害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

きずあと

2007-05-03 23:32:00 | 自然観察

 古い木造建造物は、害虫屋にはとても勉強になる。百年以上経過しているような木材の生物劣化は、おいそれと身の回りに見つけることはできない。ところが、名勝史跡を巡ってみると、目を見張るような乾材性のシバンムシ類や、シロアリ類、カミキリムシ類の食害痕を観察できることがある。一般的な観光客と違って、柱や床板や壁が観察対象なので、見なければならない範囲が厖大にあり、とても大変である。あわよくば、珍種のシバンムシ類の死骸などを拾えるかもしれない。

Katana_cut  今日は彦根城を観察してきた。期待していたほどのボロボロぶりはなく、結構きれいに木材が保存されていたのが大変不満だった。吸虫管を出す機会もなかった(ケッ)。
 生物劣化的にみるべきものといえば、天守閣にみられたヒトによる劣化の痕跡が挙げられる。刀傷と思われる痕が、最上階の柱にみられた。
 ここまでめり込んでいたら、すぐには抜けなかったのではないだろうか。時代劇的な妄想が頭をよぎる。この刀をよけた相手の一閃で、宙に飛ぶ首とか。

Hikonyan  他にも、彦根城にはナゾのクワガタっぽい巨大猫(妙になれなれしい)とか、お堀のオオフサモ(帰化植物)など、とても見所は多かった。Myriophyllum_aquaticum