害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

フライ・ライダー

2011-03-27 20:38:01 | 自然観察

Thinoseius_occidentalipacificus01_2 瀬戸内海のハマベバエについては、業務上の理由からその増減に一喜一憂するのだが、3月も終わりに近づくにつれ、めっきり少なくなってきたので助かる。

兵庫県南部産ハマベバエの飼育容器中に、いつのまにやらトゲダニ亜目が徘徊していると同僚がいうので少し調べてみた。餌の海藻はスーパーで買ってきた乾物なのでダニがわくのはありえへんし、海辺で採集した成虫に付着していたとしか考えられないという。
すこしそのダニを調べてみることにした。
ヤリダニ科の仲間ということがわかった。なんで「ヤリ」かというと、顎体突起が長く発達して槍のようだからと・・・。どんなヤリ?ロンギヌスとかブリューナクとか古代中国系みたいな?

Thinoseius_occidentalipacificus02_2

ハマベバエに便乗しているということで Coelopa, phoresy の2語でググってみると一発で関係ありそうな論文が一番目にヒットしてきた。ハマベバエにはThinoseius という属が便乗しているらしい。さらにCiNiiで調べると次の論文に「ぜったいコレやわ」なダニが載っていた。

Takaku, G. 2000. Two new mite species of the genus Thinoseius (Acari: Gamasida: Eviphididae) from Japan. Species Diversity 5: 361?374.
モクズヤリダニ Thinoseius occidentalipacificus Klimov, 1998

もう和名からして、腐った海藻喰いのハマベバエとメッチャ関係ありそうだ。