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線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

がんばれ!ミズナラ!

2013年07月10日 20時35分56秒 | 巨木
下伊那郡阿智村に合併した旧清内路村に小黒川のミズナラという名木がある。この木は幹周が約7.3m、樹高が約33m、樹齢は約300年という。とにかく姿がきれいである。四方八方に広がる枝振りも見事で、何ともすばらしい。しかも、この木の立っているところまでは、幹線道路から谷沿いの細い道を登り、パッと視界が広がったとたん目に入ってくる感動がたまらない。久しぶりに会いに行った。

しかし…。行ってみておどろいた。何とも痛々しい状態になっていた。

 
確か、新聞でもニュースになっていたが、枝が折れたとは聞いていた。これだけ大きな木なので、「ああ2~3本か…」という気分でいた。ところが、折れた枝のために、バランスがとれなくなりつつあるのだそうだ。

周囲は立入禁止になっており、こんな張り紙が目に入った。

これを読むと、枝が折れてバランスが悪くなったということだけでなく、かなり幹がえぐられたようだ。正面から見ると普通に見えたが、裏側にまわると、かなりの破損だということが分かる。


根元に祠があるのだが、そのちょうど裏側あたりがかなりえぐられていた。


祠側に傾くような格好になってしまっている。そのために杖のような支柱が張り巡らされている。痛々しい感じがするが、これはやむを得ないなと思う。

樹勢が衰えたり、腐敗したりしなければいいなと思う。がんばって、この傷に耐えてほしいと思う。

がんばれ!ミズナラ!

飯田下伊那の古木

2013年06月18日 20時54分53秒 | 巨木
久しぶりに飯田~下伊那をうろつき、古木を巡る。

まず、飯田市立図書館の裏?というか、飯田合同庁舎の裏手?へ。ここには「赤門」がある。

これは、旧飯田城の桜丸後門である。江戸時代の建物で、飯田城の遺構である。その裏手に桜丸御殿址のヒガンザクラがある。

何とも古めかしい桜だ。よく見ると二股になっている。
 
解説によると、エドヒガンザクラとシダレザクラの合体木なのだそうだ。花の頃はちがう花が咲くという。

その脇には「蚊母樹(イスノキ)」という珍木がある。


さて阿智村へ向かう。伍和地区に栗の木の巨木があるという。阿智第二小学校近くの洞というところに目立つ栗の木が目に入る。

田圃の脇にど~んと立っている。この地区には栗の木がよく見かける。栗の産地なのかな?

さて、今回はどうしても行きたかった場所がある。阿智村園原の御坂神社だ。ここには2006年頃、石川のピカイチさんと一緒に訪ねたことがある。それも坂宇場の花祭りの帰りだった。時間が遅くなってしまい、自分のカメラではほとんど写っていなかった。というか、怖かった!

久しぶりに行ってみた。

ここは東山道の最大の難所・御坂峠の手前だ。古代の人々も祈りをささげたことであろう。
境内にはヤマトタケルノミコトの腰掛けたという岩もある。古い神社だ。そのヤマトタケルにちなんだものか?杉の巨木は「日本杉(ヤマトスギ)」という。

そして境内はトチノキの大木が倒れそうな感じで突き出している。

それにしても、こんなにトチノキ群があったんだ…と初めて知る。

さて、神社近くには名木「ははき木」がある。古今和歌集や源氏物語で古くから知られていた。しかし台風の被害により、見るも無惨な姿になってしまった。


また「駒つなぎの桜」も名木。

水田の奥に生えているその姿の美しさから、花のシーズンには写真ファンが多く集まるようだ。水田に写る姿いいのだが、今年はサクラの保護のために、水田の水張りを中止したという。

それにしても、これだけの古木が神坂峠の手前にあるのだ。何とも歴史を感じさせる。




さて、車を南木曽町の方へ向かわせると、旧清内路村の国道沿いに諏訪神社があり、その鳥居のすぐ後ろに夫婦スギがある。

この神社は、有名な清内路の花火で知られる場所だ。機会をつくって来てみたい!

まだまだ回りきれないなー!

片貝の洞杉に会いに行く!

2012年11月02日 23時28分57秒 | 巨木
平成元年、富山県魚津市三ケの片貝南又発電所工事の林道建設のときに、杉の巨木が発見された。タテヤマスギの古木で、幹に空洞ができることから「洞杉」と呼ばれる。その異様な姿は何とも惹かれる。特に岩を抱え込むように生えている特徴的な大杉に、リベンジで会いに行った。

リベンジとは…実は昨年も訪れている。その時は、近くまで行きながら、洞杉は見たのだがさほど感激もしなかった。

あれ?こんなものか?

そして帰宅後、よくよくネットで確認してみた。

ちがった…。

去年は発電所付近の杉だけを見て帰り、最大の洞杉を見損なったのである。
ということでリベンジにかけたのであった。

11月2日。代休をとって富山へ向かう。何とも天気が悪い。松本は晴れていたのだが、安房トンネル付近で雪、そして岐阜から富山までの道路はほとんど雨であった。

どうしようかなと思いつつ、魚津市へ向かう。それでも雨は上がったので、洞杉群のある三ケへ向かってみた。

今でも泣き出しそうな空。でも雨さえ落ちてなければいい。祈るような気持ちで、南又谷沿いの狭い道を進む。

すると…

あれ?駐車場?

去年はかなり奥まで進めたのだが、かなり手前で自動車の進入が禁止されていた。

ここから…2.5kmの山道を約50分???ここまで来て、諦めるわけにはいかない!

よし!歩こう!


と、靴を履き替え、カメラもって、ついでに傘ももって、2:10p.m.頃に出発。

2.5kmか…。しかも天気はよくない。ぶつぶつ言いながら、進んでいく。すると、



何?クマ?

そういえば、最近、長野市街地にもクマが出たというニュースがあった。大体、自動車も入らないような環境で、物音もしないなか、困るな~と思いつつ、口笛吹いたり、独り言をぶつぶつ言いながら、早歩きで進む。

しかし、いい風景だ。

紅葉もよく、何とも気分のいい山道である。

何となく見覚えのある道。途中、1.3kmのところで竜石神社がある。ここに1つ大きな洞杉がある!



ちょうど橋の脇の岸辺のようなところに斜めに生えている。これは去年も写真を撮った覚えがある。かなりの太さの杉だ。

ああ…まだ半分ほどだ。先を急ぐことにする。

すると…自動車の音がするぞ?何だろう?と思ったら「北陸電力」の車だった。そうだ。確かに発電所がある。こういう車は入っていいんだね。それにしても内心、

乗せてくれ~!

と思った(涙)。

すると、去年間違えて、入ることのなかった分岐点に差し掛かった。看板はコレ!



そして、この橋を渡るのだ。


すると、あった!まずいきなりの大木!


あ~すごい!これ1本だけ見ても、大き過ぎ(笑)
かなりの大きさだ。これだけも満足度高い。岩屋の前の大杉だ。

更に、坂道を進んでいく。

おおっ!これだ!


何と表現すればいいのだろう。タコのような、何ともたくましい枝の数々。この枝1本で、そこらに生えている杉1本分という感じだ。

そして並びのこの杉も大きい。


この2本のある場所が広場のようになっていて、「洞杉」の案内板や説明が書かれていた。
そして、いよいよ山道に入っていく。

観察者にとって歩きやすいように、木道のように歩きやすい環境になっていた。ずんずん進む。

ああ…




これは言葉にならないな。大きな岩をくわえ込むように、太い根がまとわりついているように見える。これが最大の洞杉だ。これは迫力を越えている。神々しさしか感じられないな。

離れがたい気分を押さえつつ、進んでいく。







こうした洞杉が、静かに並んでいる。本当に静かに。樹齢はどれくらいだろうか。最大のもので、推定1,000年と書かれている。すると鎌倉時代よりも前か?


そして再び、広場の2本の杉の場所に戻ってくる。何とも離れがたい気分だが、時間も3:15p.m.過ぎた。帰ることにした。


ところが…である。

もっとも洞杉が集まっていた場所を離れて、帰り始めた途端に雨が降り出した。それまで、確かに天気は悪かったが、雨はなかった。そのため、写真も撮ることができた。

それが、帰り始めた途端の雨。一体何だったのだろう?持ってきた傘を差しながら、駐車場まで歩いていく。自分が洞杉を見ていた時間まで、雨をとっておいてもらったようだ。

山の神様ありがとう!
片貝川の竜石神社の神様ありがとう!


こんな気持ちで、山道を急いで下りていった。

飯伊の古木3本

2012年10月16日 20時58分42秒 | 巨木
飯田市出張だった。いつもながら松本からは遠いので、前のりで飯田入り。
今回は、時間に余裕があったので、普通にふらついていたところ、古木3本を見つけてしまった!

まず、飯田市役所にある大ケヤキ。


前から、ずっと気になっていたのだが、今回ようやく撮ることができた。市役所内の水道局付近にある。前の道路からよく見えるので、おそらく飯田市民にはよく知られているかな?

よく見ると「大久保小学校ありき」という碑を発見。後で調べてみると、廃校となった大久保小学校跡地に飯田市役所が移転新設されたのが昭和36年。このケヤキは、大久保小学校にあった巨木ということだ。

続いて、飯田市座光寺にある舞台桜。これは麻績神社境内で、かつての「旧麻績学校」前にある。


枝振りがかなり広がっており、立派なものだ。しかし季節は秋。花の咲く時期に来てみたかった。

そして下伊那郡高森町下市田のヒイラギ。


これは個人の所有らしい。これ、ぱっと見てヒイラギには見えないぞ!かなり古い感じで、堂々たる古木だ。あるいは木の塊りのようにしか見えない人もあると思うほどだ。





出張ついでに3本の古木に出会ってしまった。「古木巡礼」も奥が深い!

飯山市<神戸のイチョウ>

2011年11月27日 21時19分52秒 | 巨木
8月に飯山市神戸(ごうど)のイチョウを見に行った。

飯山市街地から千曲川を渡って、野沢温泉方面へ行くと瑞穂区神戸(ごうど)地区がある。その山手の畑の中に、この大イチョウがある。標識に沿って行くと、「銀杏三寶大荒神」と書かれた鳥居があり、それをくぐるとイチョウに対面となる。

でかい!

異様なほど束になったような幹、枝が垂れ下がり、木陰を作っていた。幹の根元には祠があり、またイチョウ右手には拝殿もある。このイチョウ全体を神様と考えているのだろうか。確かに神々しさを感じる巨木である。幹周約11m、樹高約36m、樹齢約1500年と言われる、長野県屈指の大イチョウである。

これほどのイチョウなので、昔から知られていたようだ。案内板によれば、明治20年に刊行された井出道貞著『信濃奇勝録』にも記述があるという。

それで帰宅後に、たまたま自宅にあった『信濃奇勝録』をあらためて開いてみた。

あった!

大きな幹に、3人の人物が手を広げている描写がある。また大きく垂れ下がる気根もしっかり描かれていた。これがイチョウとは、とても思えない(笑)

ところで、巨木を見るようになって何年か経つが、いつも時期が合わないのがイチョウの黄葉。青々とした夏の樹を見ることはあったが、イチョウの黄葉のいい時期になかなか出くわさない。

今年の神戸のイチョウの黄葉はどうだったのだろう。