つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

言葉の力

2013-01-15 08:55:29 | つらつら思うこと

俳句をかじってるせいか、歌を聴いていて

その歌詞のワンフレーズにしびれてしまったりすることがある。

メロディーが好きになって、いいなあと思って聴いていても、

歌詞がつまらないと、何度か聞いているうちにゲンナリ

して、聴きたくなくなってしまったりする。

 

ところが、歌詞が好きだった曲はそのようなことがないのだ。

俳句は五・七・五という17文字の日本で最短の

文芸なので、その短さの中に最高のフレーズを見つけなければ

ならない。かの俳聖松尾芭蕉は、「舌頭千遍」せよと言ったとか。

つまり、それほどに何度も推敲せよというのである。

ハウンドドックの「フォルティシモ」など、その推敲ぶりが

うかがえて、素晴らしい歌詞になっている。「お前の涙も

俺を止められない」いきなりのこの出だしである。「こぶしを

固めろ、叩きのめされても」男っぽいフレーズに「わずかな

温もり分かち合ったように」「愛が全てさ」と、ソフトに包んでいく…。

これらの言葉も相当に練られていて素晴らしいが、

一番推敲したのでは…と感心したのは、「お前の涙を振り返りはしない」

の後の「全ての祈りが叶えられるまで」の“祈り”だ。通常ここは

願い、想い、又は夢といくとこだろうが、どうしてもそうはいきたくなかったので

ありましょう。ここで舌頭千遍して、出てきたのが「祈り」の言葉だと思う。

それで、グッと深みを増した言葉になったのである。


逆に、我が好きな某の「腹を立てたり、怒ったり」って歌詞、どっちも同じ

意味なんだよね…。某はこの類が多いんで、格調がちょっと…。

好きなだけにもっと辛抱して、舌頭千遍…頼むよー。

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