線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

黒部市<郷土芸能の祭典>②

2011年11月03日 23時38分40秒 | おまつり
11月3日に行われた、富山県黒部市の<郷土芸能の祭典>の続き。

7 長屋獅子舞保存会
 ①大門先入場 ②小天狗剣の舞 ③大天狗傘の舞 ④口上 ⑤猩々 ⑥大天狗剣の舞2番


秋祭りは10月17日。明治期に布施から伝承されたものという。黒塗りの獅子頭、大天狗も小天狗も元気に舞う。

8 明日稚児舞保存会
富山に4ヶ所に伝わる舞楽系の稚児舞。4月第3日曜日に行われる法福寺観音会のおりに演じられている。

祭礼時のように、会場客席から肩車にのって入場してきた。

舞台では「千秋楽」が演じられた。

稚児4人の舞。赤い装束が目をひく。

9 朴谷獅子舞保存会
 猩々

 朴谷(ほおのきだに)では、昭和20年代を最後に途絶えたのを、昭和63年に復活に立ち上がり、魚津市小川寺獅子舞保存会に指導を受け、2年かけて今日に至るという。玄人受けする舞であるというアナウンスがあったが、朴谷独自のアレンジを加えた舞であるという。

10 山田新獅子舞保存会
 ①獅子起し ②小天狗2番手 ③大天狗2番手 ④小天狗4番手 ⑤獅子おどり

 前沢地区の山田新に伝わる獅子舞。角を生やした黒塗りの獅子頭、大天狗、小天狗ともに舞う。何となくしっとりとした雰囲気を感じた。

11 沓掛獅子舞保存会
 ①願念登場 ②町廻り ③舟越し ④一人天狗 ⑤乱丸 ⑥受太刀 ⑦二人天狗

 明治元年頃に、入善から習ってきたものという。その後、各地へ伝えている。
 ここへは実際にお訪ねしたことがある。かつて10月29~30日であった秋祭りは、現行では9月第4土~日曜日になっている。まず神社境内で練り込むときに見られるように方の上に立つ「のりうち」を含め、大勢で入場、町廻りの雰囲気を演出。


 独特な天狗の動き。笛、太鼓、拍子木による囃子もなつかしい。子どもも多く、女児、男児ともに大勢参加している。舞にキレがある。

12 宇奈月青年団
 ①大門 ②御柄 ③早獅子 ④金蔵 ⑤手拭 ⑥神楽 ⑦傘 ⑧蛇の舞

 名湯・宇奈月温泉のある宇奈月の獅子舞。やはり保存会ではなく青年団による伝承。他地区が富山の獅子舞のなかでも下新川系であるが、ここは異色。八尾からの伝承ということで、金蔵獅子系のようだ。お囃子の雰囲気もちがう。獅子舞と獅子あやしである子どもの舞とがセットとなっている。


 12団体のなかで、9ヶ所の獅子舞を見ることができた。当地域では獅子は二人立ちで、呉西に多い百足獅子はなかった。天狗が元気なのであるが、氷見の天狗とはちがって、群舞するのが独特。またクルッと前転したり、傘や太刀をもって舞ったり…呉東独特な雰囲気を醸し出す。
 これだけ見ても、同じ獅子舞はない。演目、囃子、獅子頭、装束…こうした変遷が、民俗芸能のおもしろさの1つ。また遠く、八尾からの移入という宇奈月のものも独特で面白かった。民謡も工夫されていてよかった。

 子どもたちも参加している雰囲気もいい。観客も途中で経ることもなく、1階席はほぼ満席。
黒部の魅力がまた増えた気がする。
 

 
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黒部市<郷土芸能の祭典>①

2011年11月03日 20時31分08秒 | おまつり
11月3日に、富山県黒部市で<郷土芸能の祭典>が行われた。
黒部市合併5周年記念ということもあり、市内の12団体の民俗芸能や民謡が披露された。


黒部市というと、<沓掛の獅子舞>と、<明日の稚児舞>を見たことがあった。また、民謡では《しばんば》と《布施谷節》を聴いたことがあった。
12団体も出演するということで興味深く、今回出かけてみた。会場は黒部市国際文化センター「コラーレ」だ。


今回はステージでの披露で、しかも15分以内ということであり、各団体とも時間内で、演目を調整してのおられた。こうした芸能は、本来祭りの場で行われるもので、ステージ演出のもとで行う性格ではないが、広く市民の前で演じることで交流できる意味はあると思う。それぞれが、大変よく工夫されておられた。

1 栃屋獅子舞保存会
 ①大門先 ②獅子起し ③大天狗六尺棒 ④らんま踊り ⑤小天狗猩々舞 ⑥大天狗一丁傘 ⑦鵠僊(こくせん) ⑧花笠囃子 ⑨両の手 ⑩大天狗・小天狗 天狗舞


祭礼日は、かつては10月17日であったが、現行では10月第3日曜日に行われている。22演目も伝承があるという。大天狗、小天狗、女子手踊りがつく。獅子頭は、珍しく熊獅子だった。天狗の群舞がなかなか勇壮だった。


2 下立青年団
 ①獅子起し ②竹の天狗舞 ③猩々舞 ④花の舞


下立(おりたて)は、保存会でなく青年団だ。祭礼日は10月21日。
真っ赤な獅子頭が印象的。当地域に多い、獅子を起こす舞から始まった。独特な天狗の動きが、何ともいい。

3 荒俣獅子舞保存会
 ①獅子乗り ②大神楽 ③傘踊り ④酒注ぐ


昭和54年から青年団から保存会になった。沓掛から習ったものという。祭礼は10月19~21日。
天狗が肩車でならぬ、下の人の肩の上に乗って登場。やはり天狗が傘を持ってダイナミックに舞う。呉西に多い「獅子殺し」のように獅子を退治する場面が印象的。

4 布施谷節保存会



 布施谷節(ふせんたんぶし)保存会では「正調布施谷節」と「新布施谷節」を演じている。新の方は尺八と三味線が入り、正調は尺八のみの伴奏。踊りは農作業を模したような演出がされている。 
 この唄は大変難度が高く、そう簡単には歌えないメロディ。一節には日本海沿岸の「まだら」が伝わったものともいう。大変メロディが美しい。自分も大好きな曲の1つだ。

5 しばんば踊り保存会

♪イヤーエー波に流れた 新治村が 今は生地と 名が変わるイヤー
という歌詞の通り、海辺の町、生地地区の民謡だが、かつてあった新治が津波によって海中に沈んだという伝説が残る。踊りは穏やかな雰囲気である。やはり、塩を焚く作業を模した演出がされている。
 この曲も好きな唄なのだが、旋律が独特だ。いわゆる「民謡音階」ではなく「呂音階」に聞こえる。

6 立野獅子舞保存会
 ①華神楽八段 女からかさ舞い ②草神楽桜笛九段山かつぎ ③草神楽桜笛刀かつぎ

 ここも明治期に、沓掛から習ってきたという。男児、女児の振りも可愛らしい。獅子頭はやはり熊獅子だ。ただ…未確認だが、ライトの光線の関係からか茶色に見えた。もしかして、茶髪の熊獅子か(笑)

(続く)
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入善町の名水

2011年11月03日 14時52分03秒 | 名水
黒部へ向かう前に入善町へ立ち寄った。入善は黒部川扇状地湧水群のもたらした土地。

■杉沢■

ここで行ってみたかったのが「杉沢の沢スギ」だ。この杉沢とは、何とも神秘的な森なのだ。

周囲は田んぼ、前は海辺なのだが、その杉沢だけが異空間。曲がりくねった杉がにょきにょきと生えている。そんな中、あちこちから水が湧き出ている。

飲むことのできるような水場があるわけではないが、あちこちから水が湧き出している。スギの曲がり具合が不思議な感じ。


■五十里ゆう水の庭■
 杉沢から海岸沿いの道を進んでいくと、五十里(いかり)集落へ。東屋風な建物の中に水場が作られている。

 ゴボゴボと豊かな水量の水が、惜しげもなく湧き出している。周囲には池を囲んだミニ庭園風になっていて、癒しの空間だ。

■園家山ゆう水池■
 五十里から更に下ると、園家山(そのけやま)キャンプ場がある。そこから集落の方へ行くと池が見え、その脇に水場が作られている。

 ここも水量が豊かだ。大きめな石の水場は。とても清潔感たっぷり。


■高瀬ゆう水の庭■
 県道2号線へ出て、高瀬公民館を目ざすと、水場が見えてくる。

 ここは、交通の便がいいためか、水汲み族がたくさんおられた。ポリタンクをたくさん持参して汲んでいく。自分はマイコップに1杯と、写真のみ!
 しかし水量豊か!
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