今年は長野市の善光寺御開帳だ。ただ今、その真っ最中。今日の月曜は、たまたま土曜日勤務の振替で休みだったので、土日を避けた善光寺御参拝ツァーとなった!
ニュースなどを見ると、土日の御開帳関連の諸行事があると、すごい混雑なので、月曜日ならまだいいだろう!と、7年ぶりの御開帳へ向かう。
長野市に着いたのは午前10:40ころ。しかし、どうせ善光寺近くには駐車できないだろう!と、かつて住んでいた長野市だけに裏道を通って、少し離れた権堂町近くのパーキングに停める。30分100円。
さて、久しぶりに参道を行く。大門町通りだ。オリンピック以来、見違えるようになった長野市街地。自分が住んでいたころとは、かな~り雰囲気も変わった。
まず、参道を行くと目に入る「大本願」。ここは上人様がおられる浄土宗。まず立ち寄り、参拝する。
続いて、仲見世通りを進むと、右手に世尊院の小御堂・釈迦堂がある。
ここは等身大の釈迦涅槃像を御本尊とし、公開されている。そしてミニ回向柱があるのだ。まず、ここで柱に触れ、参拝する。
再び仲見世通りへ戻る。いよいよ大きな山門が見えてくる。
それにしても、月曜日だというのに結構な混み具合だ。早くお参りしたいな…と思って進むと、「回向柱最後尾」というプラカードがお目見え!わーっ!行列だ。
「最後尾はこちらでございます!」とのこと。
んん~、そう来たか…。でも、せっかく7年ぶりだし、まあ急ぎでもないし、心静かに並ぶことにした。時刻は午前11:12。
それにしても人が多い。場内の放送を聞くと「埼玉県からお越しの○○様~」とか、「倉敷市からお越しの△△様~」…県外が多い。これもETC割引の効果か!?
10分くらいして、ようやく山門の真下にきた。平成の大修理を終え、キレイになった。山門の特別公開もあったが、何と500円。そして行列だ。回向柱でさえ行列なので、山門へはあきらめた。ただ…後で分かったのだが、山門の公開はこの御開帳帰還の限定だったらしい。まあ、しょうがない。
山門の「善光寺」の額が見えてきた!
この文字には秘密が隠されている。文字の中に鳩が何羽か書かれているのと、何かに似ているのだ。これは小学生のころ、覚えたこと。長野県民には有名かも!
さて、本堂も見えてきた。しかしなかなか回向柱にはたどり着かない。並びはじめて、もう30分は経っている。
柱前では4~5人ずつ並ぶように指示がある。途中で入る邪険な奴は?いないな…。というか、柱の手前には仕切りがされていて、警備の人がついているので大丈夫。せっかく善光寺に来て、インチキして罰が当たっても気分悪かろうに…。
さて、あと数メートルだ!
柱と前立本尊とをつなぐ五色の「善の綱」も見えてきた!この回向柱に触ることで、御本尊との一体感を得ることができるのである。
あと1列だ!
というところで、
「はい開けてください!開けてください!」
との警備員の声。ここで触れてしまおう!っと、ぐいっと前に出て、ありがたく触れた!
しかし、自分の後ろの人たちは、一端遮られてしまった。何事かと思ったら、何と大本願の御上人様が本堂からお下りになるというのだ。自分は、回向柱に触って、さて本堂へ!と思ってうろうろしていたら、警備の人が、
「はい、一列目の人は座ってくださいね。上人様がお通りになりますから。」
ということで、指示通り座った。大変ラッキーなことに、自分は最前列になってしまった。しばらくすると、
「お通りになります。かがんでください。そして脱帽してください。御数珠頂戴です。」
姿が目に入った。赤い傘に守られるように、鷹司御上人様ご本人だ!1人1人に数珠の房を触れてくださる。自分も思わず合掌して、待った。
あ~~~頂いた!
普段は、朝のお勤めのときに、この御数珠頂戴が行われる。そんな光景はテレビとか写真とかでしか見たことがなかった。それが御開帳のこの時に、偶然出くわすとは、何ともありがたいことで…。
警備員さんからは写真はご遠慮くださいとのことで、No photo だ。
偶然の出来事に興奮気味の自分。
さて、いよいよ本堂へ向かう。すると、左側では、これまた特別に「御印文頂戴」が行われている。これは、善光寺如来の分身である三つの御判さん(御印)を参詣者の頭上に戴かせて所願成就ならびに極楽往生の結縁の証とする儀式で、普段は正月の行事らしい。これは無料で、1人ずつ頭に「御印文」を御僧侶からいただく。
そして、いよいよ参拝だ。
ああ…遠くではあるが前立本尊が拝める。7年ぶりだ。何だか懐かしいような、ありがたいような不思議な気持ちになってくる。暗い内陣ではあるが、目をこらしてしっかりと遠くから見つめ、参拝をすませる。
それにしても大賑わいの善光寺御開帳だ。平日の昼、ちょうど12:00ころで、回向柱の並びが約30分待ち、内陣での参拝は約20分待ち、そして名物!御戒壇巡りは何と1時間待ちだという。普通、御戒壇巡りは、本堂内陣入り口である、向かって右側から入るのだ。しかし、本堂内での案内表示は左側だ。よく見ると、一端左側から本堂を下り、裏側を廻ってそして右側へ並ぶという、大行列になっていた。さすがに、1時間待ちに閉口、御上人様の御数珠を頂いたし、満足して御戒壇巡りは今回はパス。
出てから、縁起物頒布所でお守りや、ミニ回向柱などを購入。これで心おきなく、帰れそうだ。
そんな賑わう善光寺をあとにして、もう1ヶ所、行きたいところが信濃美術館。
企画展である「善光寺御開帳記念“いのり”のかたち-善光寺信仰展」(開催期間:2009年4月4日(土)~5月31日(日)に行きたかったのだ。各地の善光寺式阿弥陀三尊像や、信州各地の善光寺信仰に関わる資料や仏像などが展示されていた。
なかでも、ドイツのリンデン民族学博物館所蔵の阿弥陀三尊像の「里帰り」が目玉の一つ。何だか、外国から渡ってきた阿弥陀様とは不思議な感じがした。
しかし…善光寺如来様の本物は秘仏中の秘仏。見ることができるのは、前立本尊。それも7年に1度だけだ。だから、本物がどれほどの大きさで、どんな形なのかは和からないんだろうね。
なお、もう一つ、地元上田市下之郷の長楽寺の金銅菩薩思惟像が出品されていた。これは、数年前盗難にあったもの。最近、発見されて戻ってきたということで「おもどり菩薩」などといわれているものだ。地元にいても、寺の中にあってはなかなかみられないのだが、こうして美術館にあれば間近で見られていいもんだ…。
こうして入館料1,200円の企画展を味わい、本日の御開帳巡りは終わり。
何だかありがたい1日であった。