つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

衝撃の一句

2006-06-07 15:33:45 | 俳句
私が俳句を始めてもぅ十年が過ぎてしまった。
俳句なんて、五・七・五でけっこう簡単じゃないの、
と気楽に始めたのだが、これがやってみると
なかなかどうして奥が深い。
それに気づいて苦悩し始めた頃、この句を
ラジオで聞いたのだ。「俳人の山口誓子さんが亡くなりました。」
と訃報を伝え、「代表作は“海に出て木枯し帰るところ無し”でした。」
と述べた。この句を聞いたとき、「ガーン」と衝撃を受けた。
山口誓子さんの名前は中日新聞俳句欄の選者
だったので知ってはいたが、女性だとばかり
思っていたほど無知だった。あまりにも有名な
「夏草に機関車の車輪来て止まる」「夏の河赤き鉄鎖のはし浸る」
などの名句をあまた残した誓子氏は俳句史にさん然と
輝く存在だったのだ。この「海に出て…」の句がすごいのは
一言も難しい言葉がなく尚かつ深い、という名句の
理想を満たしているところだ。
私はしばらくこの句が頭の中を巡って離れなかった。
そして誓子さんのすばらしさ、俳句のすばらしさを
知るきっかけになったのだ。
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