私が俳句を始めてもぅ十年が過ぎてしまった。
俳句なんて、五・七・五でけっこう簡単じゃないの、
と気楽に始めたのだが、これがやってみると
なかなかどうして奥が深い。
それに気づいて苦悩し始めた頃、この句を
ラジオで聞いたのだ。「俳人の山口誓子さんが亡くなりました。」
と訃報を伝え、「代表作は“海に出て木枯し帰るところ無し”でした。」
と述べた。この句を聞いたとき、「ガーン」と衝撃を受けた。
山口誓子さんの名前は中日新聞俳句欄の選者
だったので知ってはいたが、女性だとばかり
思っていたほど無知だった。あまりにも有名な
「夏草に機関車の車輪来て止まる」「夏の河赤き鉄鎖のはし浸る」
などの名句をあまた残した誓子氏は俳句史にさん然と
輝く存在だったのだ。この「海に出て…」の句がすごいのは
一言も難しい言葉がなく尚かつ深い、という名句の
理想を満たしているところだ。
私はしばらくこの句が頭の中を巡って離れなかった。
そして誓子さんのすばらしさ、俳句のすばらしさを
知るきっかけになったのだ。
俳句なんて、五・七・五でけっこう簡単じゃないの、
と気楽に始めたのだが、これがやってみると
なかなかどうして奥が深い。
それに気づいて苦悩し始めた頃、この句を
ラジオで聞いたのだ。「俳人の山口誓子さんが亡くなりました。」
と訃報を伝え、「代表作は“海に出て木枯し帰るところ無し”でした。」
と述べた。この句を聞いたとき、「ガーン」と衝撃を受けた。
山口誓子さんの名前は中日新聞俳句欄の選者
だったので知ってはいたが、女性だとばかり
思っていたほど無知だった。あまりにも有名な
「夏草に機関車の車輪来て止まる」「夏の河赤き鉄鎖のはし浸る」
などの名句をあまた残した誓子氏は俳句史にさん然と
輝く存在だったのだ。この「海に出て…」の句がすごいのは
一言も難しい言葉がなく尚かつ深い、という名句の
理想を満たしているところだ。
私はしばらくこの句が頭の中を巡って離れなかった。
そして誓子さんのすばらしさ、俳句のすばらしさを
知るきっかけになったのだ。