芭屋框組(はなや かまちぐみ)

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台打ちをしてみての発見(その5)

2009-01-02 16:38:49 | 道具、砥ぎの話
台屋さんが作る鉋台は通常、寸八サイズを基準に設定されているようだ。
その為、刃巾が狭くても同じ台厚になっていて、分厚く重いバランスの悪い鉋台しか市販されていない。

厚みで言うと、一寸二分(36ミリ)が標準厚。自分は指が短いので、この厚みだと厚すぎて握りこみにくい。

寸八サイズだと9分5厘(28ミリ)ぐらいまで厚みを落とさないと、使いづらい。
普段は寸四サイズを一番よく使い、台厚を一寸から一寸一分に落としている。
3ミリから6ミリといった数値的には少ない寸法だが、この差は大きい。

ところで、市販の台の厚みを落とす際に、大体巾方向に大きな隙間ができてしまう。(向こう側が丸見えになるくらい)

我慢して使えば使えなくもないが、やはり左右の遊びが大き過ぎるので、刃が傾きやすい。また、何といっても新品にもかかわらず、すでに残念な見栄えになっているのが、どうにも納得し難い。

市販鉋の場合、今まで書いてきた刃のひずみ直しや、片刃砥ぎになっているかのチェックはもちろんしていない。
刃裏の状態も100%自分で直さないとならない状態で、台屋さんが仕込んでしまうので、結構さかのぼって手直しをしないとならない。

自分で台打ちをするにせよ、人に任せるにせよ、順番としてはまず、鉋身を正常な状態にしてから台打ちをしないと、細かい点で、後からの直しが多くなるのが私の実感だ。