海辺をうろつくと、実に珍妙な生物がみつかる。ってヒトもたいがい珍妙なので、ひとのことを言えない。というより、海辺でヘンな生物つかまえてヘラヘラしてるやつが一番珍妙ともいえよう。
相生市の入り組んだ河口付近で、水辺に近寄ってみると泥の上をトビムシがたくさん徘徊していた。その間を高速で歩き回っているダニもいる。前気門類ぽくって気になるヤツだが、仕事が忙しく、プレパラート標本を作っている暇が無いので、悲しいが採集は見送りである。
波打ち際の石の下からえーとこれは・・・ユムシやな。などと思いっきり誤同定しながらつまみあげたヤツは、星口動物門(せいこうどうぶつもん)のサメハダホシムシの一種 Physcosoma sp. だった。動物の分類は高校くらいのときにまじめに勉強したが、もうほとんど忘れてしまっている。
節足動物門(ムシ、クモ、カニみたいな系)や、脊椎動物門(オレとか犬とか金魚みたいな系)などは、日常生活で普通に目にする。軟体動物(貝、タコなど)も、結構食卓で見かける。食卓といえば棘皮動物(ナマコ、ウニなど)を、たまに食べるヒトもいるだろう。環形動物(ミミズ、ゴカイなど)にしても、ヒトとまったく無縁というわけでもない。でも、セイコウドウブツなんて、まったく接点が無いような気がする。ホシムシが、なにかの食品の原料になっているという話は、少なくとも日本では聞いたことがない。何でも食う日本人の食材から外れてるってことも驚くが。
ホシムシは観察していると口を伸ばしたり引っ込めたりしているが、よく見ると靴下をひっくり返しているみたいに体が反転して伸縮している。陥入吻と呼ぶそうた。こいつには無いようだが種類によっては、口の先端に放射対象で星形の器官を持っている。ホシムシという名前の由来はきっとそれだろう。噛むとか吸うなどという口の動きのイメージからは、かけ離れた構造である。脊椎動物には、口が体長を超えて伸びていくような種はいないが、なかなか便利そうな形質である。ヒトの口がニューーーと伸びていくような進化を遂げていたら・・・・。いや、想像するのはやめておこう。
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