害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

土のなかのもの

2014-08-06 13:12:26 | 自然観察

職場の近くで、地面を掘り起こして工事している。掘り出された青黒い粘土のような土には、ついつい物欲しげな視線を送ってしまう。
それというのも、大阪の平野部の遺跡などからは、今の大阪では採集できない珍しいコウチュウの破片が出てくるという話を聞いたことがあるからだ。
黄色くて根食いな葉虫の、翅端が尖ったさやばねなんかは自分も拾ってみたい。源五郎のモドキなヤツも見つかるらしいが、縄文時代から室町時代の頃の、どこまでも湿地が広がっていた大阪なんて想像もつかない。

Doronoyama

昼時にはブロック塀越しに現場をのぞき込みながら、あのピカッて光ってるのは絶対そーやわ、とかいいつつ妄想を膨らませている。

河内平野では、地下水が豊富で軟弱な土地が多いため、地中10~50mくらいに丸く深い穴をあけて、石灰やらなんやらかんやらで固め、基礎の一部にするというやり方が流行りなようだ。深層混合処理工法というらしい。
このあたりの地下水にも生きた微小甲虫がいるとしたら、そいつらに影響はないのだろうか?いるかいないかわからないものが、確認されることもなく忘れられていくというのは、ホントにどうでもいいことだろうけれど、ふとした拍子に地面の深いところで泳いでいる虫の姿なぞを思い描いてしまう。