芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

古鉋再生(3)こごみ直し~裏出し~裏すき直し

2020-01-12 18:42:34 | 古鉋再生


平な定盤にかい先より先を乗せて、ねじれや側面のこごみ具合をチェック

小さい差し金使い、主に裏のダレ具合や各方向のこごみ具合チェックし、どこをどう叩くかの作戦を立てる




ねじれは一旦置いておいて、次のような状態がほとんど。




なので修正の方向性としては:➀木端のこごみを真っ直ぐに、頭の方は出来れば持ち上げる(=長さ方向)➁ダレている両端を起こして砥石に当たる様にする。(=巾方向)


実際はこんな感じ ※割れ防止で叩く前にはお湯に3分程ひたしておく


使う道具


こごみ直し、頭上げ

又は



この鋼側を下にして叩く時に、刃先を潰していないと刃を割ってしまう。また厚みが薄い方へ力が掛かってしまうので、真ん中を下げたいのに刃先の方が上へ反りあがってしまう等狙い通りに整形できない。

今回も刃が短かったので、十分に刃先を落としていないせいか刃先が反り上がり、、逆向きに叩き直した。


手順としては、➀ねじれ直し→チェック ➁両端起こし→チェック ➂木端のこごみ直し、可能ならば頭上げる→チェック

➁➂を行うと再びねじれが出る場合もあるので、その場合はその都度ねじれ直し。

チェック方として➀刃をためて見る目視 ➁定盤に乗せてかたつきやすき具合を見る ➂差し金を各方向にあてがって曲がり具合を見る

ダレが多ければそこまで直しても真ん中の方が高いので、下の画像の様に端が浮いた状態になる。


ここまで来てダイヤ砥石に軽く裏当ててみて、当たり具合チェック


裏出しもしつつ徐々に狙いの裏へ






裏出し道具



これ以上は中の高い箇所すき取ってやらないと、鋼が減る一方になる。マジックで見当線引いて裏すき直し





刃先も荒研ぎ




角度ブロックに合わせて刃角直し


グラインダー木っ端でうらすき仕上げ



すきが甘くてムラがあるので、もう少しすき直し必要






 





古鉋再生(2)仕切り直し~めくれ直し

2020-01-12 16:49:32 | 古鉋再生




前回の鉋、途中まで作業したが、いまいち参考にならないので仕切り直して別の刃で進めたい。状態で言うとステージ3位か?



錆を落としたが、かさぶた状の所はやはり穴ぼこ状態。

刃も鋭角すぎで左右の傾き有りなので、これもグラインダーで平行に修正しておく。





次にめくれ直し:欠け防止の為ポットのお湯に3分浸ける



栗原さんの特製金床に当てて、1.5キロのハンマーで叩きまくる。



傷防止にテープ貼り養生


ここで問題発生!地金に粘り無いせいか、むしれた様なひび割れ状態に。
バリの出方がちょっと違うなと思っていたが、こんな事になってしまった。
もうお分かりかと思うが、この工程地味に難しいので要注意。
下手に触ると収拾がつかないが、次のこごみ直しで影響出る時はやらざるを得ない。





別の刃で参考写真:自分としては上手くいった方