正月気分はとっくにないが、ついに今まで飾っていたお供え餅を下ろし、すぐさま焼いて砂糖醤油をつけて食べた。
今まで買ったお供え餅は、お供えの形の容器の中に、びっちり餅が入っていたものだった。今回は丸餅が各々袋に、乾燥剤と一緒に入っていた。
子供の頃、12月も暮れに押し迫ってくると、どの家からも餅搗きの音が聞こえてきた。我が家も一家総出で、父の弟子達も一緒になっての、朝早くからの行事だった。搗いた餅はお供え用の大きな丸餅と小餅と呼ばれる丸餅や、小豆餡をいれた餡餅にした。切り餅にすることはなかった。
正月のお雑煮が丸餅なのは、東北では山形県の庄内地方だけのようだが、どうやら関西からの文化のようだ。「昔は、自分の歳の数だけ食べたものだ。」とは、父の話である。一番餅好きの父は、カロリーが高いからと餅を食べさせて貰えない。私はと言うと