老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

今年のことは今年のうちに

2016-12-23 18:53:04 | 俳句
   

お墓参りに行く。
年末の内に終わらせていけない気ががりの行事のひとつである。
お天気が崩れて、今年一番の寒気が入ってきた寒い日であった。
昨日は 新潟の糸魚川で大火があった。
天皇さまも、参賀の言葉の中で被害に遭った方にお見舞いをおっしゃっていた。
次から次へと、日本列島も自然災害、人的災害と続いて大変である。

山はおにぎりのような讃岐と違って、阿波に入ると少し深く高くなる。

帰りに峠道にさしかかると、急に時雨てきた。

     💌    あれよあれ前山は雪時雨かな

  

前方に雲がわいたと思うやいなフロントガラスを霰が打ちだした。

     💌    車打つ霰の音や峠越


  

色づいていた雑木紅葉の山がたちまち煙に隠れてしまう。
「おい、天気予報は雨が降ると云ってたか?」と夫。
「いいえ」
こんな会話を交わしながら、峠を越して讃岐に入ると、どんよりとした黒い雲は垂れさがっているが雨は降っていない。
我が家に近づくと青空が見える。

故郷の霰の洗礼を受けて、墓参りを終えた。
お墓で掃除をしたり、お参りをしている間は故郷の山 高越颪の強い風に立っているのがやっとだったけれど。
雨も霰も降っていなくて無事にお参りをすることができた。


    

     💌    水漬きゐる冬田けぶれる高越山

     💌    水漬く田に鴨の番の来てをりぬ


    

    💌    産土の畑の黒々はうれん草

    💌    大根畑立つてをれなひやうな風

    💌    芒かるる大河の中洲ゆるぎなし

    💌    山眠る谷底にうどん店並ぶ

    💌    雪しぐれ飯なく菜だけ道の駅

    💌    冬至梅「ゆ」と染め抜きの暖簾かな

    💌    北風に供華散らばりてをれる墓所


    
コメント
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