愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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コミミズク

2020-12-29 | 日記

コミミズクという鳥がいる。フクロウの仲間で一応猛禽、冬にこの辺りに現れる渡り鳥で、鳥見の人々からはコミミと呼ばれている。野鳥を見始めた頃から、○○でコミミ見たとか昨日この辺りで見かけたという話は聞くのだが、なかなか出会えない。2・3年前に朝早く突然目の前の看板に留まっているコミミズクに出くわして写真を撮ることができたが、すぐに藪の向こうに飛び去りその飛翔姿を取ることが出来なかった。野原を飛びまわる姿を見たのはさらに2年ほど前、その時も双眼鏡で遠くを飛んでいるのを見たにすぎない。

 そんなことで、コミミズクの飛翔の姿を一度正面から、顔もしっかり写る角度で撮ってみたいとずっと思っていた。ついにこの冬、4・5日前にたまたま別の猛禽を探していた枯野でコミミズクに出会い、写真を撮ることができて願いがかなった思いである。その2日後にも出かけて、再度遭遇し、その時にも飛翔姿を撮ることができた。一般的な鳥の飛ぶ姿は先端に嘴が突き出しその次に頭が来るが、フクロウの仲間は顔が平らで嘴が短く、横から見ると先を切り落とした棍棒が飛んでいるように見えて面白い。顔を斜め下に突き出す姿は、おそらく地表付近のネズミなどの出す音を聞きながら飛んでいるからだろう。正面から見ると、まるで丸い "お面" を付けたように見えて愛嬌を感じる。

 一緒にいた知人から、前日にネズミを食べる姿を目撃したという話を聞き、やはり猛禽なのだと思う。しかし一方でコミミズクを愛する鳥見達からは、「明るいうちに飛びまわるとハヤブサやチュウヒに食べられてしまうのではないか」という心配の声もよく耳にする。毎日見掛けていたコミミズクが突然見られなくなると、「この辺りはハヤブサやオオタカが出没するから食べられてしまったかも?」などという話も出る。この冬に見ることができたコミミズクの飛翔を見ると、確かにフワフワとまるで蝶のように飛びまわり、タカに襲われても咄嗟に身をかわす素早さやも感じられないし、体は小さくハヤブサやオオタカに反撃する武器も無さそうだ。実際に何かに食べられた死骸が見つかったこともあったと聞く。

 今夕も出会いを期待して出掛けたが、観察者の増加に反してコミミズクは姿を見せず、暗くなるまで待っても確認できなかった。餌を探して飛ぶ度に望遠レンズを向けてくる人間達は、鳥にとってみれば鬱陶しいだろう。それでどこか別の場所に狩場を変えたのだろうと思いたい。せっかく冬を越すために遠くから渡って来た地で、餌を探すどころか、この地の猛禽たちの餌になってしまっては元も子もない。何とか無事に冬を越して北に帰って欲しいものだ。

 

コメント
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