浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

忙しい

2016-03-20 23:49:18 | 日記
 昨日午後は静岡。今日は一日中、掛川市へ。某家の史料調査。軍手とマスクをもって、ほこりにまみれた史料と対面した。史料保存のハウツーを熟知しているかたにその方法を教えていただいたが、いかに今まで杜撰にやっていたのかを思い知らされた。

 昨日、静岡からの帰途、電車の中で学生といろいろ議論した。ネットと、非学問的な本をもとにした、反知性的な話に辟易しながら対応した。

 戸邉秀明氏の、以下の指摘に同感である。

「インターネットが情報獲得に関する制約を取り払った結果、歴史的知識はそれを基礎づけていた文脈を奪われ、平準化・断片化された。断片化は、歴史の操作可能性を増大させる。いわば歴史の民主化が極限まで進み、 誰もが歴史について発言し、歴史の書き手になれるかのようになった。研究者が求める実証性とは異なる基準で歴史が流通し評価され、専門家の権威の剥奪は急速に進む。それは同時に、国家や資本による歴史の動員や産業化を促進した。歴史的知識の加工品が過剰に供給されればされるほど文脈の忘却は加速し、歴史修正主義の跳梁は容易となる。」(戸邉「マルクス主義と戦後日本史学」、岩波講座『日本歴史』第22巻所収、2016年)


コメント
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