浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

逆行する歴史

2016-03-23 12:09:18 | 近現代史
 第二次世界大戦という経験から、人類は、自由と民主主義、人権の尊重、公正さなどを学んだ。その成果は、たとえばわが国の憲法に結実している。

 しかし、わが国でもそうであるが、そうした積極的な守るべき価値を無化しようという動きが活発化している。

 東ヨーロッパでも、ポーランドやハンガリーが、ウルトラ右翼政権を握っている。彼らがやろうとしたことはまずマスコミの取り込みである。自らに都合のよい情報を流すために、メディア支配を試みている。

 ポーランドでは、公共放送を政権の下に置く法案を通過させた。旧経営陣を放逐し、そこで働く記者たちについては、新しい経営陣が面接などを行い、残るものと放逐するものとを分別するのだそうだ。

 独裁志向をもつ政治権力者は、まず情報統制を図る。国民に流すべき情報は、政治権力を利するものしか許さないようになる。そういう国家が今も現存している。そしてそうした国家が増えてきている。

 日本もそれに続く。とくにテレビメディアは、その出演者に権力者にとって覚えめでたい者を積極的に出演させるようになっている。ニュースを論じる番組にそれが顕著である。他方、政治権力に批判的な意見を、時に主張する者は、圧力をかけて追放する。

 まさにその結果が、3月末からテレビに出現する。

 ポーランドやハンガリーと同様に、日本も国際的には「右派政権」と呼ばれている。日本国民だけが、そういう国際的な認識を知らない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続発するテロ

2016-03-23 08:44:08 | 国際
 いったいどれほどの人が殺されるのか。ヨーロッパや中東で、テロが止まらない。たくさんの人が行き交う場所でのテロは、庶民をも殺害する。こういうテロは許されることではないのだが、しかしテロを実行する人々は、みずからの生命を賭す。「私も死ぬから、あんたたちも死ぬんだよ」という、絶対的な殺人である。

 事態はどんどん拡大する。

 しかし、いったいなぜこういう事態が起きるようになったかを考えると、第一次大戦後のイギリスなどによる中東の分割、第2次大戦後、その分割に沿って植民地から脱した国々を、今度はアメリカなどが破壊する。とりわけアメリカにとって不都合な政権は、強引に倒される。こうした経過の結果として、テロ事件が頻発する。

 現在の事態は、イギリス、アメリカなどがその責任を負うべきだが、そうした動きは見られない。考えてみれば、欧米の帝国主義国家は、世界を荒らし回ってきたが、一度も「ごめんなさい」を言ったことがない。「植民地責任」ということばが論じられるようになったのは、つい最近のことだ。欧米帝国主義は、みずからが過去に行ってきた罪責に向き合うことがない。

 テロ事件を報じる新聞などに、歴史的経過や、その歴史の中で誰が本当の責任を負うべきかは記されない。

 これほどまでに込み入ったなかで起きているテロ事件にストップをかけるためには、捻れに捻れている歴史的経過を少しずつほぐしていき、誰が悪かったのかを明らかにし、そしてその悪事に対して責任をとらせることが、重要ではないかと思う。急がば回れ、なのである。

 安倍政権が、中東の混乱に関してその責任が追及されることがない日本を、追及される側に転換しようとしているが、しかし日本こそ、その捻れをほぐすことができる立場にあるのだ。

 遠方で起きているテロ事件、安倍政権が続き、アメリカなどと共同歩調をとるなら、いずれは日本にも及んでくるだろう。

 イスラムによるテロ事件の歴史的淵源を考えなければならなくなった。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする