヨークって自然がとても豊かな場所のようだ。

午後からはハリウッド・ドリーム・ザ・ライドにのったが、心身ともにボロボロになってしまった。やっぱオッサンにはキツイわUSJ。

アメリカ土産のビーアマンのマジパン。劇甘!しかし、みんなで完食したあとは、もう少し欲しいと思うようになっていた。味覚系がアメリカナイズされるお菓子なのかも。激太りしたい人にオススメ。

Marzipan_fruits


きこえまへんな

2009-07-09 23:33:52 | 自然観察

社内で話題のモスキート音。ネットで検索してフラッシュを見つけたので家族のみんなで試してみた。
子供たちとヨメハンは「ギャー!何この音!ウルサッ!」と騒いでいた。
私は・・・・・・・・・・・・・・何一つ聞こえやしなかった。
・・・・・・・どの周波数でも・・・・・・・。

試してみたサイト↓
聴力検査FLASH (Mosquito Sound) http://itsd210.s24.xrea.com

音を聞くという研究テーマは、コウチュウの世界でもイロイロな種でかなりあるのだが、自分の耳がこんなではもうダメだ。

奈良県の某所で聞いたシバンムシ不明種の発音を録音して「日本の死時計の音」としてCD発売とか。

朽木の中のエコロケーション:異種間のデスマッチとかチビクワ母子の愛情物語とか。

やってみたいことがいろいろあったのに・・・・・・。

ところでチビクワガタがヤマトシロアリをムシャムシャ食べているところをみて考えた。柔らかい朽木の中だと働きアリを捕食して食べているようにみえるが、天敵としてシロアリ駆除に利用できないだろうか?
堅い材に逃げ込んだら深追いしないのでやっぱりダメかな。Figulus_binodulus


結界が守っているもの

2009-07-04 23:49:49 | インポート

山地帯につくられた宗教の結界。宗教なんてのは科学同様に、もっともらしかったりワケが分からなかったりするのだが、結界がもたらす明瞭な効果として、自然が残っているということは誰しもが認めるだろう。
結界により形成されるのは浄刹という空間だそうで、「女人ならびに牛馬」とか「村民全部」を段階的に進入禁止にしてしまうというキマリ事が昔はあったらしい。今でも少し残っているところがあるけど。
結界をめぐって宗教は、人間の際限なく拡大しようとする経済活動と、何百年ものあいだ争ってきたらしい。餓鬼やら悪神だのから善男善女を守るものが結界だと、なんとなく思っていたのだが、宗教が本当に締め出したかったのは人の欲だったりするわけだ。

先日仕事をした京都市左京区の山中も結界の中だったので、自然の豊かさをたっぷり感じた。オオセンチコガネが沢山飛んでいたが、最近はこの虫を見ると反射的に自分のズボンとかにマダニ類が付着していないか点検してしまう。
そのときに建物の中の畳の上から採集したカツオブシムシのペアを、本日検鏡してみた。やけに発育不良のヒメカツオブシムシやなと採集時は思っていたが、みたことのない種類だった。触角球棹3節で、後脚付節第1節より第2節のほうが顕著に長いことなどから、Attagenus sp. としておく。Attagenus_sp

そういえばこのあたりは、モモブトカミキリの一種とかホタルモドキの類とかで、タイプ標本だけしか採集されてないなんてのがいた気もする。
ムシを知りたいというのも、ヒトの勝手な欲望なのかもしれない。虫屋の欲望の目から逃れることができる神秘の結界が、ココの密かなムシ達にはあるのだろうか?
丑寅のかどからおとなう虫屋に、このカツオブシムシ君は捕まってしまったということになるな。スマン。


でっかいドー(道)

2009-07-02 21:05:00 | 自然観察

Shelter_tube01_2    京都市の山中の建物で見た蟻道。ヤマトシロアリの蟻道は、幅が5mm前後のものがフツーだが、これはなんと最大幅が22mm!
床下で束石から剥がし取るときにバラバラになってしまったが、こんな太いのは久しぶりに見た。
あと、ココの床下ではでかいコウモリまでいた。イエコウモリの倍はありそうな感じ。お休みのところ追い出してしまって申し訳ない。Chiroptera1896

昼休みに周囲の石垣で、リンコデムス科のプラナリアを眺めたり、クロホシテントウゴミムシダマシの成虫や幼虫を観察。
クロホシテントウゴミムシダマシといえば、保育社甲虫図鑑ではニセクロホシテントウゴミムシダマシとともに解説に誤りがあるというコトを思い出した。過ちを正している甲虫ニュースNo.91の記事によれば、写真と本文はそのままで、解説の種名と分布を入れ替えておかないといけないらしい。Derispia_maculipennis_adult2
とすると、コイツはクロホシテントウゴミムシダマシということでよさそう。
Derispia_maculipennis_larvaニセが付くほうの和名はいろんなところで話題になっていて、確かにネガティブな表現の羅列だが、そんなに面白おかしいかな?ムシに興味が無い人に長い和名を聞かせると、笑いを押し殺しながら可哀相な人を見る目つきでみられているような気がするのは私だけだろうーか?