害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

川端会議

2007-05-12 23:55:19 | インポート

Trachemys_scripta_elegans カメA 「そやけどなんでんな。エライことになってるそうでんな。侵入種で。」
カメB 「なんですのん?それ?シュウニュウシュ?」
カメC「外国から来よったイキモンでんがな。そんなんが、日本で増えてもうて、もともとおったイキモンがゼンゼンが居らんようになるゆー話しでっせ。」
カメD 「エライことでんなぁ!しゃーないヤツラやなあ。」
カメE 「どんなヤツやねん!そいつらは!」
カメF 「それ。スッポンのことでっしゃろ。」
カメG 「えぇぇ!あのオッサン、シンニュウシュでしたんかいな!そうゆうたらカメにしては変なヤッチャと思てましてん。」
カメH 「チャウチャウ。スッポンは日本に3000万年前からいてるって。山口県から化石が出てるし。」
カメI 「うそぉぉぉ!あのオッサン、3000万年も前から侵入しとったんかいな?」
カメJ 「人間が運ぶから侵入種ゆうて文句言われるけど、勝手に来るのはええんとチャウん。」
カメK 「ほんなことないやろ。ムシの仲間なんかは大陸から勝手に飛んできよったヤツでも侵入種ゆーて問題にされとんで。」
カメL 「ややこしいなぁ」


右脳でしか聞けない虫の音

2007-05-08 23:58:13 | 自然観察

Katydid_chirping  帰宅時に、クビキリギスの甲高い声を聞くようになって一週間ほどになるけど、これは同じ個体が鳴いているのだろうか?パワフル耳ツンザキ音を、連夜発することができるスタミナはどこからくるのだろう。仕事でお疲れ気味のオッサンを、葉陰からみて優越感に浸りながら鳴いているに違いない。
 欧米のヒトとちがって日本のヒトは、左脳で言語のように虫の音を聞くとかいうが、この虫に関してはそれはないだろうと思う。もっとも、まともな科学者の多くは、右脳の左脳の役割分担なんて根拠のない疑似科学と考えているようだけど。
 生物学のような観察対象が複雑なものに、疑似科学ははびこりやすい。害虫駆除サービス業界でも、最新科学にみせかけてとんでもないものを消費者に売りつけていることが多々ある。ダニをおびきよせて室内環境を改善するグッズとか。床下を乾燥させる扇風機とか。まじないの域を出ないものが大手を振って世にあふれている。そんな世界で仕事をしているけど、もちっと科学っぽいことを目指したいものだ。


慈雨

2007-05-06 23:31:01 | 自然観察

The_raindrops_on_the_car_roof  春に三日の晴れなしとはいうものの、連休の天気は晴れている日が多かった。たまには雨が降ってくれないとプランターの草花が枯れるので困る。何年か前に、温暖化の影響で、無降水日は増加するが、雨の日の雨量は増加する傾向にある、という研究結果が気象庁から発表されていたけど、年々実感として感じられるようになってきている気がする。
 しとしと降る雨と晴れ間が、緩やかに移り変わる一日が少なくなったからといって、それがナニといわれてもなんともいえない。関係あるかどうか解らないが、30年ほど前は、朝に少し雨がふって、昼前はよく晴れているような日に、町のあちこちで一斉にヤマトシロアリの群飛が起きていた。木造家屋から噴きだすようにハネアリが飛び出していく光景は、最近みたことがない。シロアリ屋が頑張って仕事をしているせい?それとも、地球温暖化の影響?
 どちらにしても、シロアリ屋が儲かる時代ではなくなったのは確かだ。私も、毎年のようにハネアリのシーズンには「石狩挽歌」をなんとなく口ずさんでいる。だいたい、害虫駆除なんてものは、我が社のように街角でひっそりと仕事をする儲からない業種のはずなのだ。一等地にビル建ててる同業者のほうがオカシイのである、と営業に熱心でないことを正当化してみてもしょーがないか。ハネアリが多発生するように祈祷してみよう。


7000万年前

2007-05-04 23:59:35 | インポート

 今日はみどりの日なので、「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ために泉州某所の山に行った。緑を保護するためには、やはり昆虫採集しかあるまい。しかし、昆虫採集などに興味のない子供を連れて行かなければならないので、化石採集という名目ででかけた。和泉層群の露頭があって、そこで子供たちに適当にがけ下に転がっている石を割らせている間に、短時間で石起こしなどをして昆虫採集をしなければならない。
 成果は、子供が「二枚貝数種6個、アンモナイトのカケラ2個」、私が「メダカハネカクシの一種1個体」であった(もう虫採りやめようかしら・・・)。
 専門家っぽい人も来ていて、ウチの子がショーもねー石をあさって、「セイスモサウルスはどこじゃコルゥらァァァ」とかいいながらうろついているのを不憫に思ったのか、二枚貝の化石をいくつか頂いてしまった。Fossil

家に帰ると、近所の奥さんからとても美味しいフキの煮物を頂いた。自然だけでなく人様からの恩恵ばかりを感じた日だった。


きずあと

2007-05-03 23:32:00 | 自然観察

 古い木造建造物は、害虫屋にはとても勉強になる。百年以上経過しているような木材の生物劣化は、おいそれと身の回りに見つけることはできない。ところが、名勝史跡を巡ってみると、目を見張るような乾材性のシバンムシ類や、シロアリ類、カミキリムシ類の食害痕を観察できることがある。一般的な観光客と違って、柱や床板や壁が観察対象なので、見なければならない範囲が厖大にあり、とても大変である。あわよくば、珍種のシバンムシ類の死骸などを拾えるかもしれない。

Katana_cut  今日は彦根城を観察してきた。期待していたほどのボロボロぶりはなく、結構きれいに木材が保存されていたのが大変不満だった。吸虫管を出す機会もなかった(ケッ)。
 生物劣化的にみるべきものといえば、天守閣にみられたヒトによる劣化の痕跡が挙げられる。刀傷と思われる痕が、最上階の柱にみられた。
 ここまでめり込んでいたら、すぐには抜けなかったのではないだろうか。時代劇的な妄想が頭をよぎる。この刀をよけた相手の一閃で、宙に飛ぶ首とか。

Hikonyan  他にも、彦根城にはナゾのクワガタっぽい巨大猫(妙になれなれしい)とか、お堀のオオフサモ(帰化植物)など、とても見所は多かった。Myriophyllum_aquaticum